2016-12-30 <靖国、オスプレイ。どちらも大切だ。だけど「今じゃないでしょ!」> チベット情報 #アジア情勢 有料ブログ 勝谷誠彦の××な日々。 より転載 2016年12月30日号。 <靖国、オスプレイ。どちらも大切だ。だけど「今じゃないでしょ!」> 4時起床。 昨日の新聞をめくっていて「あれ?」と思いませんでしたか?私は何度もめくり直した。あるべきものが、ないのである。『週刊新潮』の広告だ。『週刊文春』は前倒しで前日に出ていた。人々がまだ会社に行くうちに、という判断だろう。そうか『新潮』は前倒ししないのか、と元編集者としては、ふうん、と考えていたのだが、翌日にも広告がない。コンビニやキオスクに実物もない。 年の瀬だけに資金繰りで新潮社倒産か…は冗談だが、社内の工作員に電話をしてみた。「今日が、仕事始めですよ」疲れ切った声が帰ってきた。なんと正月またぎで取材をして、新年に出すらしい。年末に『文春』と『新潮』がどちらも目玉記事を載せた合併号で競うのが例年だったのだが『新潮』は真珠湾攻撃ならぬ奇襲をかけてきたか。何か特別な事情があるのか。年明けの号が楽しみである。現場は間違いなく大変だ。官庁も会社も閉まっているので取材は難しい。やはり大きなネタを既に仕込んであるのかも。 買い物をしに、師走の街に出た。父を亡くして実家に戻る意味がなくなったので、来年は生まれてはじめての「ボッチ正月」(泣)。ひとりで新年を祝わなくてはならぬ。たとえば正月飾りをつけたい。拙宅のドアには何も突起がないので、ひっかけられる部分がついたマグネットが欲しかったのである。というわけで新宿の小田急百貨店に入っている伊東屋へ。以前も触れたが近所の大きな文房具店が潰れたので、ちょっとしたものを買うのにもここまで行かねばならない。 出かけてよかったと思った。師走の街の空気はやはり吸っておくべきだ。神の裁きやら天国が近づいたやらと主張している方々も例年度通りの風物詩。あれ、なぜ年末だけなんでしょうね。布教に熱心なら、毎日やっていればいいのに。伊東屋に着く。マグネットのほかに、卓上カレンダーを二つ買った。同じものである。 さまざまなところからカレンダーはしこたま送って来るのだが、私はシンプルに数字だけなのが好き。二つ買うのは、ひとつは予定を、もうひとつは別のことを書き込むためである。何かって?腹筋の回数(笑)。ヒトというのは面白いもので「見える化」をするとサボることをしにくい。今は休んでいるが、来年は年頭からジムに復帰するつもりだ。するとその出欠も書き込むことになる。 次はユニクロへ。さすがにユニクロの服は着なくなったが靴下はここで充分かと。先日、楽屋で靴を脱いだら靴下に何カ所も穴があいていてマネジャーのT-1君に「頼むから、靴下くらい買うて下さい」と懇願され、スタイリストには「今度あげましょか」と気の毒がられた。何しろボッチなので(くどい)こういう時くらいしか指摘していれる人はおらず、ひとりだと「ま、いいか。見えるところじゃないし」とはいていたのだ。 ところがユニクロは私に冷たかった。えっ?高いな、とよく見るとヒートテック靴下。こんなもん、夏にははけねえじゃないかと、ムッとする。奥に膨大に靴下がぶら下がっているコーナーがあったので行ってみると「ベリーショート」とやら。 あの、踝が出るような奴で、私は大嫌いなのだ。やはり靴下はビシッと脛近くまで締めつけて欲しい。あるのはそれだけ。昔ながらの3足千円の普通の靴下がない。なんとなくユニクロの売り上げが落ちているというのがわかる。少なくとも私の場合は、ごくフツーの物を求めているのに、何か勘違いしていないだろうか。これから消費者は高齢化していくのだから私のように「フツーの物」を求める人たちを取り込まないと失敗しますよ。 『東京麺通団』に寄って店長以下、従業員たちの一年の努力をねぎらう。店は、元旦だけ休みます。あとは年末年始も、やっている。ただし、若干、営業時間がかわります。 http://www.mentsu-dan.com/shop/shop_tokyo.html 11時開店で15時30分にラストオーダー。サボっているわけではなく、大掃除を何日かに分けてやるのだ。休まずにするためにはこれがベストなので。