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スワップを蹴り飛ばした韓国 戦時中の徴用工裁判 日韓関係は「無法」状態に刻

半島はこんなもんだろう!!

新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判 日韓関係は「無法」状態に

10/30(火) 17:00配信
日経ビジネスオンライン
 
新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判 日韓関係は「無法」状態に
10月30日、韓国の大法院(最高裁判所)は新日鉄住金に戦時中の韓国人徴用工4人に対する賠償金を支払うよう言い渡した。国交正常化の際の基本的な合意を覆すもので、日韓関係は「無法」状態に突入した。
 
 
●日本は国際司法裁判所に提訴も
 
韓国・最高裁新日鉄住金に対し、元・徴用工に1人当たり1億ウォン(約990万円)を支払うよう命じた。
 
原告側弁護士は資産差し押さえに動くと見られるが、新日鉄住金の韓国内での資産では不足する可能性が高い。そこで日本などで差し押さえを提訴する模様だ。
 
この判決の及ぼす影響は極めて大きい。新日鉄住金以外にも三菱重工不二越横浜ゴムなどの日本企業を1000人近い元・徴用工が訴えている(日経「賠償なら日韓企業のビジネスに影響も 徴用工裁判」参照)。それらの裁判でも日本企業が敗訴する可能性が高まった。
 
外交的な衝撃も計り知れない。この判決は1965年の国交正常化にあたり、日韓基本条約とともに結んだ日韓請求権協定(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/A-S40-293_1.pdf)を完全に踏みにじった。
 
日本政府は今回の判決を国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方向だ。一方、韓国では正常化交渉が不平等な状況下での間違った交渉だったとの見方が増えており、これを機に日韓基本条約そのものを破棄せよとの声が出よう。
請求権協定を踏みにじった
日韓請求権協定では日本が韓国に有償・無償合わせて5億ドルの経済支援を与える見返りに「両締結国及びその国民の間の請求権に関する問題が(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記した。
 
そのうえ「締結国及びその国民の(中略)すべての請求権であって、同日(署名日)以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もできないものとする」と念を押してある。
 
当時の外務省幹部によると当初、日本側は個人に対する賠償方式を提案した。だが開発資金への転用を狙った韓国側が、政府が一括して受け取りたいと希望。
 
日本は韓国の事情を汲んで受け入れたが、韓国の個人が「自分は貰っていない」と蒸し返すことが十分に考えられたため、個人の請求権は消滅すると明記した。
 
このため韓国の官民委員会も2005年8月、「徴用工問題で日本企業に賠償を求めるのは困難である」との見解を表明。だが、2012年5月に韓国最高裁三菱重工新日鉄が被告の上告審で「個人の請求権は消滅していない」と判断した。
 
2013年7月には、この判断を受けた差し戻し審でソウル高裁が新日鉄に、釜山高裁が三菱重工にそれぞれ賠償命令を出した。10月30日の最高裁判決は新日鉄の上告を受けたものだ。
 
●約束を破ってこそ「日本より上」
 
最高裁での審理は2018年8月まで約5年間止まっていた。日韓関係の悪化を懸念する朴槿恵(パク・クネ)政権の意向を受けたとされる。
 
風向きが変わったのは、2017年5月に左派の文在寅ムン・ジェイン)政権がスタートしてからだ。前政権の積弊追及運動の中で、審理遅延も問題となり、2018年8月に最高裁は審理を再開した。
 
10月27日には審理遅延の犯人として、最高裁の付属機関、法院行政庁の判事・林鍾憲(イム・ジョンホン)前次長が逮捕されている。
 
この意味では今回の判決も左派政権ならではのものに見える。しかし、最高裁が日本企業に賠償命令を出したのは保守の朴槿恵政権下の出来事だった。
 
21世紀に入る頃から韓国では「日本を超えた」との意識が高まった(『米韓同盟消滅』第3章「中二病にかかった韓国人」参照)。
 
自分たちに力がない時に結んだ日韓国交正常化に関する合意を踏みにじって見せる――。これこそが保守、左派を問わず韓国人の夢である。韓国では「約束を破ってこそ強者」との意識が根強い。
 
