パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

中国の硬軟戦法、外交的に敵の分断作戦は「孫子の兵法」だが   海洋進出の傲慢姿勢をみると中国軍が孫子を実践しているとは思えない



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26(2014)年6月13日(金曜日)弐
     通巻第4266号 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

中国の硬軟戦法、外交的に敵の分断作戦は「孫子の兵法」だが  海洋進出の傲慢姿勢をみると中国軍が孫子を実践しているとは思えない

**********************************

 孫子はこう書いた。
 「最良の策とは敵の謀略を看破して心理的ダメージを与え降伏させることであり、次の策は敵の外交関係を分断し孤立化させることによって降伏させることだ。下策は、敵軍を、軍隊を投入し破ることである。「攻城戦」は「下の下策」。したがって攻城戦は止むを得ない場合にのみ行なうものである」

 中国はいま、伝統的な「孫子の兵法」を用いて、ベトナム、フィリピンには軍を投入し、米国には謀略でそのアジア戦略を打ち負かそうとし、対日外交では心理戦・宣伝戦・法廷線を駆使し、日本の精神的勃興を食い止め劣位においたままにしようとしている。
 つまり対米、対日、対越対策で、中国はそれぞれが異なって策略をもって当たっている。
 こう分析するのは香港紙『東方日報』(6月9日)のコラムで表題に「中美伐謀、中日伐交、中越伐兵」とある(「中美」は米中の意味)。

 だが中国のやり方を日米越はとうに見透かして、対応しているのではないのか。
 国際情勢は日々刻々と変化し、複雑に絡み合い、三国志や戦国春秋時代のような地政学は適応できず、情報の独占も操作も根底から怪しくなってくれば、謀略も策略も十全には機能しないことのほうが多い。

 中国は米国の戦略変更、すなわち、『アジア・リバランス』を破壊させようとして、『新しい大国関係』なる曖昧模糊とした語彙を用いて外交攻撃をしかけた。しかしオバマ大統領はだませても連邦議会は承伏せず、国防費は削減されるといえどもアジアへの艦船投入計画に変化はない(「リバランスは米海軍艦船の60%をアジア太平洋に投入する」。
 
米国は日米同盟を強化、フィリピンと安保条約を改め、韓国駐留軍を投げ出さず、ベトナムへは軍事的てこ入れを強化しようとしている。
中国が「養光韜晦」(力を蓄え、それまでは本音を隠せ)を止めて、2007年あたりから覇権への野心を剥き出し、外向的に傲岸不遜になった。その反動として日米の警戒が強まったのだ。


▲中国がいう米中「新しい大国関係」の虚実

『新しい大国関係』とは「G2」に象徴される大がかりな構想だったが、すでにヒラリーは国務長官時代に「G2は存在しない」と高らかに否定し、ヘーゲル国防長官は中国の秩序破壊に不快感を露骨に表明し、「いかなる現状変更にも反対する」とした。安倍首相は世界各地で「国際法を遵守し、海洋ルールを守る。力による一方的な現状の変更には反対する」と演説し、肯定的に捉えられた。

中国が狙った戦略的な日米分断はかえって逆効果となって、日米同盟進化をいう局面をむかえた。
 離島奪回共同作戦、三沢基地への無人機配備、オバマ訪日では「尖閣は安保条約の守備範囲に含まれる」とした。
中国の「伐謀」は途中で見透かされ、頓挫した。

 シンガポールで開催されたアジア安保会議(シャングリラ対話)では、中国が四面楚歌の状態で批判の嵐に直面した。中国軍人らは開き直り、傲慢すぎるという印象を世界に与えて孤立した。

つまり中美(米中)関係は壊滅へ向かって走り出した。日本が孤立したのではなかった。いや寧ろ初めて首相が参加した「シャングリラ対話」で、安倍首相には基調演説の機会が与えられたのだ。
アセアンはカンボジアを除いて反中国を鮮明にし、急速に緊密化をつよめてベトナムとフィリピンは日本に近づいた。

 欧米でさかんに日本の悪口を言い歩いても、直後に欧州歴訪した安倍首相は暖かく迎えられ、中国の援助を享受してきたアフリカ諸国も、日本で開催されて日本アフリカ会議にこぞって出席した。

 このため対日姿勢を露骨に強めて尖閣諸島強奪の軍事訓練をみせたうえ、突発的な防空識別圏を宣言した。

これら身勝手な中国の動きに日米は共同で対抗し、自衛隊機への異常接近も、それで期待した中国国内におけるナショナリズムへの傾斜は起こらず、種々の行動は目的達成にはるかに及ばず、寧ろ日本にかってない緊張感と危機感をもたらした。なべて策略は裏目にでて中国の孫子の兵法は蹉跌した。
 
 
さ~て 
思い違いも甚だしいのかも!!
---------------------------------------------------------------------

 中国、首相と英女王面会ごり押し 訪問「撤回」で脅したと報道

イメージ 1

 
 中国の李克強首相、英国のエリザベス女王(ロイター=共同)
 
 【ロンドン共同】12日付の英紙タイムズは、中国が李克強首相の16日からの英国訪問に際し、エリザベス女王との面会を要求し、応じないなら訪問を撤回すると脅していたと報じた。英国は結局、面会を受け入れた。
 同紙は、女王は外交戦で「人質」にされたとし、李氏は国家元首ではなく、経済協力が主な訪問目的なのに、女王との面会のために脅しをかけたと強調。「英国が(中国への)巨額投資で損をしないよう必死になり、英中関係の不均衡が拡大している証拠だ」と指摘した。
 英政府筋は同紙に「中国人は強硬な交渉相手だ」とこぼしたという。
2014/06/12 22:18  【共同通信