パルデンの会

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AIは危険、早急にガードレールが必要

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)5月7日(日曜日)
       通巻第7739号 
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 アメリカの政財界が急激に対策立案へ方向転換
   AIは危険、早急にガードレールが必要
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 5月4日、ネブラスカ州オマハ。全米一の投資家ウォーレン・バフェットが率いる「バークシャー・ハザウェイ」社の年次総会が開催された。
ここでバフェットが言ったのだ。「(生成AIやチャットGPTなどの)AIは原爆に匹敵するのではないか」。
AIへの懐疑を公にしたのだが、メディアはこのことは殆ど無視して、「バフェットはSVBの預金者保護は不可避的だったのであり、もしそうしていなければ事態はもっと深刻となっただろう、と述べた」発言を強調して報道した。

グーグルの前CEOエリック・シュミットがこれまでの立場を変えて「AIにはガードレールが早急に必要である。一年前には考えもしなかったことが起こっている」と発言した。
シュミットはキッシンジャーらと協同で「AI開発と国家安全保障」を追求しガイドラインを制定する委員会を継続してきただけに、姿勢の変化には注目が必要だろう。

そしてホワイトハウスが動き出した。
5月4日、バイデン大統領はグーグル(スンダー・ピチャイ)、マイクロソフト(サティア・ナデラ)、オープンAI(サム・アルトマン)、アンソロピック(ダリオ・アモディ)らCEOを呼んで会談した。中味は公表されていないが、ハリス副大統領も同席した。

後者のアンソロピックは新興企業だがCEOのアモディはグーグル、オープンAIを経て、2021年に独立し、アマゾンの支援を受けている。
現在のアメリカにおけるAIビジネスの構造的図式はマイクロソフト陣営にオープンAI社が、グーグル陣営にアンソロピック、アマゾンの協力関係という、二大巨大企業の競合的対決となっている。

とりわけチャットGPTなど新技術開発で猛烈インフレと不況を乗り切ろうとしているバイデン政権にとって、AIが次の成長をリードすると考えてきただけに、業界が一斉に「危険視」をはじめ「法の規制」を言い出したことに異変を感じたのだろう。

1980年代後半からのIT産業革命は、この新技術が伸びると予測したクリントン&ゴア政権の追い風となった。だから2024年を前に選挙資金としてもAIビジネスが伸びて欲しいと民主党が期待していることになる。

AIへの懐疑論は議会でも超党派で広がっている。
上院院内総務のシューマン議員も下院議長のマッカーシーも議会予定にAI規制議論を考えていると答えた。
これらの動きが日本の黄金週真の間にアメリカで起きていた。

一方、ウォール街からも強気マインドが消え、「全米4000の銀行で半分が潜在的債務超過に陥っている。これから商業不動産下が加速すれば、この融資の70%が地域銀行だからこの先どうなるか、わかりきったことだろう」(ゼロヘッジ、5月7日)。
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