パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

<国会周辺などで騒いでいる「非日本人が」嫌っている国軍がまた見せてくれた、我々のいのちを護るとはどういうことか。自らの命をかえりみず

 勝谷誠彦氏の有料ブログより

2015年9月11日号。<国会周辺などで騒いでいる「非日本人が」嫌っている国軍がまた見せてくれた、我々のいのちを護るとはどういうことか。自らの命をかえりみず>。



x




 2015年9月11日号。<国会周辺などで騒いでいる「非日本人が」嫌っている国軍がまた見せてくれた、我々のいのちを護るとはどういうことか。自らの命をかえりみず>


 3時半起床。
 私の中では「東日本大水害」という言葉が生まれつつある。
つつある、というのは、現在進行形で、東北の方々には、いくらしても、しすぎないほどの警戒をお願いしたいからだ。読者の中にも大勢おられると思う。これについてはまたあとで触れる。
 被災されたみなさん、行方不明の方のご家族などなどにまず、
心からのお見舞いを申し上げる。その上で、なぜ私の不幸な事件や事故への予想は鮮やかと言っていい(自らへの皮肉で書いている)当たり方をしてしまうのか、むしろ哀しく、情け無い。週刊誌記者として悲惨な事件ばかりを書いてきた。そのあとも戦場など悲劇が起きているところをずっと歩いてきた。そのせいで妙な「カン」がはたらくのかも知れないが。今回は、地質学、地形学そして気象学のききかじりの素人学問があったので、なおさらだったのだろう。昨日、ここで私はこう書いた。
 <いやあ「鬼怒川が破れたか」
というのはあのあたりの地形を知るものにとっては衝撃である。他の河川でも警戒水位をとうに突破している。いまだに雨は降り続いているが、それだけではなく上流からやって来る水によって水位はまだ上がるかも知れない。問題は「破れたあと」だ。北関東のあのあたりというのは、日本でもっとも平らで傾斜がすくない場所なのだ。だから洪水となると水抜けが悪い。>
 ちょうど日記をお送りする直前に飛び込んできた情報だった。
決壊はもっと早かったのだろうが、夜であることだし全貌の把握には関係者も時間がかかっていたのだろう。同じころ、灘校地学部気象班長だった弟の友宏が、立て続けに5通のメールを送ってきた。「よろしくない」。兄の日記を読む前である。気象庁国土交通省のデータにアクセスしようとしているのだが、こんでいてつながらないと焦っていた。ヘンな兄弟である。しかし、素人でもこれくらいの危機感はあの瞬間には持っていたのだ。
 私は地元自治体や国土交通省気象庁よりも、
むしろ自衛隊が同じような感覚をかぎとっていたと思う。東日本大震災の時に指揮をとった火箱芳文元陸上幕僚長(『カツヤマサヒコSHOW』でお話はうかがっていて、まもなくオンエアになります)がご著書で書いている。「戦(いくさ)のにおい」だ。その本の名前は『即動必遂』。
 

http://www.mgt-pb.co.jp/each.php?id=100
 確か以前にいちど紹介しましたね。まさに「ただちに動き、命をかけてでも任務を遂行せよ」という火箱さんが育てた隊員たちの活躍を昨日は見た。


 その感動を記す前に、まずは今の状況を分析しておきたい。「
いくさは進行中」なのである。二つの台風からもたらされた大気の衝突によって生じている「線状降水帯」は、ややその勢力は弱めながらも東北を東へ移動しつつある。既に溢水情報がいくつかの河川に関してあるようだ。東北には特殊な事情がある。東日本大震災だ。奇しくも今日はちょうど4年半に当たる。気をつけていただきたいのは、あの時に甚大な損害があった地域だ。ひとつは沿岸部、ひとつは山間部。
 沿岸部では地盤沈下がある。北関東の状況でおわかりのように、
溢れた水は今度はその中でより低い場所に行くのである。地盤沈下をした地域では、水が思わぬ深さになる可能性がある。山間部。言うまでもないが、あの大地震で地盤は信じがたいほどのダメージを受けている。そういうことがなかった北関東でも、大きな土砂崩れがあった。崖を背負っている家にお住まいの方々は、とにかく雨が激しくならないうちに避難して下さい。
 もう避難も危ないというのなら、2階にいて下さい。
地域が機能しているなら、お年寄りを避難所まで連れていって下さい。まあこんなことは自治体がやってくれるだろうが「限界自治体では人手が足りないのだ。もし、これをお読みのあなたや、あなたの中に心当たりがある相手がおられるならば、携帯電話がつながらなくなる前に、こういうアドバイスをしていただけると幸いだ。
 割り込んで少しだけわたくし事を記せば、
国後島渡航を中止した関係者の判断は、まことに的確であったというほかはない。天気図を見ると北海道は4つの低気圧に囲まれている。台風17号は単冠湾を目指す連合艦隊のように、ピタッと北方4島に進路を定めている。もし決死で渡航できたとしても、あちらでは何もできなかったであろう。帰国が遅れれば『カツヤマサヒコSHOW』に穴があく。自分でこういう判断ができなかったのかということが惨めで恥ずかしい。

