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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)5月3日(水曜日)
通巻第7734号 <前日発行>
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6月1日にアメリカはデフォルトに陥る可能性がある
「9億9500万ドル以上の富豪から財産を没収せよ」とサンダース議員ら
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早ければ、6月1日にアメリカはデフォルトに陥る可能性がある。債務上限を1・5兆ドル増額するというバイデン政権の提案を共和党が賛成しかねているからだ。現在アメリカの債務は31・4兆ドルで、過去102回、上限枠が「改訂」された。
5月1日、イエーレン財務長官は(議会が早く議決してくれなければ)「6月早々に政府支出が出来なくなる」と警告する書簡をマッカーシー下院議長に送った。共和党はバイデンが提案している学生ローン免除など4・5兆ドルの歳出削減が条件だとして大統領と面談してきた。
バニー・サンダース上院議員は自ら社会主義者を名乗り、過激な発言を繰り返して、リズ・ウォーレン上院議員やジミー・ゴメス下院議員らと「99・5%法」を提案している。
法案は「9億9500万ドル以上の富豪から財産を没収せよ」とスターリンもビックリの内容。
バニー自身の個人資産は300万ドル。なにか浮き世離れした主張だが、学生ローン返済に悩むアメリカ国民は現在4000万人を数え、最近の大學授業料は5・5万ドルを超えているからサンダース人気は一向に衰えないのである。
こういう時にまた銀行が倒産した。
SVB、シグニチャー銀行、クレディスイスの破産とつづいて、欧米は深刻な金融危機に直面しているが、前から噂のあったファースト・リパブリク銀行は1000億ドルの預金流失を認めた。SVB倒産直後から同行の株価は115ドルから3・51ドルヘ暴落している。
JPモルガン・チェースが買収するが、条件は920億ドルの預金と1730億ドルの貸し出し債権と、84支店の営業を引き継ぎ、人員を減らして効率経営にあたるというもの(ちなみにJPモルガン銀行の預金利息は0・01%しかない。アメリカのFFレートは4・75%だ)
ジャミー・ダイモン(JPモルガンCEO)は「銀行システムは健全に機能している」とメディアに安心を呼びかけた。JPモルガンへの預金集中と預金利率の低さに関する質問の答えた台詞だった。
◎☆□☆み□☆☆□や☆◎☆□ざ☆□☆◎き☆□☆◎