27歳の男性が車椅子の妻とチベット徒歩の旅
【7月23日 CGTN Japanese】最近、27歳の男性が下半身が不自由な妻を車椅子に乗せて中国西南部の雲南省(Yunnan)からチベットまで歩いて旅する動画が、ソーシャルメディア上で話題になっています。
7月15日に投稿された動画では、若者が改造した車椅子に妻を乗せて推して歩いています。若者の名は地生といい、妻はチベット族で卓瑪(チョマ)といいます。2人は2022年に雲南省のシャングリラからチベットを目指して出発し、4~5カ月歩いてラサに到着した後、今年になって、再び徒歩の旅に踏み出しました。
夫は妻を連れてカイラス山(岡仁波斉山)へ巡礼に行く計画です。夫は妻に世界の美しさを思う存分に見せ、病気のために実現できなかった、憧れの自由な旅の楽しさを味わわせたいと思っています。2人は旅の途中、互いに支え合い、険しい旅路をたゆまず前に進み、体のきつさに耐えるだけでなく、心も研ぎ澄ませてきました。今回の目的地であるカイラス山には、あと1~2カ月歩けば到着できると地生さんは言います。
夫によると、荷物が多すぎて、時には車を運転する親切な人が荷物を運んでくれることもあります。妻の乗った車椅子と荷物を推してつづら折りの山道を登るのはとりわけ苦労しますから、車に行き会わないときは自分で車椅子を押して山頂まで歩くのは大変で、山頂に着くと、そのままテントを張って寝てしまうことがあります。厳しい旅の中でも、親切な人たちの手助けは深く印象に残るという2人。「たくさんのチベット族の仲間が遠くからわざわざ食事を届けに来てくれたり、途中でかわいい子犬を2匹拾ったら、夜寝るときには子犬が見張り番をしてくれたり、たくさんの親切な人が私たちに手伝いの手を伸ばしてくれて、本当にありがたい」と妻は言います。途中で出会った人が夫のことを褒めると、妻は幸せな笑顔を浮かべて、何世も修行して得た福なんだと言います。ネット上には「これほど苦しい旅でも、2人の顔には笑みがあふれていて、これこそ幸せというものだ」という声が続々と上がっています。
カイラス山はチベット西部アリ地区に位置する海抜6714メートルの山で、チベット仏教の聖地であり、『中国ナショナルジオグラフィック』誌によって中国で最も美しい十大名山の一つに選ばれています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News