 さて、わが精強無比にして勇猛なる自衛隊である。
国会を取り囲む方々によってボロクソに言われている自衛隊である。もちろん、彼らだけではない。県警、なんと海上保安庁は世界的に見ても精鋭中の精鋭の海猿の特殊部隊を出した。警視庁のレスキュー隊。現場を支えるのは消防のみなさん。それぞれの能力の高さには驚くしかないが、もっとも早く現場に到着したのは陸上自衛隊航空自衛隊であった。「即動必遂」であるが、この時はまだ「必遂」となるかどうかはわからない。しかし防人たちは飛来した。どれほど、孤立した人々が嬉しかったことであろう。
 またまたわたくし事になるが、昼過ぎに「
原稿を書く前にちょっと情報を見ておこうか」とテレビをつけた私は暗くなるまで、立ったままで動けなかった。自衛隊のヘリと勇士たちが苦闘しながら、しかし確実に日本国民の命を救っているさまをリアルタイムで観ていたからである。戦場だとこうはいかない。東日本大震災の時は、あまりに規模が大きく、かつ福島原発がヘタ打ったので、どうしてもそちらに目が行ってしまった。しかし、今回は一人ひとり、一匹いっぴきである。
 鍛え抜かれた戦技の素晴らしさをじっくりと見ることができた。
いや、戦技ではないんですね。あとで触れるかも知れないが、これは救助技術なのだ。ここに自衛隊の存在のさまざまな矛盾がある。もっと自由にやってもらってこそ軍隊なのだが、その「イジメ」の中で、技術を磨いていて、こういう「有事」の時に鮮やかに見せるのだ。
 あそこで飛んでいたヘリ(
どこぞのアホの局のレポーターがずっと「飛行機」とわめいていた。死ね)はUH-60Jではないかと思う。もともとは米軍映画をご存じの方ならわかる、米軍の「ブラックホーク」を救難専用に改造したものだ。泣ける。自衛隊は「軍」のはずなのだが、いつのまにか「救助隊」となっている。しかしその技術は「戦技」として世界に冠たるものだ。なぜこんな複雑骨折をしたような組織を作ってしまったのか。

