パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

上海、広東、深せん、浙江省が中国金融史初の「地方債」を発行


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成23(2011)年11月21日(月曜日)
        通巻第3491号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 滑り出しこそ順調に見えるが、将来の金利支払いを考慮に入れているのか
  

上海、広東、深せん、浙江省が中国金融史初の「地方債」を発行

****************************************

既報のように、上海、広東、深せん、浙江省が中国金融史初の「地方債」を発行した。
広東省の地方債は69億元規模だった。

上海市債は合計71億元である。うち36億元の入札が行われ三年ものの金利が3・14%(額面3・1)、また35億元分の五年ものは3・35%(額面3・3%)。それぞれ入札で指し値以下の金利で売れた。
金利差が僅少なのは、存外人気がある証拠だが、それは自由市場のことであって、閉鎖されて金融市場の中国では強制的に銀行の買わせたか、高官らの高利貸しファンドに押しつけたか?

深せん市債は合計22億元、浙江省は67億元になる。
この四つの地方債権は、合計で229億元!
さてこの四つの地方政府が出した新らしい債務の使い道は? 金融インフラ整備と低所得者用住宅など「前向き」に向けられるそうな。しかしすぐにも金利支払いが生じるが、その予算は驚くことにまだ講じられていない。229億元といえば邦貨換算3000億円弱である。

全体像がより正確に浮かび揚がってきた。
中国全体で省、市、県、鎮、村の行政単位は2800近い。このうち財政赤字に陥っていない単位は54しかないことが国家歳入庁の報告書で判明した(アジアタイムズ、1120)

さてこうした中国の地方政府が設立した金集めの「開発公社」は一万社近いが、このうち6576社の負債合計が2010年末までに10兆7200億元になっていたことが数字で現れたのである。
これは中国のGDPの26・9%に及ぶことも。邦貨換算で140兆円弱。この金額、じつはギリシアGDPの七倍強!!

しかも、債務合計10超7200億元の80%が銀行からの借入金だった。合計は8兆5000億元(ちなみに08年リーマンショック直後の財政出動は4兆円だから、その二倍強にあたる)。

バブルの爆発はしゅるしゅると導火線に灯が付いた。