パルデンの会

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ロシア軍とは『反ナチスという言葉を使い』ウクライナに攻め込んだ 非人道的な野蛮な現代ナチスの再来である。 人間の尊厳もなく、目的もなく、単にプーチン独裁が怖いからという最低な民族である。 だから何世紀にも渡って欧州で弾圧されたのである。 彼らこそ民族浄化されなければならない。

ウクライナ軍志願兵の元米軍兵士が語る「負傷兵を置き去りにする露軍の非道」

信じがたい露軍の戦術、徴集兵に「1932年製ライフル」を持たせてオトリに
2022.6.13(月)木村 正人フォ 
 
  • 6月8日、激戦地セベロドネツクでロシア軍と対峙しているウクライナ軍兵士が、戦闘中に話し込んでいた(写真:AP/アフロ)
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(在ロンドン国際ジャーナリスト・木村正人)

 

[キーウ発]東部ルハンスク州のセベロドネツクでロシア軍の攻撃が続いている。

 セベロドネツクの市長は英BBC放送に「ウクライナ軍は爆撃を受けているのに自衛する手段がない」と長距離砲と防空システムの必要性を強調した。ウクライナの大砲1門に対しロシアの大砲は10~15門もある」(ウクライナ国防省情報総局幹部)という。

 前線の詳細について、自ら志願して5月からウクライナ軍に参加している元米陸軍兵士マーク・ロペス氏に聞いた。

筆者のZOOM取材に応じるマーク・ロペス氏(筆者がスクリーンショット
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イラク戦争やアフガン戦争も経験した歴戦の兵士

  ロペス氏は米陸軍で1974年から30年間、機甲と空挺の任務につき、イラクアフガニスタンにも従軍。そのあとも米民間警備会社を経営し、アフガンに継続して関わった。

 14年から4年間、ウクライナ軍に現地で爆発物探知や戦闘外傷救護を指導した。昨年8月にはアフガン脱出作戦を支援。今回は外国人志願兵(ウクライナ軍少佐)として戦闘外傷救護を指導した後、戦闘部隊に加わる。現在は東・南部戦線の後方にいる

 

遠隔地からの砲撃、空爆へと戦術を切り替えたロシア軍

――現在の戦況をどのように分析していますか。

マーク・ロペス氏(以下、ロペス) ロシア軍が都市を陥落できなかったため、首都キーウとウクライナ第2の都市ハルキウの状況は一変しました。ロシア軍は都市部に入ることができなかったのです。ウクライナ軍と志願兵の大隊、領土防衛隊、重武装した警察は、西側の対戦車兵器を大量に使ってロシア軍の侵攻を阻止しました。トルコ製の無人戦闘航空機「バイラクタル TB2」も役立ちました。

キーウ近郊のアントノフ空港でウクライナ軍に破壊されたロシア軍の主力戦車T-72B(ミハイリフスカ広場で筆者撮影)
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 しかし、東部ドンバスのドネツク州とルハンスク州の環境は異なります。大きな都市はなく、小さな村や小さな都市があります。5万人から10万人の人口がありますが、キーウやハルキウのような大都市ではありません。そのため戦闘の様相が異なり、ロシア軍は戦術を変えました。

ウクライナ東部スムイで破壊されたロシア軍の多機能装甲車カマズ・タイフーン(ミハイリフスカ広場で筆者撮影)
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 ロシア軍は30~60キロメートル以上後退して大砲やロケット弾を発射し、インフラストラクチャーを破壊し、民間人を殺戮しています。戦争の形態は一変しました。その結果、ウクライナ軍は小さな村や小さな都市、鉄道や補給路を守るために陣地を確保することになったのです。

――大砲戦になり、戦況は膠着しているのでしょうか。

ロペス ほとんど第一次世界大戦の大砲と塹壕の戦いのようなものです。ドネツクやルハンスクの一部の部隊では1日に12時間から15時間ぐらい大砲やロケット弾、空爆が行われています。しかし、膠着状態であるかどうかはわかりません。ロシア軍は何千人もの死傷者を出しながらも多くの部隊を投入しています。

 最近、シベリアからの部隊がうまく戦えないので、前線から後退させられました。一部のロシア軍部隊は命令に従わずに指揮官に前進しないと伝えています。これは興味深いことです。キーウやハルキウでも同じようなことがありましたが、今はもっと多く起こっています。

 しかし砲撃、ロケット弾、空爆は自らの意思で上官の命令に逆らうことはできないため、そうした戦法がとられているのです。

民間人を狙った攻撃

――ロシア軍は戦術を変え、露チェチェン共和国のグロズヌイやシリアのアレッポのやり方に戻したということですか。大砲や爆撃でライフラインや学校を破壊し、民間人を殺害しているわけですね。

