パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

北京五輪はひらくべきものではない、 血と金に踊らされたオリンピックなどやるべきではない、 ドイツでのヒットラーが行ったベルイン大会と同じである、

北京在住の画家許那さん(大紀元)
北京在住の画家許那さん(大紀元

北京五輪の「舞台裏」 ジェノサイド訴え投獄された女性画家と数百万人の良心の囚人

大紀元エポックタイムズで表明された内容や意見は、寄稿者の個人的見解です。無断転載を堅く禁じます。

画家であり詩人でもある女性が、中国共産党の刑務所に入れられた。彼女の顔や名前は、世界中の多くの人にとって馴染みのないものだった。 彼女の名前は許那(シュ・ナ)。

世界は彼女の苦しみについてほとんど沈黙したままだ。中国共産党が彼女を監禁している刑務所やコンクリートの独房では、昨年、彼女のような良心の囚人5千人以上が逮捕・拷問され、100人以上が殺害された。

何百万人ものウイグル人法輪功学習者、チベット人、人権活動家が中国の刑務所に収容されている。近い将来、何百万人ものキリスト教徒も投獄されるかもしれない。中国では、現在4400万人のキリスト教徒が危険にさらされている。

多くの良心の囚人と同じように、許さんは法輪功(ファルンゴン)学習者で、真、善、忍という価値観を実践している。これらの価値観は、ほとんどのオーソドックスな信仰に共通するものである。

しかし、これは中国では違法行為とされている。チベット仏教と同様に、法輪功も非合法化され、不当に中傷されてきた。世界中の政府や学者が、これをジェノサイド大量虐殺)の一形態として認識するようになった。

許さんは、自らの体験に基づき、自分が受けた迫害を「ジェノサイド」と呼んでいる。2001年に5年の刑を宣告された後、許さんは拷問を受け、強制労働を強いられた。

彼女は、「中国の刑務所ではなく、アウシュヴィッツに収監されていればよかった。ナチスガス室ではすぐに死ねるが、中国の刑務所では死ぬより生きている方が怖いのだから」と詩で語っている。

許さんは「開脚」という拷問について、「被拷問者の脚を180度引き離し、警察官の指示のもと、3人の囚人が被拷問者の脚と背中に座り、強く何度も押さえつけた」と説明している。警察官は、「耐えられないほどの痛みを味わうが、骨は傷つかないので、これはすごいアイデアだ」と誇らしげに言い放ったという。

彼女に加えられた言語道断の残酷な行為は、彼女の身体だけでなく、拷問の手伝いを強いられた囚人の倫理や道徳をも引き裂いてしまう。今、許さんは刑務所で再びこのような拷問を受けているかもしれない。

「私の祖国は、この土地の山や川、そして数千年にわたる儒教、仏教、道教の伝統文化を表している。しかし、100年前、ヨーロッパの上空を漂っていた共産主義という幽霊が中国の地に侵入し、人々を利益至上主義に走らせたのだ」と彼女は書いている。

彼女の言う「幽霊」は、チベットや新疆から香港まで及び、その脅威は今や台湾にも差し迫っている。

この幽霊は、中国人民が自発的に受け入れたものではなく、毛沢東の銃や習近平核兵器によって押し付けられたものである。

国中が「上から下まで利益ばかりを追求し、仁義礼智信といった五徳の精神はほとんど消えてしまった」「それ(中国共産党)は天と地と闘い、美しい国を消滅させた。今、青い川と緑の丘でさえ、金や銀を生み出すために搾り取られている」と許さんは書いている。

許さんは、自分の体験を雄弁に語ることのできる詩人である。しかし、1949年以来、中国で同様の迫害を受けてきた何百万人もの人々は、ほとんど声を上げることができなかった。彼らは知られざる沈黙の中で苦しんでいる。世界は彼らの苦しみを無視してきた。

その代わり、北京でオリンピック「大会」を開催することになった。そこでは、通りの向こう側で、許さんが拷問を受けているかもしれない。おそらく、彼女の叫びは、試合を応援するファンの拍手喝采にかき消されるだろう。