 
始まった資本逃避
もっとも韓国人の自画像のように、韓国が強者かは疑わしい。韓国の株式指数、KOSPI(韓国総合株価指数)は年初来、20%も下がっている。10月29日には心理的抵抗線とされる2000ポイントを割り込んだ。22か月ぶりのことだ。
 
世界的な株安だけが原因ではない。中央日報は「韓国株価、10月は世界最大の下落…アルゼンチンより大きく」(10月29日、日本語版)で以下のように分析した。なお、翻訳の誤りは韓国語版を基に修正した。
 
・10月26日のKOSDAQは663.07で取引を終え、先月の最終営業日だった9月28日の終値(822.27)に比べ19.36%も下落した。同じ期間、世界の主要指数のうち最高の下落率だ。
 
・KOSPIも同じ期間に13.48%下落し、台湾加権指数(-13.78%)に続く世界3番目の下落率となった。 
 
・米国・中国株式市場が少しでも下がれば急落し、これら株式市場が反騰してもそれほど上昇しない。外国人の売りに歯止めがかからないのが一次的な原因だ。
 
・外国人は10月に入って26日までに4兆5012億ウォン(約4500億円)の記録的な売り越しとなっている。3年前の2015年8月(4兆2950億ウォン)以来最も大きい。
 
ホットマネーが韓国から逃げ出すのは当然だ。米国の利上げに伴い、米韓の金利差は開くばかり。韓国は利上げしようにも、景気と家計負債の悪化懸念から動きにくい。
 
中長期的には、少子高齢化による成長力の減退が次第に明確になった。そのうえ政治的にも米国と関係が極度に悪化した(「北朝鮮と心中する韓国」参照)。
 
米国は韓国の反米政権に対しては必ずと言っていいほど、金融を使って「お仕置き」してきた。米国の格付け会社が韓国の評価を下げるだけで、左派政権は動きが取れなくなった(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。
 
 
スワップを蹴り飛ばした韓国
資本逃避への特効薬は通貨スワップ協定の締結だ。10月22日、韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が日本との通貨スワップ締結に言及した。
 
中央日報の「韓銀総裁『日本との通貨スワップ、いくらでも再開できる…条件はまだ整わず』」(10月23日、日本語版)によると国会の国政監査の席で以下のように語った。
 
・韓米・韓日通貨スワップがあれば外国為替の健全性の次元で良い装置となる。米国の場合、基軸通貨国以外の国と通貨スワップを締結していないため難しい。が、日本の場合いくらでも再開できる可能性があるが、まだ条件は整っていない。
 
日韓関係が悪いため、スワップは結んで貰えないと告白したのだ。そのうえ10月30日の最高裁判決。市場は「日韓スワップの可能性はゼロ」と踏んだだろう。
 
現在、韓国が結んでいる通貨スワップでは急激な資本逃避に対応できるか、市場は疑っている。すぐに米ドルに替えられる、国際通貨建ては豪州とスイスとのスワップぐらい。それも合わせて170億ドル前後に過ぎない。
 
中国とのスワップは500億ドル強相当であるものの、2017年10月10日に協定が切れている。韓国銀行は「延長した」と口頭で発表したが、中国の金融当局は「韓国側に聞け」と言うだけで、延長に関し肯定も否定もしていない。
 
韓国が米国のTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)の配備を容認するなど中国に逆らったため「お仕置き」していると見られる。
 
仮に中国が突然に広い心を持ったとしても、韓国とのスワップに応じられるかは怪しい。中国自体が資本逃避に直面しているからだ。中韓スワップ人民元と韓国ウォンを交換する。発動すれば、大量の人民元売りが一気に発生してしまう。
 
通貨スワップという傘がもっとも必要な時に、韓国は日本の傘を蹴り飛ばしてみせたのだ。
鈴置 高史