パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

総選挙。政党の公約をもっとマジメに読みましょう


勝谷誠彦の有料ブログより転載

2017年10月13日号。

<総選挙。政党の公約をもっとマジメに読みましょう。とんでもない劣化。矛盾だらけだから>。


 3時半起床。
 まことに体調がよろしくない。早起きなのも、横たわっていると吐き気がひどいからだ。持病の逆流性食道炎であって、体力が落ちると出て来る。胃液が逆流するのだから、起きて直立すればマシになる。でも今日は、座ってこの日記を書いていてもゲロゲロだ。騙しだましなんとか書いているけれども、配信はいつもよりは少し遅れるかも知らない。それでもとにかく、書く。
 身体がそうなっているのか、書き始める前にいつものように調べ物をしている時の方が、吐き気はひどかった。下に新聞をとりに降りた時など、エレベータの中でうずくまって我慢した。エレベータで酔っていては、今日の車や飛行機はどうなるのであろう(泣)。午後の便で大阪に移動して、それから講義をするのだ。
 そのあとは地獄の転戦が待っている。もちろん選挙の応援弁士としてだ。投開票日の翌日には、いつものように日本を離れる。公職選挙法によの検挙を逃れて…ではありません。自分へのご褒美のつもりだったのが、必ず後悔する。頼むから軽井沢の家で何もせずにぼーっとさせてほしい、と。

 今回の選挙は不意打ちだったせいか「大丈夫かこのヒトたち」というような候補者や政党がいつもより目立つ気がする。まあ、もともと政治屋なんてちっとも大丈夫でないヒトが多いのだが。とはいえ。いちおう保守や愛国をうたっているのだから、いくら何でもこれはないだろう。

 <日本地図から消えた北方領土希望の党政見放送で/幹部釈明「チェック体制ができていなかった」>

 http://www.sankei.com/politics/news/171012/plt1710120066-n1.html
 <希望の党(代表・小池百合子東京都知事が12日の政見放送で使用した日本地図に日本固有の領土である北方領土が記載されていなかった。希望の党衆院選の公約に「北方領土返還を目指す」と明記し、小池氏も入党条件に「リアルな安全保障」を掲げているが、日本の最重要課題の一つである北方領土問題に対する姿勢に不安を残した。
 政見放送では、小池氏が「私たちは守るべきはしっかり守る。変えるべきは大胆に変える。改革保守の政党だ」と訴えると画面が切り替わり、北方領土のない日本地図が映し出された。>
 やっちまったことは仕方がない。こういう時はどう釈明し謝罪するかが危機管理の基本だが、それもできていない。
 <希望の党幹部は産経新聞の取材に「申し訳ない。映像製作会社に任せて作成しており、しっかりしたチェック体制ができていなかった」と釈明した。>
 これはダメでしょう。キミたち、政策も「政策会社」(ゴロあわせの皮肉ね)に任せて作成するのかい、と突っ込みたくなる。ブレーンを使うのは悪くはない。だがそれの「チェック体制」こそが「政治」なのだ。

 今朝の朝日新聞朝刊には東京の25の選挙区に自民党が立てた全候補が顔写真入りで出ていた。これも苦笑してしまった。政治屋というのは、自分が投票する選挙区のひとりの顔ならなんとなくガマンできるが、かくも大量に並べられると、独特の匂いがする。腐臭とはまではいいませんがね。
 同じ広告に自民党の公約も掲載されている。トップを見て、日本国も変わったなあといささかの感慨にひたった。「北朝鮮の脅威から、あなたの家族を守る。」というのだ。安全保障が公約のアタマになったのははじめてではないか。警戒する相手としてはショボいがまあ、悪くはない。続いて「アベノミクス加速!景気回復で経済の好循環を。」そううまく行くならエコノミストなんてみんな失業するのだが。景気を良くするというのは選挙の時には必ず自民党が言うこで、公明党の南無妙法蓮華経のようなものだ。
 先に最後の4つ目を紹介すると「保育・教育の無償化を実現します。」これ、ホントにいいことなのだろうか。ほとんどの有権者が、うんうんと頷いているだろうから、天の邪鬼のコラムニストとしてはどうしてもひとこと言いたくなる保育を無償化して母親が働きに出て何かいいことがあるのだろうか。確かに労働力の不足はこれからの日本国の大きな課題で、高齢者と女性に働いてもらうのは悪くないだろう。けれども。子どもを育てるというのは、いくばくかの収入よりも親にとっては喜びではないのか。
 それこそ自民党が主張する「この国のかたち」「日本的な価値観」の根底を構成する家族というものの、大切な接着剤ではないのか。左翼政党が人気とりのために売りにするならわからなくもないが、自民党は雰囲気だけで言っていないかい。ちゃんとした保守としての価値観が根底にあるのだろうか。
 この国で、もっと左巻きがぶいぶい言っていた時代、朝日新聞などは「共産主義社会主義国家では教育は医療はタダだ」とさんざん持ち上げた。さぞかし立派な人材が育って国を支えているのだろうといま見回すと、独裁者の奴隷のような国民ばかりだ。そう。教育の無償化は怖いのである。つまりは国家に教育の面倒を「見てもらう」わけであって、そこには「こういう国民を作りたい」という意図が入ってくる。さきほどの共産主義、,社会主義国家がまさにそうだ。「タダほど怖いものはない」と知れ。
 世界に冠たる明治国家を作り上げた多くは「苦学生」であった。私が子どものころには偉人伝というすばらしい本がたくさんあったが、ほとんどが苦学の時代を叙述していた。私がこんなろくでもないモノになったのは、開業医のボンボンとして灘校に学ばしてもらったせいもある(いつものひとのせい)だろうが、それでも大学時代少しだけ苦学をしたことは人生の糧となっている
 「カンベンしてくださいよ。上京していきなり風俗ライターになって、夜の街でカタギのサラリーマンの何倍も稼いで、遊びすぎて落した単位を拾いに、留年の年は大手出版社のハイヤーで授業に出ていたおっさんが何を言うてるんですか。ホンマの苦学生に刺されますよ」「な、なぜそれを」「あんたのマネジャーやからです。これみんなも読んではるんやから。局の幹部に『大変だったんだね』とか聞かれて『そうです』と言うほどボクは嘘つきにはなれません」。さすがはわが敏腕マネジャーのT-1君。今日もこれからこの方に鼻面を引き回されるのだ。

