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韓国メディアが使い始めた「用日」 苦しい経済


韓国メディアが使い始めた「用日」 苦しい経済…断末魔の“悲鳴”か

産経新聞 1月22日(水)8時0分配信

 冷え込んだ日韓関係の改善を念頭に、「用日」という表現を使う韓国メディアが現れた。自国のために相手を巧みに利用するというのは外交上、必要な術だろう。だが、そうした言葉を使い出したのも、日本からの直接投資が激減するなど、日韓関係の冷却化がボディーブローのように効いている現状があるからに違いない。韓国側の“悲鳴”のようにも聞こえるが…。

■「首脳会談開くべきだ」49・5%

中央日報(電子版)は3日付で、韓国の外交政策が取るべき方策を「親米、連中、用日」と表現した。

記事は、1880年に清国の外交官が示した、「親中国、結日本、連米国」という戦略をもとに、現在の米国、中国、日本との外交関係をいかにさばくかを論じている。

その中で、河英善・東アジア研究院理事長は「60年間同盟を維持してきた米国との関係を維持し、中国との連帯も強化しなければならない。韓日関係を復元し、韓日米協調を固めて中国を導いていくのが核心」と発言している。同紙は9日の社説(電子版)でも「政府、『用日』の世論に耳を傾けるべき」と題した社説を掲載している。

社説などの根拠となっているのは、峨山政策研究院世論研究センターが、安倍晋三首相による靖国神社参拝直後の世論調査結果だ。

それによると、安倍首相の靖国参拝について「周辺国を考慮し、靖国を訪問するべきではない」が87・6%、日本の安全保障の役割拡大についても否定的な意見が66・8%をそれぞれ占めた。一方で、49・5%が日本と韓国が首脳会談を開くべきだとし、反対(40・7%)より多かった。

また、中国の軍事拡大、北朝鮮の核問題などを念頭に、日韓の安保協力が必要だとする回答は63・9%に及び、「日本との積極的な関係改善のために(朴槿恵)大統領が積極的に動くべきだ」とする意見は57・8%だった。

これらが日本を利用する、活用するという「用日」が必要だとする根拠なのだ。

■変わらぬ「反日」姿勢

これまで散々、「反日」報道を繰り返しておきながら、「用日」というのも違和感はないか。韓国側はそれを本当に望み、そうした考え方が醸成されているのだろうか。

韓国の教科書採択をめぐる「反日」ぶりに、その答えの一端が示されている。

朝鮮日報(電子版)によると、今年3月から全国1714の高校で使われる韓国史の教科書の出版社は89・7%が左派系で、10・3%が比較的中道とされる2社だという。

保守派の教科書は昨年検定に合格したものの、韓国の近現代に関する記述で、日本の「抑圧と搾取」への抵抗の歴史という従来の歴史観を否定した。この結果、「親日」教科書として左派の攻撃を受け、採択した高校が次々と撤回に追い込まれた。

例えば、軍需工場の労働者と慰安婦を区分していなかったり、日本の初代首相の伊藤博文氏暗殺で英雄として扱われる安重根の扱いが“小さい”ことが批判の対象になったとされる。朝鮮日報によると、慰安婦に関する写真説明で、「前線の変更で日本軍の部隊が移動するたび、ついていくケースが多かった」と記されていた個所は「軍駐屯地で搾取されただけでなく、前線に動員され強制的に連れていかれる場合が多かった」に修正されたという。

さらに、採択された学校は、保守系教科書に反対する団体の嫌がらせを受けた。インターネット上でも非難を浴び、ある学校の前には「親日」「独裁美化」などと書かれたプラカードを並べたデモも出現した。

こうした行為をするのは一部の人かもしれない。だが、偏向教育が偏向報道につながり、やがて人々に偏った「反日」意識を植え付けることになる。だとすると「用日」などという考え方が醸成されるはずはない。

■苦しむ経済…断末魔の悲鳴

昨年の輸出額と貿易黒字が過去最高を記録した韓国経済は、輸出や民間消費の鈍化、投資の不振、失業率の悪化などの問題が山積している。

聯合ニュースなどによると、昨年初めから1月初旬にかけ、ウォンが円に対して20%以上も上昇し、韓国の輸出競争力は低下。日韓関係の冷却化も影響し、昨年の日本企業の韓国への直接投資額は激減し前年比40%減となった。13年1~11月に日本から訪れた観光客も253万2千人と、前年同期比で23・1%減った。

いずれの数値も、韓国経済の先行きが決して明るくないことを示している。外交戦略として「用日」を持ち出すのも、こうしたことが背景にあるとみられる。

だが、教科書採択にみえる「変わらぬ反日ぶり」を見る限り、米国、中国の両大国の顔色をうかがいつつ、日本を攻めたり、すり寄ったりする従来の姿勢が変わるとは思えない。

もっとも、韓国のありように学ぶことがないわけではない。互いの利益になるように相手を活用するのでなければ信頼感の醸成など到底無理だという意味だ。「用日」という表現は、長らく地盤沈下が叫ばれる大阪を含め、まさに日本にとって「反面教師」の言い回しではないか。