中国大使館、選挙候補者の「反中ポスター」撤去 デンマーク外相「憂慮すべき事態」
デンマークの地方選挙候補者であるトーマス・ローデン氏は24日、同国首都コペンハーゲンの中国大使館前に、チベット独立を象徴する「チベットの旗」が印刷された自身の選挙ポスターを貼り付けたが、同大使館によって撤去された。デンマークのイエッペ・コフォズ外相は、同大使館の対応を「憂慮すべき事態」だと表明した。
ローデン氏のツイッターによると同日、10枚のポスターを貼り付けたが、数時間後に中国大使館によって撤去されたという。同氏は26日に再度、大使館前にポスターを掲示した。
中国大使館は27日に発表した声明で、同ポスターを「反中ポスター」とし、同氏の行動について「中国の内政への干渉」「チベットを中国から分裂させる意図がある」などと非難した。
同大使館の行為が、デンマーク市民の「言論の自由への侵害」、またデンマーク地方選挙への「内政干渉」だと非難する声が多く上がっている。
これを受け、同国のイエッペ・コフォズ外相は声明を出し、ポスターの撤去に懸念を示した。警察の捜査を待ってから対応を検討するとした。
同国自由党のMichael Aastrup Jensen議員も、自身のツイッターを更新し、「これは全く前代未聞の行為だ」とし、「外務省が中国大使を召喚して民主主義の学習をさせることを望む」と批判した。
ローデン氏は中国に批判的な立場をとっていることで知られている議員だ。中国の人権乱用を注視する団体「デンマーク中国批評協会」の会員でもある同氏は2020年末、友人と協力して、香港の反体制派活動家を現地から脱出させることに成功した。
(翻訳編集・李凌)
香港大紀元記者への襲撃、警察当局「容疑者起訴に十分な証拠がない」捜査終了
今年5月、こん棒を持った暴漢が香港大紀元の梁珍・副編集長を襲撃した事件で、香港警察はこのほど、捜査を終了し、容疑者を起訴するための「十分な証拠」を得られなかったと示した。梁氏は引き続き追及していくと表明した。
梁氏は5月11日、自宅を出たところ、覆面の男にこん棒で襲われ、両足を負傷した。警察当局は約1週間後に、少なくとも容疑者1人を逮捕したと梁氏に伝えた。さらに3週間後、梁氏は不審な男に尾行されたと警察に通報し、証拠写真などを提供した。警察側はこの男を遊蕩罪(徘徊の罪)の疑いで拘束した。しかし、当局は容疑者らを送検していない。
警察当局はこのほど、梁氏に対して、「調査から得られた証拠を慎重に精査した結果、誰かを起訴するための十分な証拠がなかった」と説明した。当局は、「今後、関与者に関する情報が増えれば、事件を見直す」と再調査の可能性に含みを持たせた。
梁氏は、警察が捜査終了を決めたことに「強い失望感」を抱いたとし、「最後まで事件を追及する。悪事を働いた者には必ず正義の裁きが下る」と述べた。
梁氏は、証拠写真と目撃者の情報を警察に渡したにもかかわらず、犯人を特定できなかったのは「市民が通報しても何の意味もないということだ」と肩を落とした。警察当局の対応は不十分で、「香港の国際イメージを損なう」と批判した。
梁氏が襲撃を受けた後、米国国務省、国境なき記者団、香港記者協会などは相次いで、非難声明を発表した。
(翻訳編集・張哲)