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台北・鈴木玲子】
台北市の台湾・
立法院(国会)で18日、学生ら数百人が警官の警備網を破って突入し、議場を占拠した。台湾メディアによると、学生ら一般民衆による議場占拠は史上初めて。衝突で警官38人が負傷した。
学生らは
立法院で審議されている中台間でサービス分野の市場開放を目指す「サービス貿易協定」に反対している。
台湾南部などから学生が駆けつけ、19日には議場内外の抗議学生らは1000人を超えた。学生らは同協定の撤回などを要求し、21日まで占拠を続ける構えだ。
中台は昨年6月、
電子商取引や医療分野などでの市場開放を図る同協定に調印。
馬英九政権は早期発効を目指しているが、野党・
民進党などは「
台湾の弱小産業が打撃を受ける」と強く反対。同協議については
立法院の委員会で審議中だったが、与党・国民党側が17日に時間切れなどの理由で審議を打ち切る強硬姿勢を見せ、反発が強まっていた。