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世界に逆行する媚中外交!? 安倍元首相の国葬儀で〝北京のご意向〟どおり台湾排除

世界に逆行する媚中外交!? 安倍元首相の国葬儀で〝北京のご意向〟どおり台湾排除 林外相に文春、新潮砲が炸裂

 

夕刊フジ

反応
 
 
林外相の〝特異行動〟を、週刊文春(左)と、週刊新潮が報じた
林外相の〝特異行動〟を、週刊文春(左)と、週刊新潮が報じた
 

林芳正外相の不適切な「対中配慮」疑惑を、週刊文春週刊新潮(いずれも10月6日号)が報じている。先月29日に催された安倍晋三元首相の「国葬国葬儀)」の際、安倍元首相と縁の深かった台湾を巧妙に、迎賓館から〝排除〟したというのだ。

報じられているやり方は次の通り。

まず、林外相は事前に台湾に対し、「蔡英文総統や、(安倍家の葬儀に駆けつけた)頼清徳副総統、立法院長らは参列しないよう」根回しをする。日本の「立場」を理解した台湾側が、王金平元立法院長(国会議長)、蘇嘉全前立法院長という大物「元職」の参列を決めると、次の手を打った。

 
林外相
林外相

台湾の参列者を指名献花の列には入れて体裁を整えつつも、国葬儀後に東京・元赤坂の迎賓館で行われた参列者挨拶(=岸田文雄首相が主催し、安倍昭恵夫人も同席)では、「出席は現職に限る」という謎ルールをつくって、台湾を排除したというのである。要するに、北京のご意向どおりの算段だったと報じられているのだ。

 

これらが事実なら大問題ではないか。

 

安倍元首相が台湾を尊重していたからという事情はもちろんだが、日本国民にとって台湾は、他の国とは圧倒的に異なる存在だ。東日本大震災のとき、台湾の人々がいかに多くの支援を寄せてくれたかを、林外相と外務省は知らないとでもいうのか。

日本人は「まさかの時の友こそ真の友」という言葉も知らないと、台湾の方々に思われてしまうことは、一日本国民として心苦しい。加えていま、中国の軍事的脅威が世界的な課題となってきた中、台湾を蔑(ないがし)ろにする選択は、むしろ外交上あり得ないはずだ。

週刊文春の取材に、外務省は「そのような事実(=林外相の指示)はありません」と否定している》

先月就任した英国のエリザベス・トラス首相は9月25日、テレビのインタビューで、「台湾が自らを防衛することができるよう、同盟国と協力していく決意だ」と強調している。同じく、イタリア初の女性首相に就任する見通しのジョルジャ・メローニ氏も、台湾への威圧を強める中国に「厳しい態度で臨む必要がある」と対中政策の転換を明言している。

こうした現状の激変に対応すべく、わが国の林外相、岸田首相の頭の中は、アップデートされているだろうか。ひょっとしたら10年前のまま、止まってしまっているのではないかと危惧している。

 

一方、この「台湾排除」の大問題をわが国の大メディアは全く取り扱わない。その裏には、国葬儀の前に、駐日中国大使館による日本の大メディア「お呼び出し」があったことが関連しているのか。中国に特派員を置く日本の大メディアが、中国の「威嚇」に極端に弱いことはいまさら説明するまでもないだろう。

 

さて、そんな大メディアの大半が、やはりスルーを決め込んだ、もう1つ(=正確には2つ)のネタがある。

それは、夕刊フジのみが報じた、「世界ウイグル会議のドルクン・エイサ総裁と安倍昭恵夫人の面会」。そして、産経新聞夕刊フジだけが報じた、「ドルクン氏と萩生田光一政調会長の面会」である。

安倍首相の逝去後、昭恵夫人の動向を憶測で報じるメディアが少なくなかった。しかし、いまの世界でこちらも大問題となっているウイグル問題に、昭恵夫人がアクセスしているという、情報には大メディアは無関心を決め込んでいる。

中国政府が最も嫌う男として名高いドルクン氏が、自民党の現職党四役と面会するのは初めてのことだが、こちらにもダンマリだ。下手に報じて「中国様」のご機嫌を損ねてはならないという忖度(そんたく)だろうか。

軍事侵攻などするまでもなく、日本の政界と大メディアはすでに北京の掌中に握られたかのようだ。ここから先は、私たち国民一人ひとりの自衛への覚悟と叡智(えいち)が試されるときへ突入するに違いない。

 

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。