パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

ウイグル会議開催について


ウイグル会議開催について
世界ウイグル会議を日本で開催できたことに今まで遅れてきたアジアのへの人権外交を含めた、日本の政治的関与が少し前向きになり、世界からも認められる動きが試されているとおもわれる。 今回の開催には 日本ウイグル協会の努力とそれを支援している、がんばれ日本を含む自民党鷹派の尽力があったことは本当にすばらしいことである。 しかしながらその姿は長年行われていたわけでなく、特に尖閣問題以降 中国に対しての対応として少数民族、国内人権問題、東南アジア覇権が大きく扱われた結果であると思う。
世界ウイグル会議を行ううえでの カーデル女史を含めたウイグル人たちへの ビザ発行を問題なく行った 日本政府、民主党の動きも当然の対応ではあるが、がんばったことは認められるし、日本が日本人として日本の方針を出したことは賞賛されることである。

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我々は 当日 ウイグルの旗に チベットの旗を入れたい一心で参加をおていした。
しかしながら 同行の台湾人ウイグル研究者とのお話が長くなり、また大江戸線を逆方向に乗車したため、15分でも出発におくれ、集合公園より 全力ダッシュで辛くも、
最後の直線区間のみ参加することが出来た。
いつもながら思うのは意外と、デモ主催者側が 警察側に従って早足を促すことであり、
今回も300人くらいのデモも 時間内での到着になっていた。
警察の交通障害への影響も考えなければならないが デモはやはりゆっくり歩くべきだと
おもう。警察に対しては別に 法律違反をしているわけでもないはずである。
デモ終了後一緒に参加した 台湾のチェン女史と女史のお友達でU.K.ウイグル人協会の
会長である トフティー氏とお食事をする機会を得た。
以前講演会を聞いたことがあったが その本人とご一緒に会食をさせてもらえる機会は
本当に貴重なものであり、我々にウイグル放射能に関する運動をもっとやるべきであるとの一種の啓示が放たれたようである。
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過去からの衝撃~日経サイエンス20099月号より
中国が過去に行った核実験の影響で多数の市民が死亡した可能性がある
 
 トフティ(Enver Tohti)は1973年の夏に空から土ぼこりが降ってきたことを覚えている。当時,トフティは中国の最西端,新疆ウイグル自治区に住む小学生だった。 「風はなく嵐でもないのに,3日間,空から土が降ってきた。空には太陽も月もなく,静かすぎるほど静かだった」と振り返る。何が起こったのかと生徒が先生 にたずねると,先生は土星(中国語でも土の星と書く)で嵐が起きたのだと説明した。トフティは先生を信じた。それが自治区内で行われた核実験で生じた死の 灰(放射性の塵)だったと気づいたのは,数年後になってからだ。
 30年たって医師となったトフティは,なおも増え続ける死傷者(中国政府は断固 としてこれを認めていない)を調べる試みを立ち上げつつある。新疆ウイグル自治区のロプノール実験場で1964年から1996年までに少なくとも40回の 核実験が行われ,その放射能によって数十万人が死亡した可能性がある。
 同自治区には約2000万人が住んでおり,これらの住人を調べれば放射能 の長期的影響についてほかでは得られない知見が得られるとトフティは考えている。世代を超えて受け継がれる遺伝的影響の有無など,これまであまり調べられ てこなかったこともわかるだろう。トフティはこうした影響を評価するため,物理学者の高田純(たかだ・じゅん,札幌医科大学教授)とともに札幌医科大学で 「ロプノール計画」を立ち上げつつある。
 「悲しいことではあるが,新しいことを学び,かつ他でも起きていると思われることを再現する好機でもある」と,チェルノブイリ研究イニシアチブ(CRI)の共同ディレクターでパリのフランス国立科学研究センターを拠点とするメラー(Anders Moller)はいう。
 
