一般財団法人ミダス財団(所在地:東京都港区、代表:吉村英毅、以下「ミダス財団」)は、2024年10月、財団による海外での学校等児童福祉施設建設5校目となるブータン南部Sarpang県(Dzongkhag)Serzhong村(Gewok)に孤児のための施設建設を完了し、竣工式が行われました。
竣工式の様子
式には、施設の入所児童、ブータン(チベット)仏教最高指導者をはじめとする僧侶の方々、たくさんの地域住民、歌唱隊、楽隊、建設に携わったスタッフなど総勢300人以上が正装で参列し、一日を通して盛大に執り行われました。敷地内の至る所がブータンの国教であるチベット仏教の教えに因んだとりどりの極彩色の布で飾り付けられ、この竣工式が特別な行事であることが窺えました。式典は主にチベット仏教の儀式に則って厳かに進められ、儀式に合わせて伝統的な楽器で音楽が奏でられました。儀式の後にはブータンの伝統的な歌や踊りが披露され、手作りの野菜や米を使った手料理が振舞われました。
施設建設の背景と入所児童の生活
本施設は親を失ったり経済的な困窮など様々な事情で親元で育つことの難しい少女たちや、そうした生育環境にあったため十分な教育を受けることのできなかった女性たちが生活するための施設であり、ブータン王妃からのご紹介をきっかけに計画、建設されました。ブータンでは政府による児童福祉が十分とは言えず、孤児はブータンの国教であるチベット仏教が運営する施設で保護され教育を受けることが主流となっています。本施設もチベット仏教によって運営され、国語・算数・英語などの基礎的教育に加え、コンピュータに関する知識や裁縫などのスキルも指導され、生活力や一般教養を身につけることができます。チベット仏教の教育も受けることになりますが、18歳頃に尼僧として生きていくかどうかの判断が各人の自由意思に基づき行われるため、本施設に保護されることは必ずしも一生を尼僧として生きていくことにはつながりません。
式典の合間に、財団職員が施設内を見学させて頂きました。
本施設は児童の居室、トイレやシャワー、食堂など一通りの生活を営む設備を備えており、最大で80名の女児・女性が生活可能となっています。2024年10月現在の入居者数は35名で、6歳から40歳までの女児・女性が生活しています。施設は山の中腹にある仏教寺院の敷地内に配置され、首都Thimphuから施設までの道のりは平たんなものではありませんが、少女たちは僧侶に守られ安心して生活することができます。極彩色が華やかな施設外観とは対照的に、児童の居室はすっきりと整えられ、大きな窓からは明るい陽が入ります。
ミダス財団がこの宿舎を建設するまでは、少女たちは非常に粗末な建物に身を寄せ合って暮らしていて、野生のゾウの群れが宿舎に近づいてくると踏まれて圧死しないように逃げたこともあったそうです。少女たちを代表してひとりの女子生徒からは「ミダス財団のおかげで安心して生活できるようになりました。本当にありがとうございます」と感謝の言葉をいただきました。
財団の役割と今後の展望
新設された2階建ての施設は、居室20室、トイレ8室、4つのシャワー室、食堂、給水システムを備えており、基本的な生活を営むことが可能です。竣工式が、お祝い事として多くの参列者を伴い予想を上回る盛大さで執り行われたことに、地域にとっても大きな喜びであることを実感しました。活動の意義深さを改めて感じることができ、学びの多い視察となりました。
このブータン訪問では王妃の秘書チームとミーティングの機会が設けられ、ミダス財団の活動を詳しく紹介するとともに、ブータンで現在必要な支援について話し合われました。
財団は、現地の子どもたちの更なる生活改善を目指して、支援を継続して実施します。ブータン以外の国々での新たな支援活動も進行しており、今後も皆様に活動報告をお届けできるよう、現地との協力体制を維持・強化してまいります。
―ブータンにおけるチベット仏教最高指導者のひとりであるKhentrul Thokmeth Rinpoche(リンポチェ)よりメッセージ―
■ ミダス財団について
ミダス財団は、「2035年に100万人、2050年に1億人の人生にポジティブな影響を与える」ビジョンのもと社会貢献事業を行う財団法人です。株式会社ミダスキャピタルからの寄付金を財源として本質的・サステイナブルな社会貢献事業を行い、世界中の根本課題を解決していきます。
◆ミダス財団概要
名称:一般財団法人ミダス財団
代表:吉村英毅
設立年:2019年
Webサイト:https://midas-foundation.org/
【本件に関するお問い合わせ先】
一般財団法人ミダス財団