「開脚」の拷問がもっと激しくなり、許さんの悲鳴はもっと大きくなるかもしれない。中国の山や川をのんびりと眺める彼女の姿は、もう二度と見られないかもしれない。

警察や一般市民たちも、実は拷問を受けている囚人である。彼らはこの社会システムの囚人であり、社会システムによって、あるいは自分自身のモラルの崩壊によって彼女を苦しめるように駆り立てられているのだ。

世界が許さんの叫びを無視すれば、それは中国共産党に加担することになる。 沈黙を保つ人は、囚人や警察と一緒になって、許さんたち、そして私たち自身や将来の世代に、不正と虐待を押し付けることになる。

執筆者プロフィール

アンダース・コアー(Anders Corr)は、2001年にイェール大学で政治学修士号を、2008年にハーバード大学で政府の博士号を取得した。彼は、政策情報分析会社であるCorr Analytics Inc.の代表であり、雑誌Journal of Political Riskの発行人でもある。著書に『The Concentration of Power(仮邦訳:権力の集中)』(2021年刊行予定)、『No Trespassing(立ち入り禁止)』などがある。

オリジナル記事:英文大紀元の「Xu Na and the Million Souls(A poet, imprisoned in China, speaks of genocide)」より

(翻訳編集・王君宜)

北京冬季オリンピックの競技場一角(Noel Celis/AFP)
北京冬季オリンピックの競技場一角(Noel Celis/AFP)

北京五輪組織委、人権問題に意見表明の選手に「罰則与える」

北京冬季五輪大会組織委員会の高官は19日、大会開催中、中国の人権問題について発言する選手に対し、参加資格を取り消すなどの処分を行うと明らかにした。

ボイス・オブ・アメリカVOA)などによると、北京五輪大会組織委員会の楊舒・対外連絡部副部長は19日、在米中国大使館で開かれたオンライン記者会見に出席した。

楊氏は、「冬季五輪開催期間中、人権などについて態度を示し発言した選手に、どのような結果が待ち受けるのか」との質問に対して、選手の言動がオリンピック精神に反する場合、「特に中国の法律法規に違反した場合、出場資格の取り消しや他の特定の処分を含む、罰則を与える」と述べた。同氏は、中国のどの法律なのかを具体的に示さなかった。

オリンピック憲章50条は、「オリンピックの用地、競技会場、またはその他の区域では、いかなる種類のデモンストレーション、あるいは政治的、宗教的、人種的プロパガンダも許可されない」と規定した。

ロイター通信の報道では、国際オリンピック委員会IOC)は、競技中またはメダル授与式を除き、選手はオリンピック会場での記者会見やインタビューで、自由に意見を表明できるとすでに明らかにした。

国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が18日に開催したテレビ会議で、参加者の1人が北京冬季五輪に参加する各国の選手は、身の安全のために中国の人権問題を避けるべきだとの認識を示した。

いっぽう、スポーツ選手団体「グローバルアスリート(Global Athlete)」のロブ・コーラー(Rob Koehler)事務局長は同会議で、「沈黙は(人権侵害への)共謀にあたる」と指摘し、IOCに対して選手の安全を確保するための取り組みを強化するよう求めた。

(翻訳編集・張哲)
 

北京五輪アプリにセキュリティ上の欠陥 カナダ研究機関

北京冬季オリンピックの参加者全員に利用が義務付けられている新型コロナ感染予防アプリ「My 2022」に、セキュリティ上の重大な欠陥があるほか、情報検閲機能も備えていることがわかった。カナダの研究機関が報告した。

北京冬季オリンピックでは、新型コロナ予防対策の「バブル」に隔離される選手、コーチ、報道関係者、スポーツ関係者および数千人の現地スタッフは、スマートフォンMy 2022をインストールすることを義務付けられている。

中国に渡航する14日前までに同アプリのインストールを完成し、毎日の健康状態を入力して報告することが求められている。

情報技術を扱うトロント大学の研究室「シチズン・ラボ」は、My 2022アプリに送信される個人データは適切に暗号化されないという欠陥を発見し、第三者に情報が流出する脆弱性などの問題があるとの報告を発表した。

シチズン・ラボの研究者らはまた、このアプリに2442個のキーワードが埋め込まれていることを発見した。検閲のためだとみられる。ほとんどが簡体字中国語だが、ウイグル語、チベット語繁体字中国語や英語も含まれているという。

