法律とまではいいませんが、厚生省労働局の一応の基準として、就職面接時には、以下のことを質問するべきではない、とされています。
思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問
あなたの信条としている言葉は何ですか。
学生運動をどう思いますか。
家の宗教は何ですか。何宗ですか。
あなたの家族は、何を信仰していますか。
あなたは、神や仏を信じる方ですか。
あなたの家庭は、何党を支持していますか。
労働組合をどう思いますか。
政治や政党に関心がありますか。
尊敬する人物を言ってください。
あなたは、自分の生き方についてどう考えていますか。
あなたは、今の社会をどう思いますか。
将来、どんな人になりたいと思いますか。
あなたは、どんな本を愛読していますか。
学校外での加入団体を言ってください。
あなたの家では、何新聞を読んでいますか。
◆ なぜこのような質問はいけないのか? ◆
これはあくまで企業就職の話ですよ。そして、例えばこの質問のうち、「尊敬する人物を言ってください」以下のものは、私は別に質問してもかまわんとは思う。その人の個性を知る上では悪くない質問だし。ただ、少なくとも今、厚生省としては、以上のようなことは企業の面接では避けるべきとしています。
統一教会は宗教じゃないし、政治活動と企業活動は違う、という反論はもちろんあるでしょう。ただ、今やこの原則を、本当は労働者の見方であるはずの弁護士やジャーナリスト、政党が堂々と否定しかねない言説をしているように思う。
私がある政治家のボランティアをしようと思って事務所に行ったら、そこで「あなたの信仰は何ですか」と聞かれたり、映画の上映会をしようと会議室を借りようとしたら「上映会の責任者の信仰を書いてください」といわれたとする。私はその時点で「なぜ、あなたたちにそれを答えなければならないんですか」と抗議するでしょう。しかし、今の議論を観ていると、ここまでいくような気がします。