パルデンの会

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中国は「上位中所得国の中で最も教育水準の低い労働力を抱えている」育成する人材が多ければ多いほど、技術の最先端に進出できる 新卒1222万人の多くが「華業=失業」(卒業とは失業なり)という状況

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和七年(2025年)12月2日(火曜日)弐
        通巻第9056号  
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育成する人材が多ければ多いほど、技術の最先端に進出できる可能性が高くなる?
中国は「上位中所得国の中で最も教育水準の低い労働力を抱えている」
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中国の教育政策は英才教育が基本にある。科挙の伝統は別のかたちを取って生きている。
中国共産党の基本方針は科学技術の自立を支援するとともに、外国の頭脳を大量に誘致して自国の技術躍進に役立てようという「千人計画」の延長である。
中国共産党の認識では、高度な知能を持つ人材を育成することが、極めて重要かつ戦略的な資源と見なしてきた。1990年代以降、党規約には「科学教育による若返り発展戦略」「人材強国発展戦略」などが謳われた。
育成する人材が多ければ多いほど、技術の最先端に進出できる可能性が高くなると考えたわけだが、英仏のように英才教育が伝統的な国と科挙の国とでは、方法もモラルも異なる。

結論を先に言えば、中国の歴史では科挙に誰かが合格すれば一族郎党が、利権にたかるのである。したがって汚職の蔓延は止むことがない。

習近平は中国の指導者に珍しく汚職を嫌う。綱紀粛正をつねに呪文のように唱え、「人材競争はすでに総合的な国力をめぐる競争の中核となっている」(中国教育ニュース、2023年6月1日)と積極的な姿勢をみせている。しかし習一族の利権あさりは有名である。  

2025年国慶節(10月1日)、中国は新たな国際人材ビザ(Kヴィザ)を導入すると発表した。

「積極的に人材政策を対外開放する」ことが目的だとして、Kヴィザは、入国許可回数、有効期限、申請手続きの簡素化の点で、ほかのジャンルのヴィザより優位にある。
ところが適用が遅れた。反発が強く、「これでは深刻な若者の失業率をさらに悪化させ、若者へのプレッシャーを強める可能性がある」と批判が相継いだからだ。

「人材競争力と科学技術支援」「教育強国を完全に建設する」「科学技術の発展と国家戦略的ニーズによって推進される」などの美辞麗句が並んでいるが、とどのつまり、共産党の狙いは、国内の大学を「前例のない形で再構築する計画」である。優秀な人材が輩出される一方で、「膨大な数の人材が失われる」という代償を払うことになるのだ。
子供、青少年、そして科学・工学関連分野で働く人々の自殺率の上昇もその一因となっている。
 すでにアメリカではチャットGPTによって子供が自殺した等として裁判が数件、オープンAIに対して起こされている。

偏重の弊害は、教育システムに配分される資源の不足にも如実にれた。職業教育改革の実施は、資金不足と資格を有する教員の不足により、概ね失敗に終わった。なぜなら中国は依然として「上位中所得国の中で最も教育水準の低い労働力を抱えている国の一つ」(Foreign Policy、10月10日)。

▼上海に世界中のシナ学者があつまった

 さて中国礼賛の学者や評論家が上海にあつまって気勢を上げた。
 10月に上海で開催された「世界中国学大会」は国務院新聞弁公室によって主催され、宣伝部長の李書磊が出席した。李書磊は習近平が抜擢した異例の人事で、宣伝部そのものはメディア規制や思想工作を担当する中国共産党の枢要な機関である。
李書磊は北京大学に14歳で入学し「神童」と呼ばれた逸材。「1中全会」で党序列24位以内の政治局員に選ばれているから、大物というランクになる。
李書磊は教育畑で実績を積み、北京大学教授時代は古代中国文学をおしえ、2008年に中央党校副校長に任命された。当時の中央党校長は習近平だった。
習近平の抜擢による李書磊の台頭は、学者出身の王滬寧(政治局常務委員)と比較されてきた。

政治局員である上海市党書記の陳吉寧も世界シナ学会議で基調演説を行い、中国研究分野は中国文明を「有機的に統一された全体」として理解すべきだと述べた。
50ヶ国から馳せ参じた参加者の特徴は、もっぱら中国追従組で、同時に西側諸国を批判する姿勢が大部分を占めていた。
スウェーデンの学者ヤン・オーバーグは、「中国はおそらく世界で最も未来の発展について先見の明のある国だろう」と称賛した。
英国の作家マーティン・ジャックは、「我々は中国研究のグローバル化と、それに伴うこの分野における西側の影響力の漸進的な脱中心化を目撃している」と礼賛した。

イタリアの元首相で欧州委員会の元委員長ロマーノ・プロディは、「いかなる形の分離も双方の根本的利益に反する」と述べた(環球時報、10月14日)。

現実には米国で功績を挙げ、著名学者となった中国人が陸続として中国にかえり、清華大学教授などの要職に就いた。インテルで40年設計を担当したエンジニアとか、米国の著名な数学賞を受賞した学者らが帰国するたびに中国語圏では、大きな新聞記事となる。

だが現実は理想と大きく乖離している。
新卒1222万人の多くが「華業=失業」(卒業とは失業なり)という状況のなかで、就職戦線から溢れた若者はウーバーやアリババの配達や、レストランの皿洗い、前途に明るい未来はない。中国の教育方針の結果がこれである。

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(御参考)特番『悲惨な中国経済の実態! 若者の失業率50%!』ゲスト:宮崎正弘氏(松田政策研究所チャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=hKAC-XxqmuM&t=835s
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