パルデンの会

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<パイプ持つイスラム法学者が交渉へ名乗り/元同志社大教授の中田考氏「シリアに渡る用意ある」>

勝谷誠彦氏の有料ブログより転載

2015年1月23日号。<やはり登場、わが同級生、ハサン中田考!>

2時起床。博多。
今日は10時半から講演があるので、ちょっと早起き。
この日記を読んで下さっているあなたや、あなたは、だんだんと目眩がして来るかも知れない。朝早くに送りつけられてくるしょうもない文章が、その前後に配達される新聞よりも早いことを書いているのでね(笑)。
しかも書いているのは「ジャーナリスト」(偉い!拍手!)でも何でもない、ただの風俗ライターですから。
いやいや、こんな書き出しをしたのは、あのヒゲの同級生が記者会見などしているのを見たからだ。中田考君である。彼が言っていることはまことに正しいが、なるほど、あの男は外務省や政府の手のもとにはないんだな。私が岸信夫さんなどに申し上げた提言は、彼の気持ちをわかっていなかった。反省するほかはない。ちょっと自分が、そこで何かできると傲慢になっていた。

 <パイプ持つイスラム法学者が交渉へ名乗り/元同志社大教授の中田考氏「シリアに渡る用意ある」>


http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150122/frn1501221528006-n1.htm
イスラムスンニ派過激組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人2人の拘束事件に関連し、イスラム国側とパイプを持つとされるイスラム法学者で元同志社大教授の中田考氏(54)が22日、都内で会見を開いた。メディアを通じてイスラム国に呼びかけ、「シリアに渡る用意がある」と人質解放に向けた交渉役に乗り出す意向を明らかにした。>
人質のことがわかった瞬間に私は動き出して「中田考を使え」と各方面にメッセージを出した。しかし、大マスコミが彼の名前を出したのはやっと今だよね。私から言わせて貰えば「はあ」という「自称ジャーナリスト」の方々があちこちでコメントしていたが。中田考でしょう。どう考えても。彼が自分でこうした会見をしたことそのものがちょっと不思議で、もっとメディアや政府が彼を引き出してきていい。
この日記を読んで下さっているあなたや、あなたは「よおし、キタ~」だと思う。私もただひとつのパイプだと思っている。でも、おそらく、難しい。
<同氏によると、イスラム国の「広報、宣教担当の司令官」であるウマル・グラバー氏と親交があり、「現在もコンタクトが取れる」状態だという。
ウマル氏はフェイスブックツイッターのアカウントを持ち、昨年8月には中田氏に「人質になっている湯川氏の裁判をしたい」との要請があった。それを受け、中田氏は同月末に外務省にシリア渡航の際の協力を要請したものの断られ、シリア行きを断念したという。>
イスラムはまことにメンツを重んじる。それもあるが、外務省はもうこの時点で、湯川さんの解放について、独自の交渉をしていたのかも知れない。これがねえ、どの程度のものなのか。おそらくは最初からハサン中田君にまかせた方がよかったのではないかと私は考えるが、まあそれは推測にすぎない。
私の半生はずっとこのゆらぎである。「優秀な官僚の方におまかせした方がいいのか、自分の判断が正しいのか」。私がひとつだけおそらく多くのジャーナリストの方々と違うのは(私は決してジャーナリストではないが)「ともだちがそこにいる」ということかな。灘校の同級生たちが官僚の中枢にいる。
彼らを見ていると、まちがってはいない。その彼らへの信頼が根底にあっての、官僚批判なのだ。
だから外務省もまあまあ、それなりの判断をしてきたのだと思う。私は「もっと予防できたのでは」と考えるが、これも外から見たことだとは言っておく。それらの前提がある上で、今、どうするかを外務省と政府、つまり安倍晋三首相は決めていると考える。大マスコミが記者クラブで「お伺い」で書いていることとは、まったく違う視点で私がここで指摘しているとは覚えておいていただきたい。地元と、政府をまあまあ知るものとして、命懸けで書いている。だって、つかまっている2人も命懸けですからね。
以下は平和ボケ記事の典型。ダメなところがすべて出ている。いや、毎日新聞が悪いんじゃないですよ。でもクラブ活動をしているとみんな似てきちゃうんだよなあ。