キーワードはポルノ関連のほか、政治、信仰、中国政府および指導者、法輪功、六・四天安門事件コーランダライ・ラマウイグルなど中国政府にとって不都合な情報に関連している。

キーワード一覧表と検閲機能は現在、オフになっているが、同研究室の研究者は「作動させるのは簡単だ」と指摘した。

シチズン・ラボは、昨年12月にこれらの脆弱性北京オリンピック組織委員会に連絡したが、まだ回答を得ていないという。

My 2022のプライバシーポリシーは、「国家安全保障問題や犯罪捜査」に関わる場合、中国当局はユーザーの個人情報を本人の同意なしに共有できると定めている。

シチズン・ラボの研究者は利用者に対して、一連のセキュリティ不安を回避するには、VPN(仮想プライベートネットワーク)経由でインターネットに接続することを提案した。

(翻訳編集・叶子静)

yoshi-osada.hatenablog.com

1月12日、北京冬季オリンピックに向けて競技場の準備を進める作業員たち(Photo by FRANCOIS-XAVIER MARIT/AFP via Getty Images)
1月12日、北京冬季オリンピックに向けて競技場の準備を進める作業員たち(Photo by FRANCOIS-XAVIER MARIT/AFP via Getty Images)

北京五輪、人工雪が大半...ロケット弾打ち込みで気象への影響懸念

来月4日に開幕される北京冬季オリンピックに向けて、五輪競技会場がある河北省張家口市の気象局は24日、上空にロケット弾を発射して人工雪を作り出した。

降雨を促すヨウ化銀を詰めたロケット弾55発を雲に打ち込んだところ、1センチほどの積雪を観測したという。米紙ワシントン・ポスト24日付によると、中国当局北京冬季オリンピックに向けてこの3か月間で約250発を発射。雲を作るための航空機12機を大会会場周辺の空港に待機させているという。

人工雪は過去の冬季五輪でも珍しくない。スポーツ・イラストレーテッド紙によるとソチ大会では8割、平昌大会でも9割が人工雪を使用したが北京大会では大半が人工雪になると予想している。中国当局は複数の貯水池からポンプで吸い上げた水をミスト化して、専用機器を使い24時間会場に降らせるという。

中国共産党は面子に関わる大型行事にあわせて、気象を操作することで知られる。清華大学の研究によると昨年6月、中国共産党結党百周年の集会の前に北京で人工雨を降らせ、大気の汚染度を軽減させた。大会期間中には雲を消して「青空」を作った。

2008年の北京夏季五輪大会期間中には、雨雲を消すロケット弾を1104発も発射したと新華社は報じている。

ワシントン・ポストは、人工降雨が中国の14億人および近隣のミャンマー、インド、ネパールの気象に影響を与えうるとして、国家主権と世界的責任をめぐり環境倫理学的な問題を引き起こす可能性があると懸念を示した。同紙は「端的に言えば、果たしてある国に天候を作る権利があるのだろうか」と疑問を呈した。

北京とスキーやスノーボードの競技会場となる張家口の近隣の山間部には雪が少ない。専門家によると雪を作るために4900万ガロン(約1億8500万リットル)の水が使われると推定され、北京のみならず広範にわたり水資源に影響をおよぼすとされている。

 

空母「ハリー・S・トルーマン」は地中海で合同軍事演習に参加する。資料写真(U.S. Navy photo by Aircrew Survival Equipmentman 1st Class Brandon C. Cole)
空母「ハリー・S・トルーマン」は地中海で合同軍事演習に参加する。資料写真(U.S. Navy photo by Aircrew Survival Equipmentman 1st Class Brandon C. Cole)

米空母打撃群、南シナ海と地中海で同時展開 NATO軍指揮下入りは冷戦後初

ロシアがウクライナ周辺地域に戦力を配備するなか、米軍空母がNATOの指揮下に入り、欧州の海軍と地中海で演習を開始した。同時に中国共産党へのけん制として2つの空母打撃群を西太平洋に展開、海上自衛隊と演習を行なった。

