パルデンの会

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安倍首相は会談で、北朝鮮の核及び弾道ミサイルの開発は、「今そこにある危機だ」という見解を伝えた

安倍首相は会談で、北朝鮮の核及び弾道ミサイルの開発は、「今そこにある危機だ」という見解を伝えた

イスラエルの首相が国賓として来ていること、 そして海外メディアが日本のおかれた立場をこう評していることは 日本のマスコミからは感じられない。
韓国、中国に 右寄りといわれる筋合いはない。
右に行く理由は 中国と朝鮮半島の状況があるからだ。


勝谷誠彦氏の有料ブログより

両陛下、イスラエル首相夫妻と懇談/「大虐殺痛ましい」


 http://digital.asahi.com/articles/ASG5F4W42G5FUTIL01J.html
 <天皇、皇后両陛下は13日、皇居・宮殿で、来日中のイスラエルのネタニヤフ首相夫妻と懇談した。
 宮内庁によると、懇談でネタニヤフ首相は「イスラエルと日本には共通点がある」と述べ、いずれもおびただしい数の市民が犠牲となったホロコーストユダヤ人大虐殺)と、広島、長崎への原爆投下を挙げた。天皇陛下は「ホロコーストは大変に痛ましいことだったと思います」と語ったという。>
 まずは天皇陛下を政治に関与しかねないぎりぎりのご発言の場に立たせてしまったことに恐懼するほかはない。ホロコーストそのものが悪であるというのはもうこれは政治というよりも歴史的な共通認識なのだが、前段が危うい。ホロコーストと原爆投下を同列に論じたととられかねない、ネタニエフ首相の文脈である。これにお答えになられるには相当な反射神経がいる。「ホロコーストは」と、はわざわざ繰り返されたところに、陛下の素晴らしい叡慮があったと拝察するのだ。
 もうひとつは「イスラエルアメリカの関係はそこまで悪いのか」という驚きである。私としてはネタニエフさんの考え方には全面的に同意する。もともとイスラエルと親しいということもあるが、非戦闘員に対する一方的な虐殺という原爆投下は、明らかな国際法違反である。とはいえ、イスラエルアメリカの同盟国だ。同じ同盟国の日本にやってきて、原爆投下を「絶対悪」であるホロコーストと並べて論ずるというのは、オバマ大統領にケンカを売っているとしか思えない。
 アメリカのメディアは気付いているのかな。そもそもホロコーストについて政治家が発言するのはよほど慎重でなければず、すれば必ず注目されるのだが。何でもいえるのはイスラエルの首相くらいでしょう(苦笑)。
 
