中国で大勢のウイグル族が不当に拘束されていると国際社会から批判が強まるなか、アメリカの有力紙は、中国政府の内部文書を入手したと報じ、中国政府は職業訓練が目的だと主張する施設に強制的に収容し、徹底した思想教育を行っているなどと伝えました。
アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは16日の電子版で、中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル族の人たちを強制的に収容していることを示す内部文書400ページ余りを入手したと報じました。
それによりますと、中国政府がテロ対策を目的に職業訓練を行っていると主張する施設では、外部と通信が遮断され、厳しい規律のもとで徹底した思想教育が行われているとしています。
また、自治区の外から帰省した若者が、家族が収容されたことを知った場合には、地元の当局者が速やかに接触して、SNSなどで情報を拡散させないよう措置をとるとしています。
さらに、内部文書には習近平国家主席の非公開の演説内容も含まれるとしていて、2014年に新疆ウイグル自治区で行った演説では、取締りについて「いっさい容赦するな」などと指示したと伝えています。
中国政府の大量の内部文書が外国メディアに報じられるのは異例のことで、ニューヨーク・タイムズは提供したのは中国の政治関係者だとしたうえで、「中国共産党の内部にもウイグル族への弾圧を疑問視する声が根強いことを示している」と指摘しています。