パルデンの会

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<ホロコーストを巡っての日支プロパガンダ戦では、盟友ドイツの協力もあってこちら側の完全勝利!>


勝谷誠彦氏の有料ブログより

2014年3月21日号。<ホロコーストを巡っての日支プロパガンダ戦では、盟友ドイツの協力もあってこちら側の完全勝利!>

 
2014年3月21日号。<ホロコーストを巡っての日支プロパガンダ戦では、盟友ドイツの協力もあってこちら側の完全勝利!>。


 4時半起床。
 とってきた新聞に夕刊がないとあって、ようやく今日が休日だと知る、世間とあまり接触がない日々(笑)。
 昨日はその休日のために一日早い『SPA!』を入れ『天国のいちばん底』を書き上げてジムへ。いつものようなスタミナ切れとではなく肋骨と戦いながら、それでもちゃあんとすべてをこなして戻る。風呂に入り、洗濯
をして買ってきた夕食を食べながらワイン。
 日々ここで書いている激動の国際情勢とは無縁の、まことに枯れた日常なり(笑)。

 アメリカはロシアとのプロパガンダ戦にボロ負けをしているが、日本は支那朝鮮とのそれに少なくとも「善戦」している。安倍晋三首相とそのブレーンのセンスがいい。あれほどダメだった外務省もやりゃあできるじゃん、だ。いつも書いているように、役人というのはやはり、政治による「文民統制」が大切なのだ。
 しかしそれには政治家にちゃんと能力がなくてはいけない。「政治主導」を謳いながら結局は役人に圧殺された民主党政権にはそれが足りなかった。いや、なかった。馬鹿に国をまかせたらどうなるかということを、高い授業料を払って私たちは学んだわけだ。
 小さなニュースだが、宣伝戦の世界では効果的な一撃である。
 <安倍首相、「アンネの家」訪問へ/本の破損事件踏まえ>
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140320/plc14032022170020-n1.htm
 <安倍晋三首相は、オランダでの核安全保障サミット出席に合わせて「アンネの日記」の作者であるユダヤ人少女アンネ・フランクを記念する「アンネ・フランクの家」博物館を23日、訪問する。日本でアンネの日記や関連書籍が破られた事件に心を痛めていることを博物館関係者に直接伝える方針だ。>
 記事からするともう訪問はちゃんと決められているようだ。以前にここで紹介したが、支那はやはりドイツを訪問する習近平国家主席ホロコースト関連施設視察を画策していた。もちろん、在外外交官などを使って、安倍政権とナチスホロコーストを巧みに重ねようとするプロパガンダ戦の一環だ。しかし、あの時に私は「ドイツは認めないだろう。さすが枢軸仲間!」というようなことを書いたと記憶する。はたして。
 <ホロコースト施設訪問せず/中国外務省、習氏訪独で>
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140317/chn14031720250005-n1.htm
