パルデンの会

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始まった 中国の商業銀行の不良債権、3兆香港ドルを入札で売却


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)2月17日(水曜日)
           通算第4817号
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ついに崩れはじめた氷山の一角
  中国の商業銀行の不良債権、3兆香港ドルを入札で売却

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 始まった。
 まだ氷山の一角でしかないが、
中国の商業銀行の不良債権1兆4500億HKドル(邦貨換算で23兆円強)が表面化した。2006年以来もっとも悪い数字である」(サウスチャイナモーニングポスト、2016年2月16日)。

 これは『公式』の発表だから、
実態はすこぶる悪いという想像ができる。氷山は表にでるのが20分の1から百分の1と言われているように
 また旧正月前に11兆円の通貨供給がなされたが、
これも実態は四倍の44兆円だったことが判明した。

 「
おそらく中国の不良債権は米国のサブプライム危機の四倍に達するだろう。中国の不良債権危機はこれから表面化するだろう」(ヘイマン・キャピタル・マネジメントの創設者キール・バス氏)。なぜなら中国の国有銀行はゾンビ企業に巨額を次々と貸し込んできたからである。

 いま紹介したバス氏、
じつはジョージソロスと並んで華字紙メディアが攻撃している人物で、ウォールストリートジャーナルにもたびたび談話が掲載されるが、人民元に関しては「3年以内に60%さがる」と予測している(財形新聞、2月12日)。
 小誌の予測は半値だから、それ以上だ。

 株価にしても、もし、中国の金融界が不良債権で10%
の資産を失うと仮定すれば、時価総額にして3・5兆米ドル(邦貨換算400兆円強)が失われる。

 他方、銀行を通さない民間ローンは昨年末の1・82兆元(
33兆円)から、3・42兆元(62兆円)とわずか弐ヶ月で二倍近くに膨らんでいる。

 中国当局の金融緩和、資金供給を続ければ、
人民元暴落に直面するという二律背反のなか、いよいよ破局が迫った。
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中国リスク倒産、負債額11倍、今年はさらに

東京商工リサーチ友田常務、企業経営への衝撃を警戒

2016年2月17日(水)鈴木 哲也

中国経済の減速が世界中の企業の経営を直撃している。2月8日号日経ビジネス特集「世界を揺さぶるチャイルショック リーマンより怖い現実」では、日本企業の業績への影響についてもリポートした。企業の信用情報などを調査する東京商工リサーチによると、中国関連のリスクを要因とする企業倒産も昨年から急増しているという。今年その流れは加速するのか。対応策はあるのか。同社の情報本部長、友田信男常務に聞いた。
(聞き手は鈴木哲也)

中国経済の変調を要因とする倒産の増加に警鐘を鳴らしています。最近の象徴的な倒産事例は何ですか。

友田信男(ともだ・のぶお) 氏
東京商工リサーチ・常務取締役情報本部長。1980年、銀行勤務を経て東京商工リサーチ入社、2011年に取締役情報本部長。2015年から現職。財務省研修所や全国信用金庫研修所で講師を務める。リーマンショックの影響について参議院参考人として呼ばれたほか、自民党政務調査会などで中小企業の実態を説明する機会も多い。中小企業金融円滑化法の制定にも関与した。

友田:精密機械部品の製造などを手掛けるテラマチ(愛媛県西条市)が今年1月に民事再生法の適用を申請しました。小惑星探査機「はやぶさ2」の部品加工の一部を担った実績もあり、人気テレビドラマの「下町ロケット」に登場する佃製作所のように高い技術力を持っています。中国の建設機械需要の拡大を見越して、積極的な設備投資をしてきたのですが、最近の中国の景気減速による建機需要の縮小で、見込んでいた受注が消えて、資金繰りが悪化したのです。たとえ技術力があっても抗しきれないぐらいに、中国の景気減速は大きな流れで進んでいるということを示す事例です。

東京商工リサーチではチャイナリスク関連倒産」という集計をしていますね。2015年の動向はどうでしたか。

友田:件数では76件で、2014年と比べて1.6倍。負債総額では2346億2800万円で前年比で11.5倍と大幅に膨らみました。零細企業から中堅企業以上へと影響が広がり始めているため、負債総額が増えているのです。チャイナリスクといってもリスクの種類は複数あります。初めは生産地である中国の人件費の上昇によって製造や輸入のコストが上昇し、日本のアパレル企業などが影響を受けました。例えば昨年10月、下着製造のアイリス(徳島県美馬市)が破産開始決定を受けたのは中国での人件費上昇が一因です。

