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不謹慎な「イスラム国」画像コラ 中国ネットユーザ、日本の「平和ボケ」指摘



http://www.epochtimes.jp/jp/2015/01/img/s98371.jpg
1月15日、イラク北西部の街にある、イスラム国(ISIS)とクルドゲリラ組織との武力衝突の舞台となった村で、窓から顔を見せる少年(SAFIN HAMED/AFP/Getty Images)

不謹慎な「イスラム国」画像コラ 中国ネットユーザ、日本の「平和ボケ」指摘



大紀元日本1月22日】過激派組織イスラム国(ISIS)は、日本人2人の殺害予告映像をインターネット上に公開した。緊迫した状況であるにもかかわらず、この映像を日本のインターネット利用者はアニメやイラストを加え、滑稽な加工画像(コラージュ画像)を作り次々と公開した。あまりにも不謹慎な行為に中国のインターネット利用者は日本の「平和ボケ」を指摘。またISISに関係するとみられる者からは怒りを買い、一部から報復攻撃を示唆するメッセージが発せられ、深刻化を招きかねない事態となっている。

中国のインターネット利用者は、「なんて不謹慎だ、平和ボケにも程があるでしょう」「このような行為は中国なら死ぬほど罵られるはず」「日本にはアニメがあるから(非常事態でも)冷静で無関心だ」「あの島国ではこの重大事件に大衆が狂喜して画像コラ大会か。(皮肉って)ずいぶん神経が図太いな」などとコメントした。

またイスラム圏の国からも日本の画像コラ行為を見下すコメントが続いた。「日本人は2人の男の命を考えていない。なんて自分勝手なのか」「馬鹿馬鹿しい」。さらに、ISISに関係するとみられるツイッター利用者は、煽りを受けたと憤慨している。「この2人の男の首が切り落とされた後、お前の顔を見てみたい」「日本人はなんて楽観的なのか。5800キロメートル離れているから安全だと思っているのか。我々はどこにでも軍を構えている」と、報復攻撃を示唆する警告メッセージが宛てられた。

ISISは日本に対し、72時間以内に身代金2億ドル(約230億円)を支払うよう要求している。日本政府は、殺人予告映像に映し出されたのは民間軍事会社経営者の湯川遥菜さん、フリージャーナリストの後藤健二さんと断定。安倍晋三首相は20日、イスラエルでの共同記者会見で「人命を盾にとって脅迫することは許しがたいテロ行為であり、強い憤りを覚える」と非難。直ちに解放するように求めた。

2億ドルという高額な身代金について、実際に支払われていると考えて要求された額ではないと、東京大学先端科学技術研究センター准教授で中東専門家の池内恵氏は指摘する。「日本が中東諸国に経済支援した額をもって象徴的に掲げているだけ」「アラブ諸国では日本は『金だけ』と見られており、法外な額を身代金として突きつけるのは、日本から取れるものなど金以外にない、という侮りの感情を表している」と分析を自身のブログで表した。

NHKの取材に応じたISIS広報担当は、「金が必要なのではない。イスラム国は、この金額より高い金を1日で使っている。経済的な戦いではなく精神的な戦いなのだ」と述べた。一方で、日本政府が身代金を支払うとの見方も示したという。

(翻訳編集・佐渡 道世)


「交渉できるならイスラム国に行く用意がある」中田考氏がメッセージ(スピーチ全文)

弁護士ドットコム 1月22日(木)15時51分配信


中東の過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件に関して、イスラム国の司令官とされる人物と古くから交流があるというイスラム学者・中田考氏(同志社大客員教授)が1月22日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。

中田氏はイスラム法学・神学の研究者で、イスラム教徒。外務省の専門調査員としてサウジアラビアで働いた経験があり、シリアには10数回、渡航したことがあるという。ただ、現在は、イスラム国に渡航しようとした北大生を手助けしたとして、警察の捜査対象となっている。

中田氏は、イスラム国が日本人2人の命と引きかえに、身代金2億ドルを要求している背景について説明。「人道支援という条件を課したうえで、イスラム国周辺国と同じ支援をおこなうべきだ」と提言した。さらに、中田氏は、イスラム国に向けて、日本人人質の解放するよう求めるメッセージを述べた。

【動画】イスラム学者・中田考氏 記者会見



以下、中田氏が会見冒頭におこなったスピーチの全文を掲載する。

●「イスラム国と戦う」という発言は不用意だ

私は被疑者の立場にいますので、マスコミの質問も避けていましたし、イスラム国とのコンタクトも避けていました。それは私にとっても問題ですし、先方にとっても迷惑がかかるというのがありました。今回こういうことで、人命がかかっていますので、みなさんの前でお話することにしました。

今回はタイミングとして、安倍総理の中東歴訪にあわせて発表がありました。安倍総理は、中東に行ったことが地域の安定につながる、和平につながると信じていたのだと思いますが、残念ながら、非常にバランスが悪いと思っています。

イスラエルの入植地について反対を直言することで、バランスのとれた外交をおこなっていると信じているのだと思いますが、中東において、そもそもイスラエルと国交を持っている国がほとんどないという事態を正確に実感していないのだと思います。これは中東、アラブ、イスラム世界では非常に偏った外交だと見られます。