 私は日本国首相に頼まれた時くらいしか選挙の応援はしない。今回もそれはありそうなので、お楽しみに。世は総選挙一色だが、実は同じ日に投開票の選挙がある。神戸市長選だ。
 <神戸市長選/ダブル選効果/で投票率アップ期待>
 https://www.kobe-np.co.jp/news/senkyo/2017/kobesityou/news/201709/0010602013.shtml
 <10月22日の投開票日が史上初めて衆院選(同10日公示)と重なった神戸市長選(同8日告示)。突然の解散劇や「小池新党」を巡る国政の激動に関心を奪われがちだが、こと投票率に関しては大幅アップが見込まれる。同市長選の投票率は4回連続で30%台と低迷しているが、衆院選の市内投票率はおおむね50~60%台で推移。同市長選に立候補を予定する各陣営は「ダブル選効果」の影響に目を凝らす。>
 もう選挙戦が始まっているから書くが、私に出ないかという声はあちこちからあった。現職に勝つというのはなかなか難しいが、私には莫大な私財を投じた「調査結果」がある。県知事選の時に、神戸市内のどこではどれだけとったかというデータが(笑)。神戸市では私は現職知事に勝っているのだ。そりゃこんなおいしい「既製品」もないであろう。供託金も戻ってきたし「いっちょやって…」と腰をあげかけた。
 「やめなさい」叱りつけたのは「安曇野の軍師」高橋「ヨロン」茂さんであった。「あ~、よかった。どうしようかと思ったわ」はT-1君である。「知事選に落ちたからって市長選というのはあまりにみっともないだろう」とヨロンさん。「いや、そうなんだけれども」「選挙癖というのがあってね、いちどやるとどこか脳内物質の分泌がおかしくなるんだよ。ある種の中毒」。さすがは日本中の選挙を仕切ってきたヨロンさんである。確かに。そもそも神戸市民に失礼だ。
 「でもね、投票率はまちがいなく上がるわけで、その分はおそらく現職よりも私に」「だからもう、そういうことは忘れて、ほら、明日もちゃんとあのショボい日記書くの」。ショボいって言われた。配信しているのヨロンさんなのだが。

 さきほどの「お楽しみ」である。神戸市長選挙と並んで、市議会議員の補欠選挙があるのだ。
 <神戸市長選挙・市会議員補欠選挙(東灘区、中央区垂水区西区)>
 http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/09/20170927810001.html
 そこに、篠木圭子さんが出馬する。
 https://www.facebook.com/ShinokiKeikoKobe/
 篠木さんとは古い知り合いでも何でもない。先の知事選の時に、ふらりと事務所に訪れてそのあと必死でともに闘ってくれた。私たちの共通のユニフォームはご存じのように「義」の一文字だ。「義」で応援してくれたひとには「義」で返すのが私の信条である。
 というわけで私は総選挙の弁士と神戸市議会補欠選挙の弁士をかけもちすることになった。内容を間違えないようにしよう。東灘区でいきなり「北朝鮮に対しては、日本海におけるイージス艦の配備と」とかはじめると、今度こそどこかに収容されかねない。

 これまでひとつにまとまっていることが「素敵」だった世界の分裂が始まっているということを、私はずっと言ってきた。ウェブなどによってむしろ結びつきは強まっているはずなのに、皮肉なことだが、矛盾はしない。ウェブによって「本当のこと」を知るから分離独立となるのだ。ベルリンの壁が壊された理由をご存じか。あの時「衛星放送」が東側でも見られるようになったからだ。当然の、成り行きなのだろう。
 

<米・イスラエルユネスコ脱退表明 「反イスラエル」姿勢理由に>

 http://www.afpbb.com/articles/-/3146534?cx_position=5
 <米国とイスラエルは12日、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)から脱退すると表明した。国際機関から距離を置く米政府の姿勢を改めて浮き彫りにする動きだ。>
 <イスラエルユネスコ脱退を表明した声明で、トランプ政権の決定を「勇気があり、道義にかなった」ものだと称賛。イスラエルに対する一連の非難決議を出した国連は「不条理演劇の様相を呈しているとの批判を展開した。>
 ご存じのように私はもともとイスラエルに近いので、いやこれは、私の事務所の隣がイスラエル大使館であるという距離的な問題ではなく(笑)彼らの考え方はよくわかる。ユネスコはもともと左巻きの集団で、だから朝日新聞などは大好きでいつも持ち上げてきた。ヒトのカネで人権だのなんだのとやっているのは朝日には心地よいのだろう。
 問題はイスラエルアメリカの怒りの対象がユネスコにとどまるかどうかだと私は見ている。ユネスコ脱退は本丸の手前にある砦を攻撃したようなものだ。大日本帝国国際連盟に対して「連盟よさらば」と気持ちはいいが、どうなの、をやらかしてあの大戦争になった。まさか現代のイスラエルアメリカはそうではないと思うが。国連の地位は信じがたいほど低下しつつある。


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