パルデンの会

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★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.08.25)来年1月に開催される第8回朝鮮労働党大会発表の意味

第20回救う会テレビ

 令和2年8月24日、第20回救う会テレビを収録しました。

西岡力救う会会長が、「来年1月に開催される第8回朝鮮労働党大会発表の意味」、につき解説しました。

■来年1月に開催される第8回朝鮮労働党大会発表の意味
北朝鮮が1年早く党大会、経済悪化を認めた

 みなさんごきげんよう救う会テレビ、救う会全国協議会会長の西岡力です。
 今日は令和2年8月24日午後7時半です。第20回になりました

 2021年1月に北朝鮮が党大会を開くと発表しました。今日のテーマは、1
月党大会発表の意味についてお話しいたします。

 8月19日に労働党の中央委員会第7期第6回総会がありました。第7期とい
うのは、第7回党大会の後開かれる中央委員会総会を第7期と言います。第7期
の6回目の総会です。

 そこで金正恩氏がまた演説をしたのですけれども、そこで今言いました第8回
党大会を1月に開催すると決定しました。第7回党大会は2016年の5月に開
かれていますので、党規約上5年(に1回)ということですから、来年の5月に
開かれるべきところですけれども、少し早く開かれるということです。

 特にですね、この党大会を開くという決定の文章、総会決定書があるのですけ
れど、そこにこのような重大な表現がありました。

「過酷な内外の情勢が持続し、予想できなかった挑戦が重なるのに合わせて経済
活動を改善することができなかったので、計画された国家経済の成長目標が甚だ
しく未達成となり、人民の生活が著しく向上しない結果も招かれた」。

 計画が未達成ということと、人民生活が著しく向上しないと言っていますけど、
これは実は悪化しているのですね。でもこれを言わざるを得なくなったというこ
とであります。

◆前回の中央委員会総会では「制裁が効いている」と認めた

 皆さんももしかしたらご記憶にあるかもしれませんけれど、この中央委員会総
会、前回は去年の12月に大々的に開かれたのですね。4日連続で開かれて、そこ
で7時間金正恩が演説したのです。その演説の内容をここにまとめてきましたの
でそれをもう一度振り返っておきます。

 12月28日から4日間開かれた。普通300人程度で行われるのですけれども、
2000人全国から集めた。7時間演説した。その中身の第1はですね、「制裁
は効いてる」と(いうことを)そこで認めていました。

「この数か月間我々が直面した挑戦は普通なら一日も持ちこたえられずに屈する
であろう非常に厳しく危険極まりない難関であった」と言っている

 ここ数か月というのは、直接的には前回の総会があった去年の4月以降という
意味ですけれども、実質的には去年の2月のハノイ会談失敗以降だと思います。
トランプ大統領とのハノイ会談に失敗して制裁が緩まなかった。したがって外貨
不足になったということです。

 だがアメリカの求める核ミサイル廃棄には応じないと言いました。「われわれ
にとって経済建設に有利な対外的環境が切実に必要であることは確かであるが、
決して華麗な変身を願って、これまで生命のように守ってきた尊厳を売り渡すこ
とはできません」。

◆「党は助けない。自力で制裁による経済悪化を正面突破せよ」

 じゃあどうすればいいか。「党は助けないから、お前たちが自力で制裁による
経済悪化を正面突破せよ」と言ったのですね。

 報告のタイトルは「われわれの前進を妨げるあらゆる難関を正面突破戦によっ
て切り抜けていこう」であり、「正面突破」と「自力」が繰り返し語られた。主
観的決意があれば客観的条件は変えられるという精神主義です。

「困苦欠乏に耐えて必ず自力富強、自力繁栄して国の尊厳を守り、帝国主義を打
ち負かすということがわれわれの強い革命的信念。不屈の革命信念と燃えるよう
な祖国愛、堅忍不抜の闘争精神をもって引き続き力強くたたかうならば難関は撃
破される」。正面突破自力で決意すれば大丈夫だということです。