 そもそもイスラエルアメリカの関係がこじれてきたのは、イランの核開発に大してオバマさんが軟化しすぎたからだった。また、シリアの化学兵器について介入から逃げたこともある。両国ともオバマさんが弱腰だと見るや、どんどんつけ込んできた。シリアは今やアサド政権が力を取り戻している。
 <反体制派がホムス撤退/アサド政権、さらに攻勢も>
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201405/2014050901072
 <シリア中部ホムス県のバラジ知事は9日AFP通信に対し反体制派がホムス旧市街からの撤退を終えたと述べた。6月3日に大統領選の投票を控える中、反体制派制圧を目指すアサド政権の攻勢はさらに強まりそうだ。
 旧市街は既に政権側部隊の管理下に入ったという。これにより政権側はホムス全域を掌握したとみられ、反体制派にとっては大きな打撃だ。
 2011年に民主化要求運動が激化して以降、旧市街は政権打倒を目指す反体制派の拠点として機能していた。>
 外交における一瞬の判断ミスの怖さだろう。「独裁者は倒れるはず」という能天気な日本国の大マスコミの予想も外れた。「悪もんが負けて、ええもんが勝つに決まってる」と信じている憲法9条信者の理想はかくもも現実の前には脆いということだ(笑)。
 結果としてこのオバマさんの判断ミスがクリミア併合へとつながり、ひいてはウクライナの内戦前夜になっているのだから、ひとつの間違いはドミノ倒しを呼ぶ。
 「弱虫オバマ」と見るや、イランも大攻勢をかけてきた。ここでいう大攻勢は「強気」ではない。反対だ。どんどんカードを切って「ええもん」になろうとしているのである。「ええもん」のフリをするとノーベル平和賞をもらったオバマさんは反論できないという弱みをついている。
 <イラン核協議、進展の機運/最終合意案起草に着手へ>
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1300O_T10C14A5FF2000/
 <米英ロなど6カ国とイランは14日、同国の核開発問題で包括的な解決に向けた協議を再開し、最終合意案の起草に着手する。同国が建設を計画する重水炉の扱いなどには隔たりが残る。ただ、経済制裁の全面解除を目指すイランに加え、外交でウクライナ情勢に続く失点を避けたい米国側の思惑もあり、進展への機運が高まっている。>
 イラン側の切り札はウラン濃縮の無期限停止だ。
 <イラン、高濃縮ウラン生産停止提案へ/6カ国核協議>
 http://digital.asahi.com/articles/ASG5F4QJPG5FUHBI00D.html
 これに対してイスラエルは「んなわけねえだろ」と考えている。「密室でできる」ウラン濃縮をチェックするのがいかに難しいかは、この日記でもいつも書いてきた。イランの核の恐怖に直接さらされるイスラエルとしては「そんなに簡単に信じてもらっては困る」であり、もしこれにアメリカが乗ったならば、オバマさんへの反発はいよいよ本物になることだろう。
 広島、長崎への原爆の投下という「核の悲惨さ」についてわざわざ天皇皇后両陛下の前でネタニエフさんが発言したのは、理由のないことではないのだ。それをやらかしたアメリカへの痛烈な皮肉でもある。外国の首相だから仕方がないのだが、まさに両陛下は「政治利用」されたわけですね。
 ネタニエフさんは「同じ同盟国として、困った核狂いの隣国をもってしまいましたね」と安倍晋三首相にすり寄った。これも「だから、アメリカさんがもっとしっかりしてくれないとねえ」と言外に皮肉がある。
 <イスラエル、日本との「核対策」協力に期待/イランを北朝鮮になぞらえ、脅威強調>
 http://newsphere.jp/politics/20140513-10/
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安倍首相は会談で、北朝鮮の核及び弾道ミサイルの開発は、「今そこにある危機だ」という見解を伝えた

。ネタニヤフ首相はこれを受け、共同記者会見で「全身全霊でその意見に賛同する。同じ言葉がイランの核開発計画にも当てはまる」と述べた。ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)などが報じている。
 イスラエル紙『ザ・タイムズ・オブ・イスラエル』によると、ネタニヤフ首相は会見で「北朝鮮がそうであったように、イランは核開発能力を維持しながら国際社会による制裁を弱めたいと目論んでいる」とも述べた。そして、「(北朝鮮・イランという)代表的なテロリスト国家に核兵器を持つ力を与えてはならない」と強い口調で訴えた。>
 凄いことが海外では書かれているでしょ?日本の大マスコミのみなさんはここまで両国首脳が踏み込んでいると気付いていない。「軍事を知らない」ので「平和も語れない」のである。アメリカの強力な二つの同盟国の首脳が共通の状況を認識して手を組んだということは、今後歴史的に大きな意味を持つかも知れない。以下のことも日本の大マスコミはほとんど報じないが、自衛隊を愛する私としては「へえ」なニュースだ。
 <今回の会談では、自衛隊イスラエル軍の協力関係を拡大していく方針でも合意した。同紙によれば、近く自衛隊幹部のイスラエル訪問が実現する見込みだという。同紙はこれについて、「敗戦から70年近くたった今、安倍政権はより幅広い軍事力を得ようとしている」とし、「友好国への幹部の派遣は、そのごく初歩的な「赤子の一歩」だろう」と記している。>
 集団的自衛権でわあわあ騒いでいる日本国の大マスコミと違い、イスラエル紙の分析は、実に正しい認識というほかはない。

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