南シナ海実効支配に国際法判断へ 中国、受け入れず
テレビ朝日系(ANN) 7月12日(火)11時50分配信
中国が海洋進出を強める南シナ海の問題で、国際法に基づく初めての判断が下されます。中国は南シナ海で独自の境界線を掲げ、ほぼ全域に自国の主権が及ぶと主張していて、周辺国などから「中国の赤い舌」と呼ばれています。そして、南沙諸島に7つの人工島を造成するなど実効支配を進めています。これに対して、フィリピンは中国の主張には「法的な根拠はない」と申し立てていました。判決を下すのはオランダ・ハーグにある仲裁裁判所で、3年前のフィリピンの申し立てを受けて審理が進められてきました。中国の主張の是非や造成した人工島に領海などの海洋権益が認められるかが焦点です。判決は測量データも判断材料となるため、一部で中国側に不利な判断が下されるとの見方も出ていますが、中国は判決を「意味のない紙くずだ」として受け入れない姿勢を示しています。判決は日本時間の12日午後6時に公表される予定です。
最終更新:7月12日(火)13時35分
【シンガポール=吉村英輝】ベトナム国営紙タインニエン(電子版)は11日、南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で9日、ベトナム漁船が中国船から体当たりを受け、沈没したと報じた。
パラセル諸島は中国が実効支配しているが、ベトナムも領有権を主張している。南シナ海をめぐる仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の裁定を12日に控え、中国側がベトナム側への妨害活動を活発化させている可能性がある。
沈没した漁船は9日午前11時ごろ、中国船2隻から追い回された。近くにいた仲間の漁船がベトナム当局に通報し、海中に投げ出された船員5人を助けようと試みたが、中国船に妨害された。同日午後6時過ぎに中国船が去ったあとに5人は引き上げられたという。
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