安倍総理は)記者会見の中で「難民支援、人道支援をおこなっている」と強調していましたが、もし難民支援、人道支援ということで今回の中東歴訪があったのだとすれば、300万人といわれている「シリアからの難民」の半数以上がいるトルコを最優先にすべきです。トルコが外れているところで、「難民支援、人道支援をする」と言っても通用しないと思います。

訪問国として、エジプト、パレスチナ、ヨルダンと、すべてイスラエルに関係している国を選択している時点で、アメリカとイスラエルの手先と認識されます。人道支援、難民支援のためと理解されないことは、中東を知る者としては常識です。

「中東の安定に寄与する」というのは理解できる発言ですが、中東の安定が失われているのは、イスラム国が出現する前のことです。その中で、わざわざイスラム国だけを名指しで取り上げて「イスラム国と戦うため」と言いながら、「人道支援だけやっている」と言っても、通用しない論理だと思います。

日本人の人質2人がいることは、外務省も把握していたことです。その中で、わざわざ「イスラム国と戦う」と発言するのは、非常に不用意だと言わざるをえないと思います。

●「交渉パイプ」がないと話にならない

テロリストの要求をのむ必要はもちろんないわけですが、しかし、そのことと「交渉するパイプを持たないこと」とは、まったく別のことだと思います。たとえ無条件の解放を要求するとしても、実際に人質2人を解放するために安全が確保されるのか、その間の空爆を止めることができるのか、誰が受け取りにいくのか、どこで受け取りにいくのか。そういったことを正しい相手と正しく話すパイプがないと、そもそも話になりません。

これまで、今回と似たようなケースで「仲介者になる」という偽者が多くあらわれて、それにアメリカがだまされるというケースがたくさん起きています。今回も、そういうおそれがあるわけです。

イスラム国の呼びかけは、安倍政権だけではなく、日本国民に対する呼びかけという形をとっていました。それに対して、われわれは応えるべきだと思っています。もちろん、われわれは民主主義をとっている国ですので、安倍政権に賛成する人間がいれば、反対する人間もいる。その中で、われわれにどういう対応ができるのかが、問われているのだと思います。

●援助が適切な人に届いていない

ここからは、私個人の提言になります。これはもちろん、イスラム教徒、イスラム学者としての立場でもありますし、同時に日本国民として、アメリカ、日本に受け入れられるギリギリの線だということで提言させていただきます。

安倍総理が言ったとおり、日本は、イスラム国と戦う同盟国側に援助するわけですけども、あくまで人道支援に限られるという論理は、イスラム国に対しても同じように適用されるべきだと思っています。

これまでも、人道援助、経済援助の名のもとに、アフガニスタンイラクに関して、日本や国際社会は多くの援助をおこなってきましたが、それが適切な人のもとに届いていなかった。特に、スンナ派の人々の扱いが非常に悪かった。それが、今回の事件の根源にあります。

現在のイスラム国の前身は、イラクスンナ派イスラム運動です。彼ら自身は、アメリカによってイラクが攻撃されたことを、彼らの体験として覚えています。サダム・フセイン政権が倒れたときは、彼らも含めてほとんどのイラク人は、アメリカを歓迎していました。それが数カ月で「反アメリカ」に変わった。空爆その他で、たくさんの人が、特に女性や子どもが殺されたが、それに対して、まったく補償がされていない。現在、それが繰り返されており、イスラム国の支配地域で、多くの人びとが殺されています。

国際赤十字、中東地域では「赤新月社」と呼ばれている団体は、イスラム国の支配下にあるところでも、人道活動を続けていると聞いています。私の提言としては、イスラム国が要求している金額が日本政府の難民支援と同額ということですので、難民支援・人道支援をおこなうという条件を課したうえで、赤新月社を通じて、またトルコに仲介役になってもらって、難民支援や犠牲になっている人の支援をおこなうことが合理的であって、どちらにも受け入れられるギリギリの選択ではないかと思っています。

日本ではあまり大きく報道されていませんでしたが、イスラム国は1月17日に、ヤジーディ教徒350人を無償で、人道目的で解放しています。一つのメッセージだと考えるべきだと思います。

●72時間はあまりにも短すぎる

これから、イスラム国にいる私の友人たち、古い友人たちに私のメッセージを伝えたいと思います。

「日本政府に対して、イスラム国が考えていることを説明し、こちらから新たな提案をしたいと思います。しかし、72時間はそれをするには時間が短すぎます。もう少し待っていただきたい。

もし交渉ができるようであれば、私自身、イスラム国に行く用意があります。1月17日にヤジーディの350人の人質が人道目的で解放されたことは存じています。そのことは高く評価すべきだと思っていますし、印象も良くなっていると思います。

日本人を解放することが、イスラームおよびイスラム国のイメージを良くしますし、私もそれを望んでいます。また日本にいるすべてのムスリムも、そのことを望んでいます。72時間はわれわれにとって、あまりにも短すぎます。もう少し待っていただきたいと思います。

これを聞いていただければ幸いです。ありがとうございます」

弁護士ドットコムニュース編集部

http://youtu.be/RmOPp9Wk7-g