ロペス 私たちは「民間人に対する戦争」と呼んでいます。その良い例が、クラマトルスク駅へのミサイル攻撃と、ハルキウの市場へのロケットとミサイル攻撃です。

 そこでは民間人、子供、おばあさん、おじいさん、妊娠中のお母さんが標的になりました。アレッポやグロズヌイと同じようにロシア軍は民間人に恐怖を与えたいのです。

 私の戦闘外傷救護の授業では民間人を助けることについて教えています。

――射程40キロメートルのGPS全地球測位システム)誘導弾も発射できる米国製「M777」155ミリメートル榴弾砲はゲームチェンジャーになりますか。

ロペス 200門もあればね。90門あればロシア軍の懸念を引き起こすことができるでしょう。ドイツ、ノルウェーポーランドは大砲を提供し、米英両国は多連装ロケットシステムを提供すると言っています。これは非常に良いことです。

 ロシア軍の自走多連装ロケット砲は8発から40発のロケットが一度に発射されるシステムで、非常に破壊的です。ロシア軍の砲撃は正確ではないかもしれませんが、村全体を破壊し、集合住宅を破壊することができます。

ロシア軍の多連装ロケット弾(ミハイリフスカ広場で筆者撮影)
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――ウクライナ軍に必要な最新鋭の大砲は何門でしょう。

ロペス 200門でも500門でも必要です。つまりウクライナ軍がロシア軍と同じ土俵に立つために得られるものすべて要ります。射程が2キロメートルや10キロメートルの戦いではありません。

 50キロメートル、60キロメートル、70キロメートルの戦いに勝たなければならないのです。なぜなら予備軍が控えている地域やフライ(飛行)ゾーン、レスト(休憩)ゾーンまで攻撃することができるからです。それが鍵になります。

ドローンは戦場で極めて有効

――ウクライナ軍の砲撃はドローンをうまく使っているため、非常に正確だとも言われていますね。

ロペス これはドローン戦争です。シリアやチェチェンから持ち込まれたドローンによる戦争です。1番はトルコ製のバイラクタル TB2。これは非常に優れています。「リーパー」や「プレデター」のような米国製長距離ドローンもあります。武器を搭載しない偵察用の中国製ドローンや、他にも小型のドローンもあります。

 私たちの部隊でもドローンを使っています。高度3000~4000メートルのドローンで、飛行時間は15~30分。ウクライナの若者たちはドローンや電子機器、コンピュータゲームを理解し、この才能をさらに一歩進化させました。

 私たちのような世代はドローン技術やコンピュータゲームのことは分かりません。しかし、ミレニアル世代の若者、ウクライナの若い兵士たちは、男性も女性も、これを完全にマスターして使いこなしているのです。

――軍隊の経験がなくてもできるんですか。

ロペス そうです。米国でも8歳から25歳までの人たちは、テクノロジーの達人なんです。私たちの世代は達人ではありません。デジタルの動きや能力を理解することができないからです。若い世代はそれらを持っています。ウクライナにとっては良いことです。

完全に「短期戦」しか想定していなかったロシア

――ロシア軍の通信は聞くことができるのですか。

ロペス その通り、今でも聞こえます。肯定的なものも、否定的なものも両方です。「ウクライナ人を皆殺しにしろ、犬を皆殺しにしろ」という罵りも聞こえますが、「われわれの司令官はどうしたんだ? どうして食べ物がないんだ? どうして水がないんだ?」という不平も聞こえてきます。

 動画投稿サイトYouTubeで盗聴されたロシア軍の通信を聞くことができます。彼らは食事に不満を持っており、ウソをつかれたと文句を言っています。

 捕虜になったロシア兵が母親に「ママ、僕はウクライナにいるんだ」と話しています。母親は「何を言っているの? 土曜日には(ウクライナから40キロメートルの)露ベルゴロド州の基地まで連れて行ったばかりなのに、ウクライナで何してるの?」と叫んでいます。ロシア兵は「ママ、トラックに乗れって言われたんだ。今は捕虜なんだ」と答えている通信もあります。

――ウクライナに侵攻したロシア兵は携帯電話を使っているため、ウクライナの中継基地を通して会話が筒抜けになっているという話もありますが、本当ですか。

ロペス 本当です。戦争が始まった2月24日、ウクライナ軍はロシア軍の多くの安全な通信手段を破壊しました。ロシア軍はウクライナ軍がそんな芸当をできるとは思っていなかったようです。

 ロシア軍は通信手段として携帯電話を使わざるを得ません。小さな携帯電話を取り出し「司令官、どうしますか」と言わなければならないのです。普通の携帯電話、普通のSIMカードを使ってね。