 今は、だんだんと中国の景気減速と需要の減少が影響した倒産が増えてきています。市場としての中国が変調し、中堅以上の企業にも影響が及ぶという「第2段階」にあるのです。例えば、海運中堅で東証一部上場の第一中央汽船は2015年9月に民事再生法の適用を申請しました。赤字決算が続いていたところに、中国の景気減速によって需要が一気に落ち込み、追い打ちをかけたのです。

2016年の見通しはどうですか。

友田:流れを見ていると昨年まではチャイナリスクの入り口で、いよいよ今年はチャイナリスクが本格化するかもしれないと思いますね。

第3段階は余剰製品が日本に押し寄せる

「第3段階」として新たな懸念材料がありますか。

友田:世間的には日本のデフレ脱却が見えてきたとか言っていても、企業間の価格競争というのはなかなか解消してないんですよ。そういう環境で、中国の景気の減速がどう影響するかという点に、私は非常に注目しています。生産力が高まった中国企業が作り出す製品は、これまで多くは中国国内で消費できていたのですが、中国景気が減速していくと当然、過剰生産になってきます。その過剰生産された商品がどうなるかということを考えたときに、一番近くて経済が発展している日本、あるいは韓国に、安い中国製品が流れ込んでいくことになるでしょう。経済のグローバル化の中では当たり前のことです。安い商品が流れ込んでくることで、日本の中小企業がより激しい価格競争にさらされる可能性があります。

 一例として生産過剰がよく指摘される鉄などがありますが、精密機器を除く様々な製品で起こっても不思議ではない。長い間、日本企業が中国の企業に対して技術供与してきたこともあって、中国製品は品質面での競争力も向上しています。そうした製品が言わば「逆流」し始めているのです。この意味でのチャイナショックは、これからが本番だと思っています。

一方で中国に進出した日本企業の倒産も引き続き拡大しそうですが、何か対応策は考えられますか。

友田:進出と簡単に言いますけれども、中小企業は命運を懸けて進出していくわけですね。設備投資をして何か計画が狂うと一気に経営に影響してきます。進出のときは国や金融機関が当然支援します。しかし、いざとなったときに支援がないんですよ。資本主義だから何でも自己責任という今の状況はどうなのか。倒産の面倒を見ろと、私は言うつもりはないんですが、問題が起きたときの何らかのバックアップというのはあってしかるべきだと思います。そうしないと企業は安心して海外進出はできないですよ。

例えばどういう支援があり得えますか。

友田:1つは情報です。進出している地域の商取引や独特の商慣習などの情報をどんどん提供していくことが必要です。例えば日本ではちょっと考えにくい話なんですが、中国では経理担当者はお金を払わない方が評価されるという面があります。だから売掛金が回収できないという想定外のことが起こりがちです。最近、倒産した中堅企業の事例では、現地法人の責任者に据えた中国人が、自分の身内の会社にどんどんお金を流していたのに、本社がそれを把握できていなかったということもありました。

 東京商工リサーチは米国の大手調査会社、ダンアンドブラッドストリート(D&B)と提携しています。D&Bは中国に進出しているのですが、苦労もあります。企業の決算書を国が管理していて入手しにくいということと、その決算書が本当かどうかを検証しにくいという事情があります。経済が減速してくると実態はより見えにくくなるでしょう。進出している日本の中小企業にとっては、確認がより難しいでしょうから、金融機関などの情報支援が必要なのです。

民間ファンドなど新たな後ろ盾必要

情報以外で求められる支援はなんでしょうか。

友田:やはり企業に資金を付けてあげることです。これまでも何もしていないわけではなく、日本の政府も金融機関もずいぶん融資の姿勢というのは変わってきてはいるんですよ。昔は土地がないと担保になりませんと言っていたのが、今は在庫でも売掛金でも担保になります。ABL(動産・債権担保融資)ですね。しかしちょっと経営が傾き始めたら、昔のまま、やはり債権保全の方が優先されてしまいます。

突然、資金回収を始めてしまうということですか。

友田:そうです。だから金融機関や政府だけに任せておくのはもう無理なんです。私はもっと民間ファンドの活用を、積極的に国もやっていくべきだと思います。民間ファンドというのは今の財務データだけでなく、対象とする会社の強み、弱み、特性、例えば特許を持っているかとか、技術力や販売力、市場開拓力があるかとか、そういう数値化できないものでも会社の将来性として見ていくわけですよ。だから、民間ファンドの方がリスキーな部分にも手を出してくれます。

