福島県の調査結果を まっとうに
聞けないのは 私だけだろうか?
福島県は12日、警戒区域や計画的避難区域など福島第1原発の周辺から避難した11市町村、3373人に行った内部被曝の先行調査の結果を発表し、「健康に影響を及ぼす人はいなかった」とした。
先行調査は6~8月、市町村が子供を中心に対象者を選び、全県民の「健康管理調査」に先立って行われた。住民は、放射線医学総合研究所(千葉県)などに出かけ、「ホールボディカウンター」による内部被曝量の測定を行った。
福島県はこの数値をもとに、成人は今後50年間、子供は70年間に体内から受けると思われる累積の内部被曝線量(預託実効線量)を算出した。
浪江町の7歳の男児と5歳の女児が2ミリシーベルト以上、同町の5人の子供(7歳男児3人、6歳と5歳の女児各1人)が1ミリシーベルト以上だったほか、全員が1ミリシーベルト未満だった。
預託実効線量の安全基準はないが、政府が子供の年間被曝量の目標を「1ミリシーベルト未満」としていることなどから、福島県は検査対象者全員について、健康への心配はないと判断した。
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そして 8月に入って ヨウ素が出てきていることを思うとまだまだ
東電は隠していることがもっとあるはずである。
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いまなお放射線が漏れ続けていると思われる福島第一原発。原子炉内では、まだ活動が続いているとの疑念を抱かせるデータとは?(写真はイメージです) |
以前、東電が発表した1~4号機の廃炉計画では、圧力容器と格納容器すべてを水で満たし、溶け落ちた核燃料を回収する「水没法」が提案されている。しかし、そのためには原子炉施設全体に生じた無数の穴やヒビ割れをふさがなくてはならず、この前段階作業だけでも10年では終わらないと予想されている。つまり、東電が表明した目標に反し、今後も当分の間は放射能の“垂れ流し状態”が続くことを覚悟するしかないのだ。
それだけではない。実は公的機関が発表している放射線量の数値で、不可解な動きが計測されているのだ。それは、7月末から8月にかけて発生した放射線量の大幅な上昇。3月の事故直後から、事態の深刻さをネット上での論文発表などで訴え続けてきた日沼洋陽工学博士はこう解説する。
「私は福島第一原発1~3号機のいずれかで、メルトダウンした核燃料が連鎖的に核分裂する『再臨界』が発生し、4月以降では最大量の放射性物質が施設外へ漏れ出したと考えています。時期は7月28日から31日頃と、8月19日から21日頃の2回。放射物質の大量流出は、発表数値が実際よりも低めではないかと疑われている東京都や横浜市の線量測定データからもはっきりと読み取れる科学的事実です」
例えば、東京都発表のデータでは、8月19日の最大線量が前日の約1.4倍となる0.0865マイクロシーベルトを記録。この日には横浜市でも0.051マイクロシーベルトと、こちらは3月末並みの線量が観測されている。
「さらに詳しくデータを分析してみると、7月よりもよりはっきりと数値が上昇している8月のほうでは、規模が大きく継続時間が長い『即発臨界』という分裂反応が起きたと推定されます。これによって大量発生した放射性のセシウムやヨウ素などが首都圏にも達し、線量を増大させたと考えていいでしょう」(日沼氏)
振り返ってみれば、東京都と神奈川県の「下水脱水汚泥」から高い数値の放射性ヨウ素131が検出され始めたのも7月後半から。ヨウ素131の半減期は8日間なので、3月の臨界で発生したものが7月以降になってから検出されることはありえない。また8月には、都内各区の数十ヶ所の砂場で安全基準値を大幅に上回る放射線量が測定され、砂を全交換するまで使用禁止の措置がとられた。だが、その砂場のほとんどが7月以前の計測では基準値以下だったのだ。
この夏、福島第一原発で再臨界が少なくとも二度発生、新たに放射性物質が降り注いでいる可能性が高いと言わざるを得ない。
(取材/有賀 訓、写真/下城英悟)