パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

中国にはやはり「戦略がなかった」   防空識別圏の設定は日米の団結を強め、「子分」の韓国からも怒りをかった




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成25(2013)年11月29日(金曜日)
      通巻第4077号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

自らを窮地に追い込んでしまった中国にはやはり「戦略がなかった」   防空識別圏の設定は日米の団結を強め、「子分」の韓国からも怒りをかった

**********************************

 1996年、中国が台湾にミサイルをぶっ放して脅したとき、弱腰だったクリントン政権台湾海峡へ空母艦隊を派遣した。
総統選挙では中国が誹謗した李登輝が圧勝し、北京はメンツを失った。

 2001年、米軍偵察機EP3が領空侵犯したおり、中国機が体当たり(パイロット死亡)、海南島に不時着させられて米軍機の乗員24名が11日間も拘束された。
 ブッシュ政権は中国に対して不信感を露わにした。

 11月26日、尖閣上空を自国の領空と言い張る中国は「防空識別圏」を一方的に設定し、世界を唖然とさせた。防空識別圏は英語では「ADIZ」(Air Defense
Identification Zone)という。

 このADIZには韓国の済州島付近上空ならびに台湾領空が含まれ、とくに韓国が激怒を示した。中韓関係に亀裂が入るほどの衝撃を韓国政治にももたらし、韓国軍は哨戒機を飛ばして、中国が言い張る「ADIZ」に中国へ通告せず飛行した。

 レイムダック、無能と批判されるオバマ政権は、B52機を二機、中国が一方的に宣言したADIZに飛ばした。
中国からの緊急発進も電波妨害もなく迎撃機も出現しなかった。

 これはむしろレイムダックオバマ大統領にとっては政治的チャンスとなり、バイデン副大統領は来週予定している北京訪問で「重大な懸念」を表明する。

 なかでも注目は米国のメディアが中国批判を強めていることで、尖閣諸島の帰属では日和見主義の米国だったが、日本と揉めている尖閣諸島の所属問題で中国がエスカレートしても、領海侵犯問題では関与しなかった米国が領空問題ではb52を飛ばした上、日本の自衛隊との合同演習に空母艦隊を派遣するなど直接的関与を示したからだ。
 
イランにもシリアにも空爆をためらった米国が、軍事的挑発に出たのだ。
「これは米国からの挑発」と中国は受けとり、またすっかりメンツをつぶされてしまったと認識する。

 ニューヨークタイムズは「中国の明確な誤算」と書いた。
 ウォールストリートジャーナルは、社説で「日米は連帯を強めた。中国は見通しを誤ってしまったのだ。弱い者イジメをつづけてきた中国が、この態度を続ける限り、日米の団結はさらに強まるだろう」(11月28日)。