自衛隊、米海軍イージス艦の動きがそんなに気になるのか???
2016/02/02 10:22
中国軍機が事前通報なしに大韓海峡縦断、韓日の防空識別圏を侵犯
西沙諸島で米軍が「航行の自由」作戦を行った翌日、中国軍機が東海を偵察
偵察機など2機、事前通報もないまま韓日両国の防空識別圏を侵犯
韓国は警告、日本は戦闘機出動
南シナ海での争いが韓半島に波及
中国軍機2機が、史上初めて大韓海峡(対馬海峡)を縦断し東海(日本海)まで往復飛行を行った。共同通信が31日に報じた。この過程で、中国軍機は韓国および日本の防空識別圏(ADIZ)を事前通報なく侵犯・通過したという。アジアの覇権をめぐる米中日の軍事力競争の影響が、韓半島(朝鮮半島)にまで及んだ格好だ。なお、日本の防衛省は「中国軍機が領空を侵犯することはなかった」とコメントした。
共同通信などは「31日午前から午後にかけて、中国軍のY9情報収集機とY8早期警戒機が1機ずつ長崎県の対馬の南側を通り、東シナ海の尖閣諸島と日本海の間を往復した」と報じた。韓国政府の消息筋も「中国軍機が東海(日本海)まで飛行したが、韓国・日本に通知はなかった」と語った。
西沙諸島で米軍が「航行の自由」作戦を行った翌日、中国軍機が東海を偵察
偵察機など2機、事前通報もないまま韓日両国の防空識別圏を侵犯
韓国は警告、日本は戦闘機出動
南シナ海での争いが韓半島に波及
中国軍機による初の東海侵入は、台頭する中国とこれを防ごうとする米日同盟の衝突が日増しに激化する中で起こった。
1月30日、米海軍のイージス艦カーティス・ウィルバー(排水量8900トン)が、南シナ海で中国の実効支配している西沙諸島(パラセル諸島)の12カイリ(約22キロ)以内に初めて侵入した。中国軍機の飛行は、この直後のこと。中国は「あらゆる措置を取るだろう」と公言していた。南シナ海で燃えさかる対立の火の手が、尖閣のある東シナ海を経て韓半島・東海にまで及ぶのではないか、という懸念が持ち上がっている。韓国の国策研究機関のある研究員は「中・日が領有権を争っている尖閣諸島と日本のADIZを同時に飛行したのは、意図的な挑発とみられる。日本はもちろん、米国に対する警告という性格があるとも考えられる」と語った。北京の外交消息筋は「昨年9月、韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が天安門の楼閣に上って『閲兵式外交』を行った時点では、韓半島は『米・日対中国』の衝突から一歩引いていた。しかし北朝鮮が4回目の核実験を行った後、『韓・米・日対朝・中・ロ』という冷戦的な対決構図が再び浮上しており、韓半島の安全保障をめぐっても危険水位に近づきつつある」と語った。
中国は習近平政権発足後、1980年代に自ら設定した海上防衛ライン「第1列島線」(沖縄-台湾-フィリピン)を、何のはばかりもなく突破している。中国の軍艦と軍用機がそろって宮古海峡などを通り抜け、西太平洋に進出しようとしているのだ。かつての英国や現在の米国のような覇権国になろうとするなら海・空軍力が重要、という事実を中国が悟ったと分析されている。中国は昨年5月、国防白書で「大洋海軍」を強調するとともに「今後、中国の空軍力は防御だけでなく攻撃もするだろう」と表明した。中国は、アジアの覇権国になるためには日本を乗り越えなければならない、と信じている。経済力は、2010年に中国が世界第2位になって以降、日本との格差は広がり続けている。残るは軍事力だ。2014年12月に中国空軍が、自衛隊を「仮想敵」にして訓練を行う場面を初めて公開したのも同じ流れ。当時、中国国営の中国中央電視台(CCTV)は、中国のSu30戦闘機が数百キロ飛行し、日本のF2戦闘機の阻止を突破して敵の心臓部を打撃するという訓練シナリオを報じた。一方日本は、自衛隊機の作戦範囲を南シナ海にまで広げることとした。米軍を助けて対中圧迫に乗り出すというわけだ。