空母打撃群南シナ海

海上自衛隊と米空母打撃群の共同演習は17日から22日にかけてフィリピン海で行われた。海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」、米海軍の空母「カール・ヴィンソン」と「エイブラハム・リンカーン」そして強襲揚陸艦駆逐艦など10隻の艦艇が参加した。演習の目的について、米太平洋艦隊は「自由で開かれたインド太平洋を維持し守る」ためだと発表した。

演習後、2つの米空母打撃群南シナ海を航行した。米国防総省は24日、空母打撃群南シナ海で対空戦闘や対艦戦闘の演習を実施すると明らかにした。

ロイター通信は米軍幹部の話として、演習には同盟国を安心させ、「有害な影響に対抗」する決意を示す目的があると報道した。

空母3隻の合同演習

地中海では、北大西洋条約機構NATO)の海軍と米空母空母「ハリー・S・トルーマン」による共同演習「ネプチューン・ストライク」が24日から行われている。2月4日まで実施されるこの演習では、米軍の空母打撃群が冷戦後初めてNATO指揮下で任務を遂行する。打撃群には1隻のミサイル巡洋艦と4隻の駆逐艦が含まれている。

この演習後には米仏伊合同演習「クレマンソー22」が実施される。米海軍空母「ハリー・S・トルーマン」のほか、フランス海軍の空母「シャルル・ド・ゴール」及びイタリア海軍の空母「カヴール」も加わる。

フランス軍省報道官は22日、この多国間演習について「政治力と軍事力の象徴であり、パートナーや競争相手に強いメッセージを送っている」と記者会見で述べた。

フランス国防省によると、「シャルル・ド・ゴール空母打撃群はイタリア空母と訓練したのち、東地中海で米空母「トルーマン」と合流して3国合同演習を行う。演習は主に地中海で行われるが、少数の軍艦と作戦機は黒海で任務を遂行する。

 
2020年2月9日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した中国軍機を監視するために、緊急発進する台湾国軍のF-16戦闘機(左)(台湾国防部)
2020年2月9日、台湾の防空識別圏ADIZ)に侵入した中国軍機を監視するために、緊急発進する台湾国軍のF-16戦闘機(左)(台湾国防部)

「台湾武力統一に反対」北京大学元教授が声明

北京大学元教授の鄭也夫氏はこのほど、台湾に対する武力統一および軍事威嚇に反対すると表明し、話題を呼んだ。鄭氏は、軍事威嚇は戦争を誘発する恐れがあると懸念し、一刻も早く止めるよう呼びかけた。

社会学者の鄭氏は22日、ネット上SNS上に出した声明で、武力攻撃に反対し「戦争を止めるには、世論の力が最も重要だ」と反戦世論を形成する重要性を強調した。

声明は、「武力による威嚇は必ず(台湾人の)憎悪感情を強め、平和統一につなぐ微かな望みを失わせる」と現状に対する懸念を示した。同氏は「70年余り台湾は事実上、独立している」と指摘し、「45年間、名実ともに独立していた」西ドイツと東ドイツがその後、統一を果たしたことを挙げた。

武力による威嚇は戦争を招くと警告し、「威嚇をエスカレートさせると、中国も台湾も米国も引き下がらなくなる」とし、「台湾に対する軍事威嚇は一刻も早く止めるべき」と主張した。

同氏は「言論統制により、武力統一に反対する言論は公的な場でほとんど消えており、この中で戦争反対の声を上げることは実に大事だ」などと声明文を公開した理由を述べた。

いっぽう、米ラジオ・フリ・アジア(RFA)24日付によると、鄭氏は「私はさらに大きなトラブルに巻き込まれたくない」と話し、RFAを含む海外メディアの取材を断っている。同氏は「自分の考えはすべて声明文のなかに書いた」とRFAに述べた。

産経新聞台北支局長の矢板明夫氏は自身のフェイスブックで、「専制政治のなかで、知識人としての良心と勇気を示した」とコメントし、鄭也夫氏にエールを送った。

在米中国人学者の胡平氏は、鄭也夫氏の北京大学での同僚だった。胡氏によると、鄭氏は2018年末に発表した評論記事で、中国共産党最高指導者が歴史に残せる唯一の功績は「中国共産党体制を歴史から体裁よく終結させること」だと述べた。

(翻訳編集・叶子静)

 