正月ならではの昼酒を、私たちがセレクトした日本酒でぜひ。 安倍晋三首相とバラク・オバマ大統領という日米の両首脳が、せっかく感動的な光景を創り出し、世界が感動したというのに、現場は何をしているのか。 <稲田防衛相が靖国参拝/真珠湾同行の翌日/中韓は批判> http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H2M_Z21C16A2PE8000/ <稲田朋美防衛相は29日、東京・九段北の靖国神社を8月の就任後初めて参拝した。防衛担当閣僚の参拝が確認されたのは2002年8月15日の中谷元・防衛庁長官以来。同神社には東京裁判のA級戦犯が合祀(ごうし)されており、中韓両政府は参拝を批判した。 安倍晋三首相がオバマ米大統領とともに米ハワイで真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊するアリゾナ記念館を訪問した翌日の参拝となった。真珠湾訪問には稲田氏も同行した。首相は神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場で記者団の質問に「ノーコメント」と述べた。> 最初に申し上げておくが、もちろん私は靖国神社へは、たとえ首相であっても、ここぞという時に正式な肩書で参拝し、英霊に御礼申し上げるというのが圧倒的な持論である。最終的には天皇陛下に行っていただきたいと願うものだ。だが、政治家であれば、政治的な配慮というものをしなくてはいけない。稲田朋美防衛相は、おそらく安倍さんに事前に相談をしていない。安倍さんのあの憮然とした表情から私はそう察した。おそらく「何ということをしてくれたのか」と激怒しているのではないか。 支那朝鮮がいつものように吠えているのは無視すれば良い。しかし、先日、真珠湾会見に至るまでの足どりで紹介したように、そもそも安倍さんは米国内のある勢力からは「歴史修正主義者」と見なされていた。そこから努力に努力を重ねて真珠湾に至ったのである。日米関係が最悪となったのは、安倍さんが靖国参拝をした時だった。いつかまた、安倍さんには行っていただきたい。だがそれは決して「今じゃないでしょ」なのは明らかだ。稲田さんのやり方は、閣僚でなく、ひととしても「当てつけがましい」。 第一次安倍内閣の時、私はかなり安倍さんに対して、というよりも安倍さんを持ち上げる勢力に批判的だったのはご存じの通りである。安倍さんを直接存じあげなかったこともあるが「心情保守」の馬鹿さかげんとはしゃぎぶりに「これは危ない」と感じていた。はたしてその通りになった。 稲田さんの参拝は、あの頃を思い出させる。保守派の支持を維持するため、などというのは言い訳である。頭の悪い保守などいてもらった方が迷惑だ。行きたければ、大群衆の一般人に混じって、初詣に出かければいいではないか。その場で英霊に哀悼の誠を捧げるのと、SPを連れて記帳してお参りするのと、気持ちに差があるとでも言うのか。歳も押し詰まった中での、駆け込み参拝など、むしろ英霊に失礼というほかはない。あ~、書いててますます腹が立ってきた。繰り返すが支那朝鮮などどうでもいい。アメリカの反応か心配なのである。 ところが、そのアメリカも、センスが悪い。これも「今じゃないでしょ」だ。 <オスプレイ空中給油訓練 来月再開を米伝達> http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201612/CK2016123002000115.html <在日米軍が普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)所属の新型輸送機オスプレイの空中給油訓練を来年一月上旬にも再開したいと日本政府に伝達したことが分かった。政府関係者が二十九日、明らかにした。今月十三日の不時着事故は同訓練中に起きており、十九日に飛行が再開された後も休止が続いている。再開すれば、沖縄側などの反発が強まるのは必至で、政府は慎重に米側と調整を続けている。> 朝日新聞の素粒子を典型として私が引いたように、反日反米左まきは、真珠湾での和解を沖縄の基地問題を持ちだして、貶めようとしている。