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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月4日(金曜日)弐
通算第4647号
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習近平の北京軍事パレードは「成功」したのか? AIIB参加57ヶ国のうち、30ヶ国しか参加しなかった
****************************************九月三日、世界が注目した中国の「抗日戦争勝利70周年 軍事パレードに」は晴天、猛暑のもと、大量の兵器陳列パレードと兵隊の示威行進などで盛り上がり、プーチン(露西亜)大統領、蕃基文(国連事務総長)、朴権惠(韓国)大統領らが参加した。ほかに南アとモンゴル、カザフスタン大統領がめだつ程度だった。
予測された国賓より、もっとも注目されたのは江沢民がよたよたと現れ、習近平の隣に並んだことだった。これには驚いた人が多い。
対立しているとされた胡錦涛も雛壇に登場し、病気欠席が予測された李鵬もでてきた。この長老たちの勢揃いこそ、中国共産党が一番みせたかった演出ではないのか。
すなわち血みどろの権力闘争は、いったん休戦状態にある、という宣伝効果が得られるからだ。
習近平は演説で「中国は覇を唱えず、軍を30万人削減し、永遠に拡張もしない」などと大嘘を平然と嘯いた。
もし覇権をとなえないのなら、南シナ海の軍事拠点構築をどう説明するのか、軍を削減しても武装警察が増えるだけの目くらまし戦術にも一切の言及が無く、しかも9月3日の軍事パレードは今後毎年続けると言いはなった。
「強い中国」の演出は習政権がスローガンとする「中国夢」の実現であり、軍事パレードをともかく挙行できたことは、習近平が軍を掌握したということを内外に示したかったわけで、しかし実態はと言えば反対の様相が強い。
軍を掌握したと誇張できる背景は稀薄である。
第一に西側が総スカンを示した。日本ばかりか欧米英にくわえてスリランカ、ケニアなどが欠席し、またAIIBに参加を表明した57ケ国のうち、30ヶ国の代表しか出席しなかったことが挙げられる。外交的には失敗といえるかも知れない。
第二に「抗日戦争勝利」というスローガンのインチキが世界に知れ渡ったことだ。抗日戦争を戦った主体は国民党であり、中国共産党には、「勝利」をいう合法性がないと米国のニューヨークタイムズまでもが厳しく批判し、台湾でも一部政治家や老兵の参加に激しい非難の声が巻き起こった。
したがって習近平の演説では、この部分を曖昧にぼかして表現した。
第三に初公開の兵器が85%、その全てが国産と自慢する中国の武器システムだが、米国東海岸へ届くというDF31,DF5のパレードが行われても、おそらく展示用の囮ミサイルか、サンプル(中味は空砲)であり、「張り子の虎」ぶりはかわらない。北京五輪のときの口パク少女を思い出せばよい。
第四に習近平の「強い中国」の自己演出は、かえって周辺諸国に驚異をあたえ、これからの中国の進出プロジェクトへの不信感はますます増大すると予想されることだ。
上海株式暴落、人民元切り下げ、天津大爆発など一連の不祥事が折り重なって中国のイメージ悪化が避けられないという皮肉な結果となった。
蛇足ながら日本から駆けつけた村山元首相は猛暑にダウンして北京の病院に緊急入院、式典に参加できなかったそうな。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月4日(金曜日)弐
通算第4647号 号外
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北京の抗日軍事パレードで中国の「反日」はより醜悪になった
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明日5日、歴史戦第二弾、日露戦争勝利! 愛国者はあつまろう!
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「ポーツマス条約110周年 日露戦争の意義を考える国民の集い」
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――九月三日、北京で抗日戦争勝利(?)の軍事パレードは茶番だった
ファシズムの軍国主義国家(中国)が「反ファシズム」とは笑止千万
――中国、韓国の「反日」、出鱈目な歴史観。日本は座したままで良いのでしょうか?
記
とき 9月5日(土曜日)午後2時(一時半開場)
ところ 千代田区永田町「星陵会館」 二階大ホール
http://www.seiryokai.org/kaikan/map.html
資料代 千円
どなたでも「予約なし」でご参加いただけます。
<プログラム>
開会の辞 加瀬英明、来賓挨拶 西村真悟
「日露戦争の歴史的意義を問う」 前防衛大学授 平間洋一
「満蒙とは何だったのか」 近現代史家 宮脇淳子
ほかに藤岡信勝、馬渕睦夫、福井雄三、水島総の各氏ら。
主催 「ポーツマス条約110周年 国民の集い」実行委員会
どなたでも「予約なし」でご参加いただけます。参加者には特別冊子を差し上げます。