――なぜ、そのような状況に陥ったのでしょう。

ロペス ロシア軍は「100日戦争」の準備をしていなかったのです。彼らはウクライナ軍を1週間で壊滅できると思っていたのです。しかし戦争は侵攻開始以来100日を超えました。ロシア軍は準備ができていなかったのです。

 ロシア軍が戦ったウクライナ軍は西側の近代的な戦闘部隊でした。ロシア軍は今、1962年につくられた戦車を引っ張り出してきて、この戦争を戦っています。なぜならロシア軍の戦車は破壊されてしまったからです。

――ロシア軍は時代遅れになった武器を使用していると報道されていますね。

ロペス それも本当です。ドネツクやルハンスクの志願兵や徴集兵の大隊の中には1932年や1941年に製造されたライフル銃を使っているところもあると聞いています。ロシア軍はこうした部隊を使ってウクライナ軍の位置を探り、他の部隊が砲撃できるようにしています。32年や41年に製造されたライフル銃を持たされた部隊は殺されてしまいます。気が狂っているとしか思えない戦法です。

兵士の遺体や負傷兵を戦場に置き去りにするロシア軍

――ロシア軍の状況はどうですか。

ロペス ロシア軍は兵士の遺体や負傷者を戦場から搬送しません。収容したり救出したりするのではなく、ただ戦場に置き去りにするのです。ロシア軍は遺体や負傷兵をそのまま残していきます。これに対しウクライナ軍は一兵残らず連れていこうとします。これは私が教えていることです。戦闘外傷救護の衛生兵はすべての兵士を搬送して助けようとします。しかしロシア軍は何のためらいもなく自軍の負傷兵を放置していくのです。

――ロシア兵であっても救うのですか? 彼らの命を?

ロペス 戦場に残された命は、敵であれ、味方であれ、すべて救うのです。それはジュネーブ条約に定められています。敵兵が負傷して捕虜になったら、彼らの世話をしなければならないのです。

 

――ロシア軍の戦略はまったく間違っていて、準備も装備も不十分で、士気も低いと言われています。

ロペス 私の見解では、問題はおそらく彼らのシステムの一部であると思います。ウクライナ軍の兵士は非常に優秀で、2014年のロシア軍によるクリミア侵攻から自国のために自国内で戦っています。これに対してロシア兵は新兵です。ロシア兵は真実を語りません。良い食べ物、良い水、良いコミュニケーションもありません。

 ロシア軍はたくさんのロケットや大砲を持っている。しかし戦争の勝利は、祖国のため、領土や家族を守るために戦う兵士によってもたらされるのです。ロシアは侵略者です。ロシアが喧伝する占領地での住民投票は真実ではありません。

 イーロン・マスク氏のスターリンク衛星インターネットシステムの中に真実があります。ロシアのデマゴーグプロパガンダ、第二次大戦中の旧ソ連のシステムの中には真実はありません。ロシア軍はウクライナ軍を押し返しているのでしょうか。どんな戦争にも一進一退があります。

 重要なのは米英、北大西洋条約機構NATO)、欧州がウクライナに武器を与えていることです。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の「今これが必要だ、弾薬が必要だ」という言葉を聞く前に与えるべきでした。対戦車兵器については、それなりに耳を傾けました。いま必要なのは大砲です。

「これは第三次世界大戦だ」

――ウクライナ軍はロシア軍をどこまで押し返せると思いますか。

ロペス これはウクライナで起きている第三次世界大戦なんです。ロシア人がウクライナからいなくならない限り、戦争は終わりません。他の指揮官や兵士たちとも話しましたが、私の考えでは戦争を止める唯一の方法は、ウクライナ人がロシア人と分離主義者をウクライナから追い出すことです。

――この戦争はこれから先、何年も続く可能性があるということですか。

ロペス アフガンでの悲劇的な戦争は20年続きました。この戦争が20年続くと思うかといえば、そうは思いません。ウクライナ軍の武器や指揮系統が改善され、ウクライナ穀物輸出が再開されることを期待しています。NATOウクライナを支援しています。ロシアでは多くの家族が徴兵された息子たちがウクライナに送り込まれたことを知らないのです。

――ウクライナ軍の兵士も大きなダメージを受けていると思うのですが。

ロペス 大砲のせいで第一次大戦のように、脳震盪や外傷性脳障害、手足の切断も多いのですが、負傷兵を前線から搬送し、良い治療を施しています。戦うだけではダメです。戦うのは軍隊の20~40%で、残りはロジスティクスとサポートです。燃料を補給する人、食事をつくる人も必要なんです。戦争では、戦う人だけでなく、支える人も重要なんです。

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