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「微博」が中国に「市民社会」を生み出す契機を与えたようだ。

もはや“隠蔽”不可能、ミニブログ「微博」が存在感

2011.9.29 19:24 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/images/news/110929/chn11092919260006-n1.jpg
中国・上海の市営地下鉄10号線で追突事故を起こし停車した車両=27日(共同)
 【上海=河崎真澄】上海地下鉄追突事故で、中国の情報公開や世論形成におけるミニブログ「微博」(中国版ツイッター)の存在が改めて注目されている。
 7月の高速鉄道事故に続き、スマートフォン(高機能携帯電話)の普及で乗客らが、追突の第一報から救出状況まで「微博」上に刻々と伝えた。これは、住民による“監視体制”が広がり、中国当局による隠蔽が難しい時代に入ったことを意味する。
 国営新華社通信によると、地下鉄追突事故の第一報は27日午後2時49分(日本時間同3時49分)に、追突された車両に乗り合わせた上海の男性「季法師」(微博ネーム)が、負傷して血まみれになった乗客女性の写真とともに携帯電話から「微博」に投稿して伝えた。新華社電の「速報」より1時間以上も速かった。
 上海の地下鉄は駅と駅の間も携帯電話の電波が通じるため、ネット接続や通話も自由にできる。第一報は続々と転送され、ネット上では「高速鉄道事故と同じ追突を繰り返したのか」などと、批判が渦巻いた。
 さらに今回、関心が高まったのは、事故を起こした地下鉄の運営会社、上海申通地鉄集団の「微博」公式サイトが事故当日、「上海地下鉄史上、最も暗黒の1日だ。乗客を負傷させ損害を与えたことに、非常に恥じ入っている」と謝罪したことだ。
 同社職員が個人的判断で書き込んだとされるが、「微博」を舞台に“炎上”する世論の沈静化を図ろうとしたとみられる。
 この謝罪文は当局側の指示で削除されたが、同社は書き込みを復活させて抵抗を試みた。重大な事態をリアルタイムに知り得るようになった「民意」に反する行為は逆効果と判断した可能性もある。「微博」が中国に「市民社会」を生み出す契機を与えたようだ。