 高田の計算によると,新疆に降り注いだ放射線量のピーク値は,1986年のチェルノブイリ原子炉炉心溶融事故の後に原子炉建屋の屋根で測定された 値を超えていたという。新疆の地元住民が受けた被害のほとんどは1960年代と70年代に行われた核実験が原因で,放射性物質と周囲の砂漠の砂が混ざり 合って降り注いだ。広島型原爆の200倍にあたる3メガトン規模の核実験もいくつかあったという。高田はこれらの発見を『中国の核実験』(医療科学 社,2008年。英訳は2009年)にまとめて出版した。
 高田は米国と旧ソ連,フランスが行った核実験の放射能の影響を調べていた1990年代 初めにカザフスタンの科学者から招かれ,隣接する新疆ウイグル自治区で中国が行った核実験でカザフスタンが被った影響の評価を依頼された。ソ連が記録して いた爆発規模と,カザフスタン1995年から2002年の間に測定された風速と放射能レベルの記録に基づいて放射性降下物の降下パターンを推定するコン ピューターモデルを作成。中国への入国は許されなかったので,このモデルをもとに新疆の人口密度の情報を用いて,194000人が急性放射線被曝によっ て死亡したと推定した。約120万人が白血病,固形がん,胎児損傷を生じるのに十分な放射線を浴びた。「控えめな見積もりだ」と高田はいう。
 だ が,この数字にトフティはあまり驚かなかった。皮肉にも彼は10代のころ,自分が住んでいる自治区が中国の技術的・軍事的進歩の証である核実験場に選ばれ たことを誇りに思っていた。しかし,医師となって悪性リンパ腫や肺がん,白血病,変性疾患,奇形児の発生が異常に多いことを目の当たりにして,考えを改め た。「多くの医師が核実験との関連を疑っていたが,何も話せなかった」と回想する。「この研究から離れるよう,上司から警告された」。
 事態が変 わったのは1998年,トフティが医療研修の一環としてトルコに行ってからだ。そこで英国のドキュメンタリー映画制作チームと手を組み,旅行者として密か に新疆に戻った。そして,同自治区のがん罹患率が中国国内平均よりも3035%高いことを示す医療記録を見つけ出した。
 
長期にわたる反復被曝
 トフティと高田のロプノール計画は,他の大規模被曝事例の解析では未解明のままになっている多くの謎を解決できるかもしれない。例えばメラーらの チェルノブイリ事故影響調査によると,以前の調査が野生生物の回復を報告していたのとは裏腹に,同地域の動物の個体数が依然として減っており,突然変異が 増加している。
 だが人間について世代間の影響を特定するのは難しいと,サウスカロライナ大学でチェルノブイリ研究イニシアチブ共同ディレクター を務めるムーソー(Timothy Mousseau)はいう。事故からまだあまり年月が経過していないほか,影響を受けた人が少ないからだ。それでも,少しずつ蓄積されたデータから,「汚 染地域の住人に深刻な遺伝子損傷が生じている」という。このためムーソーはロプノール計画によって遺伝学的な証拠が増えるだろうと期待する。だがメラーと 高田も認めるように,被曝者の子や孫に生じている影響が突然変異を受け継いだものなのか,汚染された水や土に接触したためなのかを見極めるのは難しいだろ う。
 トフティにとっての最優先事項は病人を救うことだ。フランス政府はポリネシアで行った核実験で被曝した一般市民に賠償金を支払うと3月に発 表した。中国国営の新華社通信は2008年,核実験に参加した軍人に中国政府が補助金(金額は公表されていない)を支払うと伝えた。トフティはこの救済措 置を被曝市民にも拡張してほしいという。被曝市民の80%が治療を受けていない。「現状では治療費を払えず,死を待つしかない」。
 ロプノールは 氷山の一角でしかないと,アルゼンチン原子力規制庁のゴンザレス(Abel Gonzalez)はいう。放射線研究者が簡単に調査できる核爆発現場は,米国の実験場だったビキニ環礁カザフスタンにある旧ソ連の実験場セミパラチン スク,ポリネシアにあるフランスの実験場の3カ所しかないが,これは世界で約500回行われた大気圏内実験のほんの一部でしかない。「すべての核実験場を 調べる道義的責任が私たちにはある」とゴンザレスはいう。ロプノールの核実験で被曝した新疆の人々にとって,これほど真摯な言葉が語られたことはかつてな い。