http://img.epochtimes.jp/i/2016/06/15/t_a4nxy8g4y6jqdh47o6jv.png 2016年6月13日 、 343号決議案が通過する前に、米下院議会で、中国での臓器狩りについて発言するイリアナ・ロス=レーティネン議員(スクリーンショット)
米下院、法輪功の臓器摘出を非難する決議案を満場一致で通過
イリアナ・ロス=レーティネン議員は「中国で、合意のない良心・宗教・少数民族の囚人から臓器を摘出するという、現在も続けられているおぞましい行為を非難するものであり、 嫌悪に満ちた非倫理的な行為は停止するべき」と述べた。343号決議案は、臓器摘出の対象となるその他のグループも含まれるが、主要な犠牲者は法輪功の修煉者であると調査者は報告している。
ワシントンDCを拠点とする『臓器の強制摘出に反対する医師団』(DAFOH: Doctors against Forced Organ Harvesting)の常任理事トルステン・トレイ博士は、「過去4年にわたり、米議会は、決議案草稿や公聴会を通して強制的な臓器摘出に関する証拠を調べてた。そして今日、臓器狩りが行われており、停止する必要があることを認めた」と語る。
法輪功を対象とした臓器狩りについて数冊の本を書いている、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏は、 eメールのメッセージで次のように語った。「良心の囚人が中国では臓器のために殺害されている事実を米議会が公認した。問題の認識が最初のステップだ。次は、行動に移さなければならない」
ロス=レーティネン議員は次のように演説した。「中国政府による残虐な弾圧、人権侵害は周知の事実。しかし法輪功修煉者に対するこのおぞましい扱いは特に言語道断であるにもかかわらず、それに価する注目を受けてこなかった」「法輪功修煉者は、中国の国家が認める虐待に対して最も危険な状態に置かれている。残忍な行為の犠牲者になりやすい状況だ」と加えた。
オンデマンドの臓器調達 被害者、 数十万人におよぶか
2006年以来、拘束中の法輪功修煉者が血液型、組織結合を検査され、必要に応じて臓器のために殺害されている、という証拠が調査に基づき報告されてきていた。「オンデマンド」の臓器調達システムは、中国以外では存在しない。通常、 不慮の事故などで適合するドナーが現れるまで、レシピエントは数カ月、数年待つ必要がある。
法輪功のパレードで、臓器狩り被害者と見られる男性の
写真つき看板をかかげる法輪功学習者(大紀元)
ボストンで開催された米移植会議に参席したときのインタビューでトレイ博士は、臓器狩りの事実を否定する共産党の対応は「アメーバのように」変化させてきたという。「証拠は決定的な量に至っており、人々の認識も決定的なレベルに達した。中国政府が逃れられる余地はほぼない」と断じた。
法輪功や他の良心の囚人を対象とした臓器狩り・迫害の停止は競い合うように呼びかけられており、中国政権に独立調査を認めさせ、米国務省に恒例の人権報告書に臓器狩りの査定を入れるように促す声が上がっている。人権擁護者は次に上院に喚起し、343号決議案をてこに米国務省が行動を起こすよう勧告していくことだろう。
2006年に最初の重要な「臓器狩り」報告書を共著で発表した、カナダの人権擁護弁護士デービッド・マタス氏は、eメールを通して次のように語った。「タイミングのよい通過を歓迎する。私は弁護士としてのほとんどすべての仕事を人権擁護に費やしてきた。この経験から、人権侵害に対する反対の動きはゆっくりと進む。犠牲者の声は懐疑的に受け取られ、関心は寄せてもらえない。時間をかけて努力は加速していき、最後には確信となる。米下院の決議案の通過は、ウィンストン・チャーチルの言葉を借りれば、最初の段階の終わりと言える」。