法輪功の教義や思想への意見とは関係なく、とにかく、いかなる存在に対してもジェノサイドには反対するという立場で書かせていただきました。なを、文章の最後にリンクを貼っておきましたが、この映画はオンラインで見ることができるようです。
映画「国家の臓器」東京上映会(令和7年3月26日)レポート
三浦小太郎(評論家)
3月26日、文京シビックセンター小ホールにて、映画「国家の臓器」の上映会が開催された。この映画を監督したのは章勇進(Raymond Zhang)、約7年間の年月をかけて撮影・編集し、中国政府が法輪功修練者に対し行っている「臓器収奪」の実態を記録した作品である。
しかし、もちろん秘密のうちに行われる手術の場面などを撮影できるはずもなく、また、実際に被害を受けた人々はほぼ命を絶たれるため、映画は証言者たちの語る言葉と、イメージ画像によって構成せざるを得ない。しかし、監督の力量と、証言者たちの言葉の重みによって、この作品は中国政府の犯罪性を暴くことに成功している。
この映画にも登場する中国衛生省の黄潔夫(Huang Jiefu)次官は、2012年段階で、中国は2年以内に死刑囚からの移植臓器供給をやめると語った。それはある意味事実かもしれない。死刑囚だけではとても現在の中国における迅速かつ大量の臓器移植を賄うことはできない。法輪功への徹底的な弾圧は1999年に始まっている。映画の中でも、法輪功の証言者たちは、当初は中国政府に対し政治的に抵抗する意思はほとんどなく、徹底的な弾圧方針を決めたのは中国政府の方であったことが明らかにされている。時期の経過を見れば、1999年4月、天津市などで不当に拘束された修練者たちの解放を求め、1万人ともされる法輪功修練者や支持者が北京に集結して政府に陳情を行った。しかしその時点では、法輪功は何ら法律や政府に抵抗する意思はないことを訴えたのみである。しかし中国政府は、江沢民を中心に、この年610オフィスといわれる機関を設置、法輪功を中国共産党にとっての最大の脅威と認定、徹底した弾圧に乗り出すことになる。
そして、この映画の主人公というべき人物は、この弾圧下で行方不明となった張雲鶴(女性)及び黄雄(男性)、そしてその家族たちである。張雲鶴の父、鶴慶発は、子供を救うために、610オフィスを含むあらゆる部署に陳情を続けるが、冷たくあしらわれるだけではなく、一度は「お前も修練者なのか」と問い詰められる。父親がどれほどの勇気で陳情を続けているかは、私たち日本に住む者にも伝わってくる。さらに映画では、法輪功の修練者が行方不明になっても、ほとんどの家族は助けることもできない、中国警察による拉致であるため、どうすることもできない現状が語られる。