1月11日、中国北部・陝西省の西安にあるショッピングモールの外で、個人防護具(PPE)を着用したスタッフが消毒剤を散布する準備をしている (Photo by STR/AFP via Getty Images)
1月11日、中国北部・陝西省西安にあるショッピングモールの外で、個人防護具(PPE)を着用したスタッフが消毒剤を散布する準備をしている (Photo by STR/AFP via Getty Images)

中共政策「ゼロコロナ」で再び流行リスク

北京冬季五輪を目前に控える中国共産党は、ウイルス感染防止に厳格な封鎖措置を含む「ゼロコロナ」政策を固守している。伝染力は高いが重症化リスクが低いとみられるオミクロン株が世界的流行の主流となったいま、抗体獲得の機会が得られなかった中国国内では再度の流行リスクに直面するとの見方がある。

物々交換する人々

中国国営メディア・新華社は24日、現地防疫当局の話として、23日まで陜西省の西安市内で中共ウイルス「高危険」または「中危険」に指定されていたすべての地域が同日付で「低危険地域」に再分類したと報じた。人口約1300万人の大都市、西安の封鎖は事実上1か月ぶりに解除された。

中国共産党はコロナとの共生ではなく「コロナとの戦い」を掲げ、強圧的な封鎖を固守している。しかし、食糧調達にも支障が生じ、住民の間では不満がくすぶっているのがSNSで見て取れる。

住民たちがタバコをキャベツに、食器洗浄剤をリンゴに、ナプキンをいくつかの野菜へと「物々交換」する様子を撮影した動画や写真が中国大手SNS微博に投稿されている。

華商報の元記者で現在はフリーライターの江雪氏は、封鎖中の西安の様子や当局のコロナ政策に対する批判を含むルポ「西安10日」を12月末に自身のSNSで発表した。

西安に住む江氏によると12月27日、市の封鎖令のレベルが一層厳しくなり、買い物目的の外出さえ許されず、誰も居住団地外に出られなくなったという。翌28日から「食べ物が手に入らない」との西安市民の書き込みがネット上に多く書き込まれた。

江氏は「1300万人の運命に及ぼす影響を考えたことがあるだろうか」と現政権への批判を書き込んだ。

ゼロコロナ政策で抗体獲得機会減 効果低い中国製ワクチンも問題

中共ウイルスに対する共産党政権の強硬対応は感染抑制効果を得たものの、人がウイルスに接する機会を極端に減らしたため、オミクロン株に脆弱になった可能性がある。

米国シンクタンク・ユーラシアグループは3日に発表した「グローバルリスク報告書2022年版」で、「中国はコロナ防疫成功の『被害者』になる」と一見背反した評価を下した。

すでに先進国は、高い接種率と死亡率の上昇を防ぐ治療法の開発などでウイルス拡散が終息局面に入る可能性が高まっているが、封鎖措置の厳格な中国は終息に達することは難しいと報告書は予想した。

伝染力は強いが重症化リスクは低いオミクロン株に対して、世界各国では感染者数より入院する人と基礎疾患を持つ患者に対するケアに防疫体制を転換している。いっぽう、強制的な封鎖を続けてきた中国人の大多数はオミクロン株に対する抗体を獲得する機会は失われた。

報告書は「この2年間、主に封鎖と防疫措置にだけ依存してきた中国が国境を再び開放するのはもっと危険だ」と指摘した。

脆弱性の背後には効果の低い中国製ワクチンの問題も指摘されている。中国はワクチン開発の成功で他国に先駆けて14億人に対する大規模なワクチン接種を実施した。しかし、最近の研究では欧米で使われているmRNAワクチンより効果が低いとの研究報告が出ている。

ユーラシアグループのイアン・ブレマー会長は「中国製ワクチンの効果が限定的なため、ゼロコロナ政策にもかかわらず、中国はオミクロン株の拡散を抑制することはできない」と指摘。大きな流行のリスクは深刻な封鎖措置につながると分析した。

中国共産党政権は北京冬季五輪の次に5年に1度の党大会が秋に開かれる。異例の習近平主席の3期目就任を控え、コロナ封じ込めで「失敗は許されない」と党内の緊張も続くとみられる。厳しい封鎖の継続要因はいくつも並んでいる。