 今日も昨日のダイジェストはたくさん流れているだろうが「
軍事を知る」ものとしてはライブで観ておかないと意味がなかった。「平和は語れない」のである(苦笑)。なぜなら今日に流れている映像を編集しているのは「軍事を知らない」アホばかりだからだ。陸自の頑張りが凄かった。彼らは「戦うために降下する」軍人だ。ヘリから「救助するために降下する」ノウハウはむしろ海上自衛隊にあるのではないかと私は理解している。しかし、陸の防人はいささかもたじろぐことはなかった。私は正直いって、ハラハラしながら観ていたのだが。
 まずはヘリ。数十メートルでホバリングをする。この日本軍の(
ああ、もういいや自衛隊とか)技術には、御嶽山の噴火の時に世界中の軍関係者が戦慄した、と米軍の友人から聞いた。ヘリは空気をかき回して浮いている。空気が薄い3000メートル以上のあの場所でホバリングしている技術とは何か、と。今回もすさまじかった。低い位置をずっと場所を維持して、降下した隊員の指示通りに動く操縦術にも感動したが、電線やアンテナをよける能力である。実は都会での救助ではこれらが邪魔だ。電線の埋設化というのは、安全保障のためにも大切なのである。
 降下して屋根に降りた隊員がアンテナを倒そうとしている。
そのあと上と下との手信号でなんとか電線を避けて吊り上げようとする。東京電力はある時で、現場への送電を止めた。「こんな時に何やってんだ。やっぱり東電か。カネもらえないからか」と思った日本人が99パーセントだと思うし、それは東電がさんざんやらかしてきたことへの「人徳」の評価で嘲っておきたいが、きっとオノレのそれではないがいい判断だと瞬時に悟った。
 「吊り上げる時の感電を防ぐ」ためだ。
あるいはヘリに万一の接触があった時のダメージを防ぐためだ。もし接触してしまうとヘリはまず墜ちるのだが。もちろん、現場から防衛省を経て、官邸なりに連絡が行き、そこから東電に命じたのだと思う。やや、時間がかかったね。戦争の時の命令伝達能力を、インテリジェンスはこういうところで見る。海外でも分析しているだろう。
 海外といえば。決壊した堤防のすぐそばに3軒の家が目立った。
もっとも危ないところ、そしてその外側の2軒。陸軍ヘリの(もういいや、この呼称で)救出はそこに集中していた。電柱にしがみついておられる男性がいて、ワイドショウなどは「なぜ行かないんでしょうね」とかほざいていたが、軍の作戦のもっともの基準は「優先順位」である。その影響で私もときどきここで使っている。
 アホのワイドの司会者などが「あそこが危ないと思うんですよね」
とか言っている。軍への感謝の言葉は最後までひとことも出なかった。まず、建築材にRCを使っているのか、堅固な家から子どもたちを救った。流れてきてその家に支えられたもう一軒がある。屋根の上に犬をそれぞれ抱えたご夫妻がいる。しかし、ここは「作戦の優先順位」であって、堅固な家が流れたら、そちらもダメなのだ。だから、救出は次になった。
 私はね、この映像は世界中に流れるのではないかと思うのですよ。
ずっとドキドキしていた。犬はどうするのかと。他にも救出を待っている被災者が大勢いる中で、犬まで助けるわけにはいかないだろうと。すると隊員はスーパーのビニール袋のようなものを持って降下してきた。そこに犬を入れるのである!奥様らしい人が先に一匹連れて上がる。そのあとご主人がもう一匹を抱いて助けられた。その映像は私が知るかぎり真正面から撮られていて(日本テレビだったかな?)これは世界中の話題になると思った。シバ犬(らしい)がきょとんとしながら、わが精強無比なる陸軍兵士によって、ご主人との間に抱かれているのである。
 こんな「すげえ」ということを書いていると枚挙に暇ない。
しかし、まずはこれから豪雨がやって来る東北、北海道のみなさんに何よりのご準備をお願いしたい。私が言うのである(傲慢)。気象庁が動揺しているのがよくわかる。「いまだかつてないことが起きている」のであって、どんなに警戒してもしすぎることはない。繰り返すが、あなたや、あなたのご親族やお知り合いがおられるならば、ひとことメールでもお願いします。あっ、非常時なので、このメールの転送をしていただいてもいいです。そのあと読者にしてね(笑)。

 

付言しておくが国軍以外の各組織の奮闘も鮮やかなものであった。そして天皇陛下からお言葉を頂戴していることを書いておく。
 <天皇陛下、豪雨被害に「心配しています」とご憂慮/ウガンダ大統領とご会見>

 http://www.sankei.com/life/news/150910/lif1509100037-n1.html
 引用が末尾になったこと、恐悦至極である。水が引いたならば、
天皇皇后両陛下は被災地に行かれるのではないかと拝察する。ご無理をされないように心から願う。日本国民をどう護るのか。国軍はそれをまたみごとに実践した。陛下はお言葉を下さった。安保ハンタイの阿呆は何か。明日を待たれよ。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
(c)2015 勝谷誠彦katsuyamasahiko.jp All Rights Reserved.
問合せ(メールの未着など):info@katsuyamasahiko.jp
情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/procedure/dissolve
発行:株式会社 世論社