イスラム国拘束/「日本の対応、相手は全部見てる」政府筋>

http://mainichi.jp/select/news/20150123k0000m010118000c.html
<政府は、イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる身代金要求の期限が23日午後に迫る中、関係各国に協力を求めて情報収集を急いでいる。しかし、菅義偉官房長官は22日の記者会見で、拘束された湯川遥菜さん(42)と後藤健二さん(47)の安否の確認はできていないと説明。2人の救出に向けた有力な手がかりはつかめていない模様だ。>
何を言っているのかまったくわからない。具体的に何を政府がしているかという情報がまったくない。それはおそらく毎日新聞としては「これまでの経緯で書けない」からだ。政府は懸命に手を売っている。だが「平和国家」を標榜してきた大マスコミはそれについて触れられない。とはいえ、ちょぼちょぼと書いてはいるのである。
<関係諸国、部族や宗教の代表者らを通じて犯行グループとの接触を探る一方で、政府筋は「日本が何をどう発信したかを相手は全部見ている」と指摘。政府は首相がエジプトで表明した2億ドルの中東支援策は難民への人道支援だと繰り返し説明することで何とか局面を打開しようとしている。菅氏は会見で「(期限までに)政府としてできることはすべて行う。人命救助最優先で取り組んでいる」と強調した。>
とんでもなく恥ずかしい記述である。くり返すが毎日が悪いのではなく、日本の大マスコミのインテリジェンスに対する理解がこの程度なんですね。<「日本が何をどう発信したかを相手は全部見ている」>なんて、当たり前でしょう。お互いのそれを知り合ってこその情報戦争なんだから。<政府は首相がエジプトで表明した2億ドルの中東支援策は難民への人道支援だと繰り返し説明することで何とか局面を打開しようとしている。>。嘘である。そんなことでテロリストが説得されるわけはない。相手が欲しいのはカネか日本国の屈伏であって、論理で膝を屈することなどありえない。
かかる勘違いに満ちた記事(ビンボー毎日が、珍しく全文をタダで読ませている)の中で、私が「へっ?」と思ったのはここだ。その重要性を毎日は気づかずに書いているんですけど。
安倍晋三首相は22日、オーストラリアのアボット首相、英国のキャメロン首相と相次いで電話で協議し、支援を要請した。アボット氏は「国際社会とともにできる限りの協力をしたい」と述べた。>
キャメロン首相はまあ、定番だ。しかしアボット首相とここで話したというのは、日本やアジアをターゲットとしたテロの情報が官邸に入っているんでしょうね。残念ながら、次のビッグニュースは、アジアにおけるイスラムのテロだと私は考える。それが日本でなければいいが。

こちらもとんでもない国だが。

<首相の所信表明なし/民主が要求せず 通常国会
http://www.asahi.com/articles/DA3S11563390.html

衆院選後の国会で通常は行われる首相の所信表明演説が、26日召集の通常国会で行われないことになった。民主党が要求しなかったためで、異例だという。第3次安倍内閣発足後、初の本格的な国会で、しかも民主党岡田克也代表のもと新体制を発足させたばかり。民主は2月中旬の首相の施政方針演説の際に論戦に挑むというが、野党第1党としての姿勢が問われそうだ。>
理由というのが凄まじい。
<背景には、執行部が発足したばかりで人事や政策の調整に追われ、政権と相対する準備が十分でないといった事情がある。>
馬鹿だとは思っていたが、本当の馬鹿?政党でいることを放棄している。岡田克也(この下の名前、迷惑だ・笑)というヒトの性格をこれほど示してきることもないだろう。私がいつも言っている「優先順位」がわからないのだ。それを良く言うと「原理主義者」なのだろうが、率直に表現するなら「モノゴトの順番がわからない馬鹿」である。
党内調整がどんなに忙しくても、所信表明を求める方が先でしょう。そこから突っ込みどころも出てくるのだから。野党とはそういうものではないのかね。安倍政権には今の路線で、とにかく頑張ってもらわなくてはとう思うが、野党もしっかりと監視して欲しい。それがこの程度というのは、もう何を言っていいのやら。

所信表明つながりで。ちゃんと民主党が要求していれば、両国でほぼ同時に首脳の今後の政策が示されて話題になったのに。アメリカでは一般教書演説が行われた。

オバマ大統領一般教書演説、経済や安保で懸念表明>

http://jp.wsj.com/articles/SB10948060512587593536504580412411580730900
オバマ米大統領20日の一般教書演説で、この15年間に米国が戦争や景気停滞を経験したことに言及したうえで、その「ページをめくる」よう国民に訴えた。
オバマ氏は演説で「新しい世紀に入って15年になる」とし、「この15年は、わが国を見舞ったテロに始まり、新たな世代が長く費用のかかる二つの戦争を戦い、わが国と世界にリセッション(景気後退)の悪循環が広がった。多くの人にとって厳しい時であったし、今もそうだ。だが今夜、われわれはそのページをめくる」と述べた。>
全文を原文で読んだが、やはり文章はうまいですね。これはオバマさんが就任した時から一貫して私が言っていることだ。でも、内容が何もない。つまり、実績がないということだ。そして自分の卑劣な逃避について言及していない。バラク・オバマがシリアへの介入から逃げたからこそ、ウラジミール・プーチンはクリミアを手にしたのである。そのあたりへの反省はまったくない。そのくせ、いまさら。
外交政策では、オバマ氏はイスラム過激派組織「イスラム国」に対する武力行使を承認するよう議会に呼びかけた。「イスラム国に対する武力行使を承認する議案を可決することにより、われわれがこの使命で団結していることを世界に示すよう、この議会に求める」と述べる予定だ。>
「後出しで失敗する」といういつものパターンである。イスラム国を本当に潰すつもりならば地上軍の派遣しかない。地道に市街戦で叩き潰していくしかないのである。しかしそれをすると「アメリカの子どもたち」が死ぬ。有権者が嫌がる。そうしたリスクをとる勇気はオバマさんにはないのだ。

敬愛する作家であった。
平井和正さん死去 「幻魔大戦」「ウルフガイ」>
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1410560
先生は親指シフターの先駆でもあった。
<PC方面にも明るく、日本で初の本格的オンライン小説という「ボヘミアンガラス・ストリート」をパソコン通信上で連載したことも。親指シフトキーボードの愛用者としても知られた。>
親指シフトの伝統を、ちゃんと守っていきますから。これは日本語の作品に必須なのだ。安心して、おやすみくださいませ。



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