パルデンの会

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次期指導者は第六世代を飛び越えて「第七世代」から選ばれる


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019)4月18日(木曜日)弐
        通巻第6047号  
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もし習近平が権力の座に居座り続けるなら
  次期指導者は第六世代を飛び越えて「第七世代」から選ばれることになる

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 もし習近平が党の総書記と国家主席という権力トップの座に居座り続けるなら、中国共産党の次期指導者は次期を目された第六世代をさっと飛び越えて、第七世代の若い指導者たちに移行することになる。
 では第七世代には、どういう人物がいるのか。1970年から73年生まれ、現時点でのポストは省副省長、市長クラス、あるいは地方の党副書記クラスにいて、注目を集めている指導者ということになる。

 世界的なチャイナ・ウォッチャーの一人、ウィリー・ラムが米国「ジェイムズタウン財団」が発行する『チャイナ・ブリーフ』誌(2019年4月9日付け)のなかで、次の人々の登場を予測した。

 人名   現在の肩書き        主な経歴
 ==   ======        =====
劉 捷   貴州省党委員会書記     江蘇省党委秘書長
諸葛宇杢  上海党委書記        上海党委員会部長
時 光輝  貴州省政治局法務委員    上海副市長
楊 晋伯  広西自治区副議長      国有企業副会長
李 雲澤  四川省副省長        工商銀行副総裁
郭 寧寧  福建省副省長        農業銀行副総裁(女性)
劉 強   山東省副省長        中国銀行副総裁
費 高雲  江蘇省副省長        江蘇省常州市党委書記
周 亮   銀行保険監査委副議長    規律委員会副書記
李 欣然  規律委員会主任       規律監査委第七局主任


 この一覧をみて三つの特色が分かる
 第一に貴州省が目立つのは習近平の子飼い、陳敏爾(現重慶市書記)の貴州省書記時代の右腕となった人脈である。 
 第二に上海、福建、江蘇省関係が多いのは習の十七年にわたる福建省時代、ついで浙江省、上海時代の「部下の部下達」で、近辺諸都市の人脈でもある。
 第三が銀行関係、規律委員会関係が多いのは、反腐敗キャンペーンのおりの実働部隊だったことからだろう。


 ▲2032年までに習近平は共生団の指導層入りを阻止したいのだ

 そして注目するべきは共青団がひとりも居ないことだ。
習近平共青団共産主義青年団)が嫌いで、ライバル李克強首相の人脈で『第六世代』と言われた共青団ライジング・スターのうち、孫政才を冤罪で失脚させ、周強は最高裁へ送り込んで政治局入りを阻害し、唯一残った胡春華には、いかなる重要なポストも与えていない。
 胡春華は政治局員にとどめおかれ、習近平お気に入りの陳敏爾には注目ポストや、重要な任務を与えて、ますます影響力を削いでいる。胡春華はくすんでいる。
 ただし陳敏爾が新たに赴任した重慶市は、大不況の最中、GMは撤退の構え、失業は深刻で、何の「実績」も挙げられないでいることは皮肉である。

 ここで世代の定義に立ち戻る。
中国共産党歴史における「第一世代」は毛沢東劉少奇周恩来革命指導者、四代元帥が輩出したが、毛沢東は権力闘争を通じてかれらを失脚させ、革命の手柄を独り占めした。

「第二世代」はその時期にかけて将校団だったトウ小平胡耀邦趙紫陽の世代である。
彼らは毛沢東の暴政への反省から「改革派」が多かった。
「第三世代」は江沢民、朱容基が代表する世代であり、経済成長に梶を切った。
「第四世代」は胡錦涛温家宝ら、GDP躍進に安住できた時期だった。
「第五世代」が習近平、「第六世代」が、習以後を狙う胡春華、ライバルの陳敏爾らの世代となる。この第六世代には習が眼の仇としてきた共青団指導者が多く、かれら党官僚が台頭することに本能的嫌悪感を露呈する。
それは文革で教育を受けられなかった習近平の知的コンプレックスからくる激しい学識列劣等識からだろう。

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