パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

カンボジア  経済成長を成し遂げ、気がつけば復興を支える主役は、日本から中国に交代していた

☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆☆◇◆◇☆◆◇◆☆◇◆◇☆◇◆◇◆◇☆◇◆◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)9月23日(金曜日)
        通巻第7473号  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(休刊のお知らせ)小誌、週末(24日、25日)は休刊です
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 あの「キリングフィールド」の国が経済成長
   復興を支える主役は、日本から中国に交代していた
****************************************

 APECの問題児で、つねに『中国の代理人』として振る舞ってきカンボジアが不思議なことに中国の「債務の罠」のリストには入っていない。
 あの「キリングフィールド」の国が経済成長を成し遂げ、気がつけば復興を支える主役は、日本から中国に交代していた
世界銀行IMFの「債務持続可能性分析」では、カンボジアの債務務危機のリスクが低いと報告されていて、首をかしげる

カンボジアの債務の対GDP比較は 2019 年の 28.2% から 2021 年末に  35% に上昇した。中国からそそのかされて新幹線をビエンチャンまで繋いだラオスの債務は2019 年から 2021 年の間に GDP の 68% から 88% に上昇した。ラオススリランカパキスタンにつづいて「債務の罠」に落ちた。

 カンボジアにおける中国の存在はすさまじい。
プノンペンの空港から市内へ至るまでに高層マンションが建ち並び、看板をみるといずれも中国語。ショッピングモールもホテルも中国資本が目立ち、日本資本のイオンや高層ホテル「東横インなんて目立たない。この新街区は付近に中国大使館もあって、林立する摩天楼は90%が中国である。

中国はカンボジアで道路、橋梁、水力発電などを請け負うが、民間投資はマンション、ホテル、カジノに向いている。王宮周辺のツーリストロッジなどは西洋人のバックパッカーが屯したが、コロナ禍以後、めっきり観光客が減って、目立つのは中国人ばかりだ。
かくして、カンボジアの中国に対する債務は 40 億 5000 万米ドルに達している。
 カンボジアの『独裁者』フンセン首相(24年間、首相の座にある)は、「債務のわな」を否定し、「中国だけの債務者にはならない。また中国はカンボジアを債務者として罠にかけるつもりはない」と明言しているが、かれの発言はつねに二枚舌、まったく信用がない。
 そのうえフンセン政権は経済活性化のために新しく500億ドルのインフラ投資を今後十年間になすと計画しており、IMFが慌てた


 ▲中国の軍功に化けかねないリアム基地

 カンボジアにおいて中国の軍事基地の疑いが濃厚なのは、シアヌークビル近郊のリアム海軍基地だ。このリアム海軍基地は、シアヌークビル空港から車で15分、国立公園に囲まれた一角にあって以前から米軍が問題視してきた。
公園は海沿いの広大な敷地で、マングローブ、白砂ビーチ、沖合にサンゴ礁

 リゾート開発を名目に中国企業が「国際観光リゾート開発区」プロジェクトを開始している。中国国有「中信集団(CITIC)」系の金融会社が融資するスキームだ。
「金銀湾開発区」は、会議施設、健康保養センター、スマートホテル、人民元のオフショア清算拠点など「スマートシティ」として機能させるトカ。

この手口もスリランカを「南アジアのドバイ」にするとコロンボ合に人口島を造成し、一大金融都市という触れ込みで中国企業が受注し、中国の銀行がドル建てで融資し、建機、建材ばかりか労働者も中国から連れてきた、まるで現地にカネを落とさず、それどころか借金を押しつけた遣り方そっくりである

 疑惑はまだある。
リアムの北西にあるダラサコル空港も中国が建設した。このダラサコル空港の滑走路は3200メートルあって、表玄関プノンペン際空港(3000メートル)よりも長い。
軍用機の離発着が可能で、米軍が以前から注目監視している。

 内戦の廃墟から立ち上がり、カンボジア復興を手助けしたのは日本だった。平和復興の国際会議は日本が費用を拠金し、東京で開催された。
 日本の援助実績は(1)有償資金協力が約1,823億円(2019年度までの累計)。(2)無償資金協力が約2,188億円(2019年度までの累計)。(3)技術協力が約932億円(2019年度までの累計)と飛び抜けて無償援助が多いのである。
      □☆み□☆☆□や☆□☆□ざ☆□☆□き☆□☆□