 そして、不満を言う者は容赦せずに粛正する。「全党的、全国家的、全社会的
に反社会主義・非社会主義的傾向を一掃するための闘争を強力に展開」すると言
いました。

◆加えてコロナで中朝国境を封鎖

 この段階ではコロナはまだ発生してなかったのですね。しかし「これだけ苦し
い」と言っていた。それなのにその後ですね、(今年)1月22日に中朝国境を
封鎖しました。

 そして2月29日に政治局拡大会議を開いて、「国家的な超特急防疫措置をす
る」と言いました。

 また4月11日には中央委員会政治局会議を開いて、「伝染病(新型コロナウ
イルス)に対処してわが人民の生命安全を保護するための国家的対策を取る」と
しました。

 そしてこの4月15日の金日成の生誕日に、ミイラ参拝に金正恩出てこなかっ
た。(金正恩の妹の)与正(ヨジョン)も出てこなかったので健康不安説が出て、
5月1日に肥料工場の竣工式に出てきたということがありました。

 また6月7日に政治局会議があって、ここでは「首都市民の生活保障で国家的
な対策を強く立てる」と言いました。平壌でも4月から配給が止まったのです。
それについて国家的な対策を立てると決めたのです。

 そして7月2日にまた政治局会議を開いて、「国家非常防疫活動を強化する」
と言いました。7月25日には政治局非常拡大会議を開いて、「開城市を完全封
鎖する」、と。「国家非常防疫システムを最大非常体制に移行させ、特級警報を
発令する」と。一度韓国に逃げた脱北者が戻ってきて、「その人間が感染した疑
いがある」と言ったのです

 その後また8月5日に政務局会議というのを公開しました。この公開は初めてで
す。政務局というのは昔の書記局ですね。実務的なことを話し合う会議なのです
けども、今は党の副委員長がメンバーで、その会議が初めて公開されて、そこで
も「封鎖してる開城市民を支援する」ということを決めたということをわざわざ
公表しました。

◆水害で三重苦に
 そしたらもう一つ、彼らにとって重大なダメージを与えることが起きたのです
ね。
 経済制裁、コロナ、3つ目が水害です。8月に集中豪雨がありました。

 そして金正恩黄海北道の銀波郡の水害状況を現地視察しました。日本の高級
車、レクサスに乗っていた写真が出ましたよね。

 そして8月13日にまた政治局会議を開いて「開城市の封鎖を解除する」と。
そして「10月10日までに水害復旧を基本的に終える」と決めました。決めた
らできるのかということなのですが、そう決めました。

 そして8月19日に先程の中央委員会総会が開かれたということで経済制裁
にコロナにそして水害と。「経済制裁だけで通常なら1日も保たない」と言って
いたのに、それにコロナと水害という二つ悪材料が重なったということです。
実は4つ目があるのですね。先ほどちょっと見ましたけれども金正恩の健康問題です。

金正恩の健康不安で四重苦

 与正氏への権限委譲が顕在化しました。6月13日に与正氏は談話を出してです
ね、「私は、委員長同志と党と国家から付与された私の権限を行使して対敵事業
関連部署に次の段階の行動を決行することを指示した」。

 ここで「指示する」と言葉を使えるということの意味について、こ救う会TV
でもお話ししましたけれども、首領様以外は指示してはいけないのに「私の権限
を行使して」と言っていますよね。しかし「委員長同志から付与された」と一応
顔は立てていますけど、「指示した」と言っている。

 そして「遠からず無用な北南共同連絡事務所が跡形もなく崩れる悲惨な光景を
見ることになるであろう」と。そしたら開城市の南北連絡事務所が爆破された。
その後も「信義を裏切った代償を南朝鮮当局者らは感じることになるだろう」と
談話を出した。

 人民軍の総参謀部が「対敵軍事行動計画」を発表。この中には大規模な対南風
船ビラ散布も入っていました。ところが中央軍事委員会予備会議がリモートで開
かれて、「対南軍事行動計画を保留する」と言いました。

