TBS報道番組にイスラエル大使が大激怒『これは何だ?』連呼 ネット上では「国際問題」「子に罪はない」
BS―TBSで11日に放送された「報道1930」にジャーナリスト、重信メイさんが出演したことに対し、イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が13日の記者会見で「これは何だ?」と連呼し、怒りを表明した。
◆BS-TBSの「報道1930」に出演した重信メイさん【写真】
コーヘン大使は、日本外国特派員協会で記者会見。番組の画面が印刷された紙を手に「50年前にイスラエル人を暗殺した犯人の娘が日本のテレビでコメンテーターをしていた。これは何だ?これは何だ?」「これはひどい。こんなのを見てしまって本当に残念」「殺人者とテロリストの家族に発言の場を与えるのを許すべきではない」などとまくしたてた。
重信さんの母は「日本赤軍」重信房子元最高幹部で、父はパレスチナ人。日本赤軍は1972年、イスラエルの空港で旅行客らに自動小銃を乱射し、24人が死亡する事件を起こしている。 11日の番組で、重信さんは「中東やパレスチナ問題を長年取材しているジャーナリスト」という紹介で出演。
「例えて言うと、日本の学校で毎日のようにいじめられていた子が初めてやり返したら、それに焦点が当たったような状況」「なぜかパレスチナは『抵抗』ではなく『テロ』になるのは問題」などと語った。 X(旧ツイッター)でも放送後から一部の界隈を中心に波紋が広がっていたが、この会見でさらに大荒れに。
「ほら、見ろ。やべーぞ、国際問題じゃないか」「そりゃ駐日イスラエル大使も怒るよ。まあ別にイスラエルが正義だとは思わないけれど、それでもあれはない」
「親がテロリストだからといって子に罪はないけどね」など、さまざまな反応が出ている。
完全包囲で「ハマスに圧力」 パレスチナとの武力衝突で イスラエル大使
イスラエルのコーヘン駐日大使は12日、東京都内で記者会見し、同国がパレスチナ自治区ガザへの水や電気の供給を止める「完全包囲」を決定したことについて、「(ガザを実効支配する)イスラム組織ハマスに圧力をかけるためだ」と強調した。 ガザの人道状況が一層悪化する恐れがあるが、コーヘン氏は「今は戦争状態だ。やらなければならないことは実行する」と正当化した。 国際社会からガザへ「人道回廊」設置を求める声が出ていることに対しては「どうなるか、現時点では明言できない」と述べるにとどめた。イスラエルが計画している地上侵攻に関して「詳細は控える」とした上で、「人質を全面解放させ、ハマスを非武装化することが目的だ」と説明した。
駐日イスラエル大使、ハマス攻撃を「テロ」と批判した日本政府に謝意
イスラエルのコーヘン駐日大使は12日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見し、イスラム原理主義組織ハマスによる攻撃を「テロ」だと非難した岡野正敬外務次官の11日の発言に対し「歴史の正しい側に立った」として謝意を表明。国連安全保障理事会の理事国である日本に安保理での支持を呼び掛けた。 【写真】破壊されたイスラエル軍戦車の上で、パレスチナの旗を掲げるハマスの戦闘員ら コーヘン氏はハマスは「純粋に邪悪なテロリストだ」と述べ、イスラエル市民や外国人の拉致、殺害を非難。「(パレスチナ自治区)ガザの住民は敵ではないが、人権はガザ市民だけでなくイスラエルにもある」としてガザの完全封鎖や今後の地上侵攻に理解を求めた。