昨年12/24の抗議署名提出の正式報告が届きました
「聖地チベット~ポタラ宮と天空の至宝展~」への抗議署名提出
日時 2009年12月24日(木)15時
場所 上野の森美術館
提出先 上野の森美術館 館長 水野 政一氏
提出物 抗議署名約600名分
参加者 Team Tibet(Tatsumura Yukari),We Love Free Tibet(Kubo Takashi) Parden
kai(Mr.Osada) ITSN,Japan Coordinator(Mr.Kamata)他2名
目的
私たちは、上野の森美術館で催されている「聖地チベット~ポタラ宮と天空の至宝展」
での展示内容が、チベットの文化背景についての記述が欠落していることに対して遺憾の
想いを伝えたく、株式会社 大広、上野の森美術館、日本文化庁に対する抗議の署名活動を
行い多数の賛同を得たので、これを提出するとともに、上野の森美術館館長の水野氏に、今回の展示についての見解を伺った。
質問:今回の展示会開催に至った経過を教えてください。
館長よりの回答
上野の森美術館が、この展示の開催をするに当たり、会場として貸すことが適当かどうかを判断するときに、ラサでの動乱、ウイグル地区での騒乱もあり、慎重に行わなければならないと主催者には伝えた。この点、朝日新聞社は過去フリーチベット側の展示会をしたこともあったことから(前回の展覧会)、今回は中国との関係におけるバランスをとり、企画されたものと思われる。
しかしながら重要なのは、出品作品に芸術的価値があるかどうかということである。専門家に確認したところ、芸術的価値があるということだったので、会場を貸すということに関しては、主催者を尊重せざるを得ないということになった。
福岡での展覧会が始まった時にすでに抗議の声があったが、そのことによって上野の森での開催を止めるということになるとまた、国際的な美術館の連携という観点から問題も起こってくるだろうし、これは引き受けざるを得ないということで、お引き受けしたという経緯である。会場は上野の森、企画は大広、広報は朝日新聞と役割分担を行った。
質問:中国人民解放軍がラサから略奪した仏像を展示しているということについては、どう思われるのか。
これは世界の美術館との連携という意味でも、複雑な問題である。ルーブル美術館や大英博物館の展示物をここで展示したこともある。だから今回も中国人民解放軍がラサから奪い取ったものであるとしても、それに関しては自分たちの立場では、今は言うことはできない。
質問:展示方法について、尊像を粗末に扱っているのではないか。
それなりの専門家が監修をしている。例えばフランスの美術館で鑑真の仏像が展示されたときの展示方法は、明らかに日本では取らない方法であった。展示方法に関しては、その国その国の国民性も反映される。もっとチベット本来の仏像の在り方に近い状態で展示することは、より望ましいことだが、監修は大広を通して、専門家にしていただいたものなので、正直、こちらとしてはそこまで詳しいところまでは理解していなかった。
質問:展示内容にチベットの歴史的背景が欠落していることで、チベットについて誤解を与えているのではないか。
約12万人の来場のうち、9割はチベット問題については知らずに、ただチベットの仏像を見るためだけに来ていると思う。そういう意味では、誤解を与えるというよりも、チベットの芸術に触れてもらうことで、それがチベットのことを知るための種となり、いつの日か見た人たちの中で、チベットについての正しい認識することにつながっていってほしいと思っている。我々美術館は「美術的に大きな価値があるものを展示し見てもらう」ことが使命であり、その意味でこのチベット仏教美術は神秘的ですばらしいものである。
質問:この展示会が開催された当日、上野の森美術館のまえでチベット支援者と在日チベット人が株式会社大広チベット展運営委員会代表と直接展覧会の問題点について会話をしたところ、チベット展運営委員会代表は、展覧会の見解として「チベット人は存在しない。(中国の少数民族である)チベット族しか存在しないという立場で(行っている)。」と語った、ことについて水野氏はどう思いますか?
それは私の考えとは違う、不見識な発言だと思う。今回の展示会を通して、上野の森美術館が目指したチベットの仏教美術を展示するという目的と、同時にこの展示会が、十分にチベットなどの国際情勢に配慮したものであったどうかは、私なりに思うものがある。それはこの展示会が終わった時点で大広側に伝えたい。
質問:上野の森美術館の運営主体である、財団法人日本美術協会は明治12年、日本で最初に設立された由緒ある美術団体です。現在、常陸宮正仁親王殿下を総裁としています。中国側は、このロイヤルの名前が欲しかったのでないか?
それは私には分からない。
以上、館長自身から、今回のチベット展の展示内容及び開催自体についてコメントをいただくことができました。
入場者数が、当初の目論見ほど得ていないことなどを鑑みると、今回のチベット展の開催は、展示会そのものを主眼に置いているというより、むしろいかに多くの広告宣伝を露出するかにより、中国政府によるチベットの文化保護を広く日本国民に訴えるものであることを目的にしているのではないかと、強く感じました。
抗議署名にご協力していただいた方にはありがたく思っております。尚、大広より抗議文の受け取りは1/1の午後2:00という連絡があり,参加予定しております。またFAXによる抗議文提出は会期までやっております。12/31ブログより印刷して是非ともおおくりください。皆様からの声が ノルブリンカの精霊に届く事を祈っております