中国3カ月ぶり利下げ 8月、景気回復もたつきで
【北京=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)が22日発表した2022年8月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は1年物が3・65%だった。7月までの3.70%から0・05%引き下げた。住宅ローン金利などの目安となる期間5年超の金利も4・30%となり、7月までの4.45%から0・15%下がった。景気回復がもたつくなか、3カ月ぶりの利下げに踏み切った。
5月の利下げは期間5年超の金利のみを0.15%下げた。期間が異なる2つのLPRを同時に下げるのは1月以来、7カ月ぶりとなる。
中国国務院(政府)は18日開いた常務会議で「企業の資金調達や個人の消費者ローンのコストが下げるよう推進していく」と指摘した。金融緩和の強化で資金需要を刺激し、景気回復を促したい考えだ。
中国経済は力強さに欠けている。夏に入り、一部の都市で新型コロナウイルスの感染が再び広がった。地元政府が移動制限を厳しくし、内需の戻りが遅れている。7月の工業生産や小売売上高は6月より減速した。
資金需要もさえない。社会全体が7月に銀行や市場から新たに調達した資金(社会融資規模)は前年同月を3割下回った。企業や家計向けの中長期融資の純増額も45%減った。6月は21年5月以来の増加を記録したが、再び減少に転じた。