 <中国の王超外務次官(欧州担当)は17日の記者会見で、習近平国家主席が月末のドイツ訪問で、ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)記念施設を視察しないとの見通しを示した。ドイツ側の了承が得られなかったとみられる。>
 安倍さんはアンネの家に行き、習近平ホロコースト「見学」を断られた。プロパガンダ戦における大逆転である。実は『アンネの日記』毀損事件が起きた直後から、私はそれが支那反日宣伝に利用される危険があるので、積極的に手を打った方がいいと、安倍さんに伝わる方向にアナウンスしておいた。それが生きたのかどうなのかはわからないが、まさに攻めに出て勝ったといえる。
 もっとも、ここで素直になれないのが陰謀史家の私だ(おいおい、とうとう自分で自分にレッテル貼りだしたよ・笑)。支那の広報官はこんなことも言っている。
 <メルケル首相との会談で日本政府の歴史認識の問題を取り上げるかどうかについても「2国間関係を発展させる際に、第三国を標的にしないのは中国外交の基本原則だ」と否定的な発言をした。>
 ほお。急に大人しくなったじゃん。
 首脳クラスの外交では事前にシェルパと呼ばれる外交官たちの厖大な交渉が重ねられる。その中でお互いの空気を読む。どうやらドイツなど自由主義国の雰囲気が、急に支那に対して硬くなったのではないか。言うまでもなくロシアのクリミア併合が背景にある。「ロシア寄り」になりがちな支那に対して、圧力がかかっているのだ。安倍さんと習近平に対する、ドイツの扱いの違いのにはそのこともあるのかも知れない。
 もうひとつ。これはかなりイジワルな見方だが「犯人逮捕報道」である。続報がピタリとなくなった。建造物侵入で別件逮捕しておいてそのあと「アンネと書かれた紙片が見つかった」とやらで器物損壊の本筋で再逮捕。しかし、いまだに犯人の名前は出てこないし、なぜひとりであれだけあちこで犯行ができたのかという説明もなされていない。
 いくら記者クラブへの警察からのお下げ渡し情報を垂れ流すのが仕事の大マスコミといえども、もう少し背景についてちゃんと書いて欲しいなあ。
 安倍さんのアンネの家訪問を決めるに当たって、どうしてもあのタイミングで「とりあえずの犯人」が必要だったなんてのは、わあ、陰謀史観。つるかめつるかめ。でもあまりに不自然なのだもの。
 実は支那による工作だということがわかって、それをドイツと一緒に突きつけたから、あちらが急に軟化したとかいやもう、これくらいにしておきます(笑)。
 あっ、また支那の尻馬に乗ったこのヒトたち、お気の毒でした。安倍さん、ちゃんとアンネの家に行きますよ。
 <韓国メディアが撮影した反日デモ映像でアンネ・フランクが踏まれている疑惑が再浮上?/韓国「日本の工作だ」と報道>
 http://getnews.jp/archives/526340
 <韓国JTBCが韓国の反日デモの様子を紹介し動画も公開している。その動画には今まで疑惑でしかなかった『アンネの日記』の著者、アンネ・フランクの写真が地面に置かれ、安倍首相の写真を踏みつけたり棒で叩くなどの行為が見られた。>
 間違ってアンネの写真も踏んでいるなんていう情報もあったけど、ま、どうでもいいや。あのサイモン・ウィーゼンタールセンターですら無視しているんだから(笑)。

