パルデンの会

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▼フェンタニル密輸でアメリカ人7万人が死亡。これぞ「アヘン戦争だ」  「アメリカ人18~45歳の死因のトップが、心臓疾患や癌、自動車事故、新型コロナなどではなく、フェンタニルだと知ったら驚く人もいるだろう」と米国メディアは報じた。

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023) 6月21日(水曜日)
        通巻第7804号  
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 中国が密輸するフェンタニルアメリカ人7万人が死亡
これは中国がしかける対米アヘン戦争ではないのか
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 ブリンケン国務長官の訪中は『歓迎』されなかった。赤絨毯の出迎えも花束贈呈もなかった。マクロン仏大統領訪中では赤絨毯、大歓迎の厚遇ぶりで習近平は上海にも付き合った。同時に北京にいたEUのファンデアライエン委員長を送り出すときに一般ゲートで扱った。

 米中の冷たい空気をほぐすなどと最初から無理な話だったが、コミュニケーションの維持だけが目的だったとすれば、ブリンケン訪中はとりあえずの時間稼ぎをしたことになるか。

 中国の対米関係における五つのNOとは
(1)     新冷戦をのぞまない 
(2)     体制転覆を求めない
(3)     中国に反対する同盟強化をのぞまない
(4)     台湾独立に断固反対する
(5)     中国と衝突する意思がないことを明確に

 ブリンケンは秦剛外相、王毅政治局員、そして習近平主席と面談した。双方はお互いの主張を繰り返しただけ、事実上の成果はない。次は九月のインドにおけるG20,11月の米国におけるAPECで首脳会議が開催されるときに、おそらく米中首脳会談となるだろう。

 最大の懸案は台湾防衛である。在台湾アメリカ人はおよそ8万人とされ、有事の際の待避計画が用意されている。王毅は「台湾問題ではまったく妥協の余地はない。悪いのは米国で制裁や脅威論が両国関係を悪化させたのだ。中国脅威論を言いふらすのをやめろ」と言い放った。

 さてブリンケンが習近平と面談のおり、人民大会堂の会議室の真ん中に蓮が飾られていたことを記憶しておきたい。
 蓮は「清心、神聖、離愛」を象徴する。仏陀は蓮の台座に座って瞑想した。習近平は蓮を飾ることによって、何を言外に語ろうとしたのか? 清心からほど遠く、人民大会堂は神聖な場所ではないから残るのは「愛が離れていく」ことしかない。

 ブリンケンは中国を離れる前に記者会見を行い、次のことを言っている。 
 「人権、異常気象、環境対策、ウクライナなど幅広く議論した。米国は経済的に中国を追い込むことはない。中国の経済発展は米国の利益である。デカップリングではなくデリスキングに基づくのである」。
 そしてブリンケンは、「フェンタニル問題で話し合ったこと」と言及したのである。


 ▼フェンタニル密輸でアメリカ人7万人が死亡。これぞ「アヘン戦争だ」

 「アメリカ人18~45歳の死因のトップが、心臓疾患や癌、自動車事故、新型コロナなどではなく、フェンタニルだと知ったら驚く人もいるだろう」と米国メディアは報じた。

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 フェンタニルは米国で「チャイナガール」と呼ばれる。

だれもが知っている。中国からの密輸であることを!
米国に流通する違法フェンタニルの90%以上が中国から来ている。中国がアメリカに「アヘン戦争」を仕掛けていることになる。

5月30日、米国は「麻薬フェンタニルの密造に関与した」として、中国やメキシコを拠点とする8企業・団体と9個人を制裁対象に指定した。中国企業フェンタニルの錠剤を製造できる機器を供給していた。

 以前は国際郵便などで直接購入して捌くような売人が幅をきかせていた。
輸入管理強化や中国人に対する制裁措置などの対策を米国が講じるようになると、今度はメキシコの麻薬カルテルなどを経由してアメリカに違法フェンタニルなどが届くようになった。

結局、中国が違法薬物の輸出規制への協力を強化しないため、いつまでもアメリカに違法薬物が流れ続けている。
これをブリンケン国務長官は公式の場で中国に抗議したのである。

フェンタニルは患者の苦痛緩和鎮痛薬。中国起源の化学物質がメキシコで合成され、米国に大量密輸されている。モルヒネの50~100倍の効果がある。フェンタニルは合成オピオイドのことだが、オピオイドは、罌粟(けし)の実からから採取される有機化合物とそこから生成される化合物の総称。

さて日本の報道のあり方に一言。米中外相会談ならびにブリンケン習近経会談が一面トップだったが、その下に天皇陛下のインドネシア訪問でジャコ大統領と会談したニュースである。
順番が間違っていないか。日本の新聞はどこの国の新聞なのか。