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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)8月23日(水曜日)弐
通巻第7877号
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ピーター・シフ「バイデノミックスとは厄災である」
マクグレゴー「西側供与の武器は旧式。ウクライナは負けている」
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ピーター・シフは経済評論家、2008年のリーマンショックを予測した。著作のうち、『リアルクラッシュ』が、邦題『大恐慌か、超インフレだ』(ビジネス社)として翻訳・出版されている。かれは「ユーロパシフィック・キャピタル」のCEOでもあり、経済評論家として全米のメディアで活躍している。
シフが言った。
「『バイデノミックス』なるものは厄災以外の何物でもない。バイデン自身がバイデノミックとは何かを知らない。あの巨額の政府支出は超インフレをもたらす。インフレ率が3・1%と公表されているが、おそらく6・2%だろう。石油価格が15%も上昇し消費者物価があがり、所得が横ばいなら生活は苦しいはずで、げんに住宅購入を諦め、いやそればかりか、授業料が高くて大学進学を諦め職に就くアメリカ人が多い。これは何を意味するのか。大不況突入前夜である」
シフは緊縮財政、小さな政府の理論家であり、ロン・ポール議員の経済顧問を務めたこともある。バイデンの経済政策を根底から批判したのである。
他方、軍事評論家として活躍するのはダグラス・マクグレゴー退役大佐だ。
マクゴレゴーは8月18日のカールソンの番組で「バイデンのウクライナ支援は間違いだらけだ」と批判して言った。
「ウクライナは敗退している。西側が提供している兵器システムは旧式であり、役立たずであり、ロシアにかてる筈はない。ウクライナ情報はフェイクであり、ウクライナのことをアメリカ人は何も知らないし、人口が激減して戦闘を維持することは不可能になっている。
米国がこのままプーチンがヒトラーなどと言って戦争を継続するなら、旧東欧全体ばかりか、いずれアメリカに破局をもたらすだろう」。
これがアメリカ軍人の平均的な声であるとすれば、すでに厭戦ムードが静かに広く浸透していることが分かる。
◎☆□☆み□☆☆□や☆◎☆□ざ☆□△◎き☆□☆◎