パルデンの会

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大連の「小京都」閉鎖は不動産大暴落のはじまりに過ぎない リーマンショックの十倍規模の金融危機はいよいよ目前に来た

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宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月7日(日曜日)
通巻第7112号 
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 大連の「小京都」閉鎖は不動産大暴落のはじまりに過ぎない
  大手デベロッパ債務不履行、地方のプロジェクトは90%が幽霊都市に
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 「文化村」「芸術村」「学者村」、そして「小京都」。。。
 大連に出現したニュータウンは京都の清水寺の参道を模して、和風の商店が建ち並ぶ異国情緒溢れる風景、八月に開園して人気を集めていたが、9月18日に閉鎖された。
同日は「柳条湖事件」の日に当たり、「愛国批判」が絡んだとされるが、それは表向きの理由でしかない。

 地方都市や農村が経済活性化のために、中国版「ふるさと再生」プロジェクトを推進し始めたのは五年前である。日本のふるさと再生は、あまり軌道に乗らず、近年は「ふるさと納税」となったが。。

 地方政府は経済活性化を信じて農地を転売し、大手デベロッパーを誘致したが、アクセスが悪いうえに水道、ガス、電気などインフラ設備が遅れたり、整合性が見られないうちに撤退、工事中断、ゴーストタウンとなる。地方政府の債務は公式でも840億ドル前後と見積もられている。

「小京都」が閉鎖を余儀なくされたのみならず、業界トップの恒大集団が安徽省安慶市に建てた「恒大中央公園」もクレーンが停まったまま。ツアー客を当て込んでのリゾート別荘地が実態だが、販売しても買い手が不在である。雲南省麗江に完成した「陽光雪山芸術村」には35億元を投じたが、ゴーストタウンとなった。

 恒大集団は広東省東部にも「文化旅行楽地」タウンを建設していた
突然、工事を中断し、草ぼうぼうの無人地域。瀟洒な建物の群れは外見だけで、内部はコンクリートの残骸が転がり、壁が崩れている。この映像を香港のメディアが伝えた。

 当局は8つのプロジェクトが事実上のゴーストタウン化したことを「恥」と名指しした。寧夏自治区で三つ、貴州省青海省など。とくに西寧の国際会議場には5・6億元を投じたが、廃墟に近いという。

 国家発展改革委員会は233都市の778のプロジェクトの完成を疑問視しており、「適切な土地利用がなされず環境問題とも抵触する」などと他人事のような見解を述べている。

 まことにタイミングを予測しているかのように、中国共産党の「六全中会」は11月8日から11日まで。12日に恒大集団のドル建債が償還日を迎える。

 すでにKAISA(佳兆業)は「理財商品」不払いが生じている。
花様、新力、中国地産などのデフォルトが始まっており、社債の利率は平均で25・8%となっている。「サラ金」なみの金利ではないか。まして139社の社債利回りは50%を超えている。これら低格付け社債の発行残高は650億ドルで、中国全体の社債残高(3400億ドル)の20%を超えると日本経済新聞が伝えた(11月7日)

 リーマンショックの十倍規模の金融危機はいよいよ目前に来た
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