国連人権理事会:中国に人権侵害を止めるよう求める声
ナビ・ピレイ人権高等弁務官は、「平和的な反体制者や人権運動家、ジャーナリストや法律家、そして市民社会運動などを抑えるために特別法を施行し抑圧政策を講じている国がある」ことを指摘し、「人権擁護者保護への早急な対策が求められている」ことを強調した。 非抑圧民族協会(独ベースの人権擁護団体)の代表はカルマ・サンドゥップ氏の例を挙げた。 ではなぜ今年の1月になってサンドゥップ氏が再逮捕されたのか。サンドゥップ氏には二人の兄弟、リンチェン・サンドゥップとジグメ・ナムギャルがいる。 非抑圧民族協会代表の Tenzin Samphel Kayta 氏によると、サンドゥップ氏は「数ヶ月に渡る取り調べの間に警察当局によってひどい拷問を受けた。裁判所も彼の証言を認めず却下した」という。
さらに Kayta 氏はサンドゥップ氏の衰弱ぶりを彼の妻の文章を引用して説明した。「‥‥私は初め彼が誰だか判らなかった。あの恰幅のいい堂々としたした体がどうしたらあんなに小さく弱々しくなってしまうのだろう。すれ違った彼の体はまるでか細い学生のようだった。」
一年間で、彼の家族6人が逮捕されて有罪判決を受け、拷問を受けているという。そのうち4人は現在刑務所で強制労働による「再教育」を受けており、あとの2人は行方も明らかではない。
Kayta氏は中国政府に対し、国連人権理事会高等弁務官と人権擁護者に関する特別調査委員会、そして拷問防止委員会の提案を受け入れ、「チベットの文化人および人権運動家に対する人権侵害を止める」ように要請した。
中国人代表からいつものように横槍が入りKayta氏の報告は中断させられたが、「NGOの代表も信任を受けて派遣されて来ている。同意するしないに拘わらず、私たちには彼らの報告を聴く義務がある」という米代表の弁護もあり報告は結局最後まで続けられた。会場の人々の関心もより高まったようであった。 (翻訳:中村高子)
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