【カイロ=久門武史】エジプトのスエズ運河庁は29日午前(日本時間同日午後)、座礁し運河を塞いでいた大型コンテナ船「エバーギブン」が部分的に離礁したと発表した。船尾が岸から102メートル動いた。満潮を利用して同日午前11時半(日本時間午後6時半)に作業を再開し、船を水路の中程に戻す方針だ。
運河庁報道官の声明によると、ラビア長官は完全に離礁すれば運河の通航が再開すると表明した。23日から遮断されていた国際海運の大動脈、スエズ運河が正常化に向かうとの期待が出ている。
運河庁は満月の28日に満潮時の水位が上がるのを利用し、タグボートで座礁船を動かそうとしてきた。船首の周りの土砂2万7千立方メートルを取り除き、水深18メートルまで掘り進んだと表明していた。
ラビア氏は28日、運河内や両端で足止めされている船が369隻にのぼると表明した。行列の解消には時間がかかるとみられており、エバーギブンが動けるようになっても、全面的な正常化は先になる可能性がある。
エバーギブン(22万4千トン)は全長400メートル、全幅59メートルと世界最大級のコンテナ船で、再浮上させる試みは難航した。船を軽くするためコンテナを降ろす選択肢も検討され、その場合さらに時間がかかるとの懸念が出ていた。
エバーギブンは正栄汽船(愛媛県今治市)が所有し、台湾のエバーグリーン・マリンが運航している。23日朝の座礁の原因について、ラビア氏は27日「技術的問題やヒューマンエラーの可能性もある」と語った。同庁は当初、砂嵐による視界不良が原因としていた
スエズ運河:彼らはどのようにエバーギブンを動かそうとしているのですか?
リアリティチェック&ビジュアルジャーナリズム
BBCニュース
スエズ運河に停泊しているコンテナ船を移動させる取り組みは部分的に成功していますが、完全に解放するにはさらに多くのことを行う必要があります。
船はどのように動かされていますか?
エバーギブンは400m(1,300ft)で、幅200m(656ft)以下の運河を斜めに横切ってくさびで留められていました。
月曜日の船追跡ソフトウェアは、船の船尾が西岸からうまく移動したが、船首は東岸の近くに残っていることを示しています。
彼らはケーブルを使用するか、被災した船の横に直接配置して、船を解放しようとしています。