「仕掛人」に操られる反日デモ 権力闘争の影が見え隠れ
「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国の物、薄煕来は人民の者」とのスローガンを車体に貼り付けたデモ参加者もいた。同様なスローガンは他の都市でも確認されており、薄氏の支持者らがコンタクトを取って用意周到に参加したと見られる。
「突如現れたこれほど大規模な抗議活動の裏には、(高層の)権力闘争の影が見え隠れする」。RFIは時事評論家の指摘を伝えた。この指摘をさらに踏み込 んだのは、在米中国語メディア・博訊ネットの分析だ。16日付の同サイトの評論によれば、今回の反日デモが暴力行為に発展したのは、中央政法(司法・公 安)委員会や中央宣伝部を中心とする薄煕来支持勢力が裏で仕掛けたことが原因。彼らはこれによって中国の内政・外交に混乱をもたらし、秋に予定されている 党大会の開催を妨害することを目論んでいるという。 秋の党大会では党の最高指導部となる中央政治局常務委員は現行の9人から7人に減る可能性が高い。現在政法委のトップを務める周永康氏の後任を常務委員 会メンバーに加えない形で、政法委の権限縮小が図られるとされている。周氏は薄氏を擁護しているほか、警察や治安当局、さらに軍にも多大な権限を持ってい る。 勢力削減を恐れている薄・周、さらにその裏にある江沢民一派は、尖閣問題を利用して党大会の開催を延期させ、稼いだ時間で派閥の巻き返しを狙おうとしている。大紀元(中国語版)が入手したこの情報も、今回の反日デモの組織がらみの暴動行為に裏付けられている。 政法委がデモの暴動行為をリードし、黙認すると同時に、江陣営のもう一員となる中央宣伝部も動いている。同部が管轄する政府系メディアはデモの暴動化に ついて一切、報じていない。また、ミニブログ最大手の新浪微博も投稿される写真がすぐに削除されるなど、厳重な監視体制を敷いている。ただ、投稿写真の多 さから削除作業が追い付いていない。 (張凛音)
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