 ウクライナ情勢が緊迫していたのでそれについて触れている間に、書き切れないことがたまってきている。それらのいくつかは「種」を以前にここで書いているので、それを受けておかなくてはいけないのだが。
 モンゴルの大統領を私邸に招くなど「モンゴルルート」での拉致された同胞の奪還に安倍官邸が動いているという指摘をしてきた。一気にそこまでは行かなくとも、まずは横田さん夫妻と孫娘のキム・ウンギョンさんとの面会という形につながったらしいことが、明らかになってきた。安倍さん本人が国会で語った。
 <安倍首相「一つ肩の荷が」/横田さん夫妻、北朝鮮の孫と面会>
 http://digital.asahi.com/articles/DA3S11038911.html?iref=comkiji_redirect
 <安倍晋三首相は19日の参院予算委員会で、北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの両親がめぐみさんの娘キム・ウンギョン(ヘギョン)さんと面会したことについて「ずっと私たちの宿題だった。一つ肩の荷が下りた思いもするが、目的はめぐみさんはじめ拉致被害者全員を取り戻すことだ。全面解決に向けて全力を尽くしていきたい」と答弁した。「モンゴル政府に大変な協力を頂いた。北朝鮮側もそれ(モンゴルでの面会)を了承した」とも述べた。>
 このあと触れるが、日朝の接触はようやく再開されたばかりである。今月はじめに非公式協議が行われるまでは窓口すらなかった。ということは、モンゴルは場所提供だけではなく、それ以前の交渉段階ででも相当な汗をかいてくれたように思われる。国会という国権の最高機関の場で首相が一国に感謝の意を表するというのはよほどのことだ。モンゴル政府も喜んでいるに違いない。そしてあの国との友好を深めるのは、これまた支那への牽制となる。
 それにしても<「一つ肩の荷が下りた思い」>というのは、安倍さんの心からの気持ちだろう。政治家として生涯の目標である同胞奪還にいかに努力しているかがわかるというものだ。
 敢えて言うならば横田さん夫妻とウンギョンさんの面会はむしろ「幸せな副産物」だったのかも知れない。その先に見据えるすべての同胞の奪還に向けて、いま書いたようにモンゴルルートが活かされている。その結果、もっとおおきな動きが生まれたのだ。言うまでもなく日朝の直接交渉である。
 <日朝「局長級協議再開」で合意/拉致事件も正式テーマに>
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140320/plc14032012410008-n1.htm
 <日本と北朝鮮による赤十字会談にあわせた両外務省課長による非公式協議が20日午前、中国・瀋陽のホテルで行われ、平成24年11月以降途絶えた局長級協議を行うことで合意した。日本側は北朝鮮による拉致事件も正式に取り上げる。開催時期や場所は今後調整する。第2次安倍晋三政権では初めての局長級協議となり、政府は拉致問題の解決に向けた糸口をつかみたい考えだ。>
 ただ局長級協議が再開されるだけではない。北朝鮮の態度が明らかに軟化している。これまでの局長級協議はお互いに言いっぱなしだったが、今回は何らかの進展があるのかもしれない。
 私には理由はふたつ考えられる。ひとつは逆説的なようだが金正恩という独裁者の「非人間性」である(苦笑)。拉致犯罪の解決が進展しなかったのは「これでおしまい」と金正日が宣言したからだ。エセとはいえ儒教を信奉するあの国では「親の言ったことは絶対」なのである。ましてやその親が自分の犯罪を認めた上で「おしまい」と言ったのだからひっくりかえすことは考えられなかった。
 ところが。私は張成沢が殺された時に「あっ」と思った。まったく方向違いながら、拉致犯罪の解決へ動くのではないか、と直感した。義理とはいえ叔父を機関銃でブチ殺して火炎放射器で焼くような奴がどの口で儒教と言う、だ。あの風船デブの中では倫理が完全に狂っている。目的のためには手段を選ばない。たとえばカネが欲しけれは、父親の決定を覆してでも、日本人たちを帰す可能性があるのではないか。
 馬鹿とハサミは使い用。とにかく、同胞を家族もお元気なうちに奪還することだ。あの独裁者の後始末など、そのあと国際社会や、あるいは北朝鮮人民が必ずやってくれる。
 もうひとつは、これも鮮やかな日本外交の勝利なのだが国連を本気で使ったことだ。
 <日・EU北朝鮮の人権侵害で意見集約 国連に決議案提出へ>
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM20009_Q4A320C1EB1000/
 <日本政府と欧州連合EU)は19日、日本人拉致を含む北朝鮮の人権侵害について、国連人権理事会に提出する決議案の意見集約を始めた。原案では国連総会に対し、安全保障理事会が問題を「国際的な刑事司法の枠組みに付託することを検討する」よう働きかけを要請。早期の実現が困難でも、国際社会の関心を高める狙いがある。>
 <刑事司法の枠組み>に明らかに北朝鮮はビビった。国連の調査委員会はすでに金正恩に対して「自らは関与していなくても訴追される可能性がある」という書簡を送っている。風船デブの脳裏には、さまざまな独裁者の末路が浮かんだかも知れない。
 ようやくさまざまな歯車がかみあいはじめた。めぐみさん、同胞のみなさん、待っていてください。

 発売中の『週刊文春』の後ろのグラビアを見てやって欲しい。不肖・宮嶋茂樹君の同誌における四半世紀の傑作集が掲載されている。ちなみに巻頭は三好和義師匠だ。私にとっても懐かしい一冊となった。

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