そういう資金の出し手があれば、今のような混乱した状況でも、企業が事業を継続しやすいと。

友田:今の政府が進めている中小企業政策というのは、やはり安定というのを前提にしているわけですよ。だから困ったときにニューマネーが出てこない。民間ファンドのすべてがいいとは言いませんが、民間ファンドは企業の将来にかけて出資するわけですから、何か想定外の出来事が起きたときでも、支援をしてくれることが多いのです。

一方で多方面でチャイナリスクが急速に高まった場合、より緊急的な中小企業支援策が必要になるかもしれませんね。

友田:当然、私は必要だと思います。特に一番懸念しているのは、先ほどお話しした中国からの安い製品が流入してくることによって、国内の企業が大きな影響を受ける可能性です。まず経済産業省など政府が音頭をとって、全国の信用保証協会や、日本政策投資銀行のような政府系金融機関を動かすことが必要になってくるかもしれません。

中国リスク関連以外も含めた日本全体の倒産状況をみると2015年は倒産件数が7年連続で前年を下回りました。負債総額は3年ぶりに前年を上回りましたが依然、低水準です。企業の経営状況は悪くないように見えます。

友田:企業倒産の数字は減っていますが、中小企業の業績が良くなって減っているのではなく、政策で抑制されたのだとみています。今の中小企業は実は業績の2極化がはっきりしているんですよ。それなのに、倒産が減っているというのは、明らかに政策的に抑制しているということでしょう。中小企業金融円滑化法は2013年の3月で終了したのですが、法律の趣旨は今も継続して実現されているのです。貸付条件の変更などに金融機関が応じており、豊富に中小企業の資金が供給されています。金融緩和政策の影響もあって、中小企業の資金繰りは楽になっている。だから倒産が今は少ないんですね。

次の消費増税、「97年シナリオ」再来か

言葉は悪いですが「ゾンビ企業」がかなり存在する可能性がある。

友田:その通りです。業績が悪い企業が何とか政策で下支えされている。そこにもってきて、新たにチャイナリスクが起きたりすると、中小企業の経営は打撃を受けます。今年1月の倒産件数を見ると、25年前のバブル期並みの低水準なんですね。バブルのときは日本の経済が右肩上がりだったんです。日本全国、大企業から中小企業まで、みんな好景気に沸いていたわけですね。だから、倒産が少なかったんです。今も日本の景気はそんなにいいのかとなると、違うわけです。政策支援があるからなのですけれど、政府が打つ手は最後まで打ってしまっていて、もう打つ手がないんですよ。だから中小企業の業績が良くならない限り、倒産数としては今を底として反転していく。そういうタイミングに差しかかっている時期が今ですね。そこにチャイナリスクなども入ってきますから、今年は急増はしなくても、反転して緩やかな増加傾向をたどっていくだろうと見ています。

チャイナリスクに加えて、原油安が世界経済の混乱の要因ですが。これは倒産件数どう影響していますか。

友田:今の倒産が減っている要因の1つには、電気代とか、あるいはプラスチックとか、原油を素材としたいろいろな化学製品の調達価格が下がっていることがあります。原油安はそういった意味でプラス効果の方が先行して出てきているように感じます。チャイナとオイルの「チャイルショック」という視点で中小企業をみると、マイナス要因のチャイナと、プラス要因のオイルがちょうど引き合っている綱引き状態なのです。

2017年は消費税が10%に上がる予定です。こちらは倒産状況にどんな影響が予想されますか。

友田:消費税と倒産の流れというのは実はリンクしてないんです。1989年に3%の消費税が導入された後は、バブル期でしたから倒産は減りました。1997年に3%から5%になったときは増えたんです。そのときはアジア通貨危機などもあり最悪のタイミングで上がったんです。そのときどきの景気動向に大きく左右されるわけです。前回、2014年に8%になったときは減っていきました。それは先ほどお話しした政策要因です。では来年10%になるとどうなるか。私は増加していくと思います。

1997年のときのパターンになるという予測ですね。

友田:そうです。なぜかというと、中小企業の体力が疲弊しているんですよ。付加価値をつくる競争力が弱い会社は、消費税が上がった時は、さらに価格競争にさらされますから。政策支援があるからすぐに増えるとは思いませんけれども、私は倒産は増加傾向の方に向くと見ています。



今頃何を言うのか?
鉦や太鼓は つい最近まで叩いていたではないか?(パルデン記)