それなのに、まんまとそいつらに付け込む隙を与えてしまった。米軍側のこの主張は軍事的には正しい。 <米軍は「機体に問題はない」として空中給油訓練以外の飛行を十九日に再開した。事故から六日後の再開に沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は「到底容認できない」と反発している。> ヘタうったのは、機体の故障ではなく、給油行動で失敗をしたからだ。だから飛行再開はいいとしても、給油訓練をまた始めるには相当な地上での教育が必要だろうな、と私は考えていた。終了したと米軍が判断したなら、まあそれはそれでいいだろう。 でも、なぜその「発表」をせめて年明けまで待てなかったのか。稲田防衛相と同じで真珠湾の両首脳の真情の発露の「直後」はないでしょう。しかも首脳会談では、 <安倍晋三首相は二十八日(日本時間)、オバマ米大統領とのハワイでの会談でオスプレイの安全確保と情報提供を要請した。> のだ。オスプレイが日米の間に刺さっている棘であることを明らかにしたわけだ。その直後に、これ。せっかく両首脳が頑張っているのに、現場が頭が悪すぎる。政治が機能していないのである。ということは最終的には両首脳の責任にもなるわけであって、足を引っ張っていることおびただしい。稲田さんのケースト違って、こちらはまだ修正がきく。少しでいいから「延期する」と発表すると、日本側の面子も立つ。だから<政府は慎重に米側と調整を続けている>のであって、ここでは安倍さんの指示があると見ていいだろう。それにしても、困ったものだ。 素人地学屋から見ても、ひとごとじゃないです。 <超巨大火山に噴火の兆候、イタリア> http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122700499/ <50万人が住むイタリアの大規模な火山性カルデラ盆地、カンピ・フレグレイの地下にある超巨大火山が、500年の休止期間を終え、「臨界状態」に近づく可能性があるという論文が、12月20日付の科学誌『Nature Communications』に掲載された。> <20万年前の大噴火では、広範囲にわたって空が大量の灰で覆われる、いわゆる「火山の冬」を引き起こし、気候に影響を及ぼした。これはヨーロッパ史上で最大の火山活動とされている。 噴火は、3万5000年前と1万2000年前にも起きた。また、議論の余地はあるものの、4万年前の噴火は、ネアンデルタール人の絶滅をもたらした可能性があるとする論文が、2010年に発表されている。> 「地球温暖化」で夜も寝られない方々は嬉しいかも知れないが成層圏にまで上がった火山灰による「火山の冬」は人類の食糧生産に壊滅的な打撃を与えるだろう。ただでさえ、今や食糧の奪い合いになっている。多くの人類が餓死するに違いない。ちなみに世界に超巨大火山は7つと数える学者が多いが、そのひとつが日本国の「鬼界カルデラ」である。7300年前に噴火し、南九州の縄文文化を全滅させた。神戸大学のチームがいま、探査しているが、マグマは活動的である。 <九州南方海底に活動的マグマか/神戸大が確認> http://www.kobe-np.co.jp/news/bousai/201611/0009678548.shtml イタリアのケースがわかるように、いつ何が起きても不思議がない。そんなすぐ近くに川内原発を作って、稼働させようというおめでたい人たちがいる。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ (c)2016 勝谷誠彦、katsuyamasahiko.jp All Rights Reserved. 問合せ(メールの未着など):info@katsuyamasahiko.jp 情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp 購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/procedure/dissolve 発行:株式会社 世論社 46