 与正の言っていることが実行できなかったのは与正が引っ込んだのかと思いま
したらそうではなくて、金日成の命日に金正恩もミイラ参拝をしましたが、与正
も参加しました。そして7月10日には与正がアメリカに対する談話を出しまし
た。

 これらのことから明らかなのは、金正恩氏が4月に心臓の発作を受けて、カテーテルを通すという治療(手術)を受けた。そしてまたいつ発作が起きるか分からない。そのことに備えて与正に権限を委譲している。自分が意識不明になったり、

 しばらくの間でも寝たきりになったような状況が起きることが十分想定されるということで、自分の権限を代行する人間を作っておく必要性に迫られているわけです。

 ですから先ほど言った三重苦プラス四重苦ですね。独裁者の健康問題があると
いうことです。

◆来年1月の党大会で、与正氏の権限代行者としての地位を明文化

 韓国の一部専門家は1月にもたれる党大会で、与正氏のその権限代行者として
の地位を明文化するのではないかと見ています。

 今彼女は党の第一副部長ということになっています。組織指導部の第一副部長
であることは間違いないと思いますが、それにプラスして国家保衛部や一般警察


 それから軍、すべてについて統制する、検閲統制する権限を持たせるという話
があります。

 今は組織指導部で人事権だけを持っているのですが、軍と国家保衛部と一般警
察など治安機関全部について監視統制の権限を持たせる。そのような組織改編を
今しているという話が伝わってきています。四重苦なのですね。

 もう去年の12月の段階で「正面突破せよ」、それは「精神主義」、「自力
更生だ」と言ってたのですが、「自力更生だ」と言いながら実は中国から観光客
を入れようとしていたのですけれど、それもコロナで出来なくなった。遂に平壌
の幹部たちの配給が止まるところまで行ったということです。

◆追い詰められた北朝鮮金正恩の健康悪化の噂が広がっている

 この四重苦の中で、まだ金正恩・与正は核ミサイルを捨てる、そして日本と話
し合いをするという決断をしていません。

 しかし最近聞いた内部情報によりますと、平壌市民の中で金正恩健康が悪い
のではないか、もう長く保たないのではないか、という噂が急速に拡散していて、
国家保衛部はそれを取り締まっていると言うのですね。

 それを伝えてくれた人に「与正の権限が強まっているので     そう推測してるの
ですか」と言ったら、「それもあるけどもそれだけじゃないんです」と。「平壌
には医療関係者がいます」と。「あるいは党や治安機関やそれからボディガー
部隊の幹部たちの家族も住んでいる。そういう中で誰かが一言言ったらそういう
噂は広まるのだ、と。

 言論の自由が全く無いからこそ噂社会なのだ、と。平壌の幹部たちの間での噂
というのは本当の事を反映していることが多いのだ、と。「本当でなければ取り
締まる必要は無いのだ」というような解説をその人はしてくれました。

 そして平壌市民たちはですね、ハノイの会談の前までは、「核を持つと米国が
膝を屈して頭を下げてくると、そしたら経済制裁が緩んで生活が豊かになると言っ
たじゃないか。核が飯を食わしてくれるのか」と言っているとのことです。

金正恩氏の健康も悪いのなら、早く政権交代してもらいたい」という声が高まっ
てるということですね。

 先程言いましたけれども、8月19日の中央委員会総会では、「国家経済の成
長目標が未達成」、それだけではなくて、「人民の生活が著しく向上しない結果
も招かれた」と認めざるを得なくなっているということであります

 金正恩氏は水害の現場に行ったり、平壌の病院の建設現場に行ったりして、自
分は人民の側なのだというポーズをとっていますけれども、それは通じていない
ということです。

 いよいよ追い詰められてきたことは間違いありません。     この状況をどう拉致被害者救出に活かすのか。安倍政権の対応そして私たちの対応が問われる。  しかし最後のチャンスが来ている、というふうに思っています。

今日はここまでいたします。  ありがとうございました。

以上




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