チベット文化圏、大地に息づく「祈り」7点
Photo Stories撮影ストーリー
インドから中国まで、チベット文化が広がる地域を、日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2014グランプリの写真家、竹沢うるまが旅し、そこに息づく「祈り」を撮影した。
この2年ほど、チベット文化圏を旅し、写真を撮ってきた。
訪れたのは、インド北部ラダック地方、スピティ地方、ネパール国内旧ムスタン王国、ブータン、中国の四川省から青海省にかけての地域。
標高5000mの山々、マイナス20度の冬。険しい山を越え、深い谷を渡り、薄い空気に喘ぎながら旅を続け、その先で大地とともに生きる人々の祈りの世界に触れた。土のかおりがする表情、霜焼けで赤く染まった頬、谷に響く風のような歌声。「祈り」は大地に生きる人々の日常のなかに遍在していた。
「祈り」の意味を知るためにコルラ(チベット仏教徒が聖地を廻り、巡礼すること)した旅の日々。多くの人々に出会い、祈りの姿に触れ、そのたびに心が震えた。その振幅を感じるたびに写真を撮り、積み重ねていった。
これらの写真は、いままさにこの瞬間、人々が過酷な大地で祈りとともに生きているという証であり、また、ひとりの写真家が確かにそこに存在していたという自身の存在の証明でもある。
心の流れを感じ、写真に収めること。それが自身にとっての「祈り」の意味なのだと知った旅であった。
竹沢うるま写真展 Kor La 【11月21日まで】
Korは「廻る」、Laは「峠・山」の意。コルラとは、チベット仏教徒が祈りを捧げるために、聖地を時計回りに廻り、巡礼することを指す言葉。写真家竹沢うるまがチベット文化圏を巡礼し、撮影した写真約40点を展示。
2016年10月14日(金)~11月22日(月)
会場:キヤノンギャラリーS(東京・品川)
入場無料、10時~17時30分(日曜・祝日は休館)
トークイベント
2016年10月22日13時30分~15時、キヤノンホールS(東京・品川)
300名(先着順)参加無料 予約はこちらから
竹沢うるま ホームページ: uruma-photo.com
関連記事:
「写真家:竹沢うるま」(写真家紹介ページ)
【連載】3年間103カ国を旅して見てきた 世界の最も激しい3つの祭り(竹沢うるま)