中国共産党の内部告発者によれば、党首である習近平はフェンタニル生産に関して明確な指示を出し、公安部の王小洪部長に関連部門を統括して、生産支援を強化しつつ、アメリカへの輸出ルートを拡大するよう命じたという。
「看中国」が5月6日に報じたところでは、法学教授であり北京大学の元教員である袁紅冰氏は、中国共産党がアメリカへ大量のフェンタニルを輸出している背景には、習近平の明確な指示があると述べている。
内部告発者の証言によると、約1年半前に行われた中国共産党国家安全委員会の秘密会議において、習近平はフェンタニル問題に関して「重要な」発言を行い、この内容が実行部門に伝わった後、外部へ漏れたという。
その発言で、習近平は西欧列強がアヘン戦争を起こして麻薬を使い、中国人を「東アジアの病人」と呼んだ歴史を強調し、アメリカが薬物問題に直面しているのは中国共産党が採用した「東昇西降」戦略の結果だと述べた。また、アメリカ人が、自身の精神的退廃に対する問題を直視をせず、中国共産党に責任を押し付けるのは「覇権主義」の典型であると非難した。
さらに、アメリカが中国に対し、フェンタニル生産制限と輸出監視を求めるのは、中国の発展を妨げるものであり、経済に対する宣戦布告とみなされると主張し、中国共産党はこれを断固として拒絶する立場を示した。
袁紅冰氏の証言によれば、こうした習近平の発言を受けて、中国共産党第20回大会後に公安部長の王小洪がフェンタニル生産拡大とアメリカへの輸出ルート拡大を支援するように指示を強化した。王小洪は公安部の内部会議で、フェンタニルの製造と流通を、アメリカとの戦略的な全面戦争および超限戦の一環として扱うよう、関係部門に指示した。
4月下旬、アメリカのブリンケン国務長官が北京を訪れた際、中国共産党とフェンタニルの不当な輸出問題を交渉で解決しようと試みたものの、習近平は信頼を置く王小洪公安部長をブリンケンとの対話に送り込んだ。このことから、ブリンケンやバイデン政権はこの問題に対する習近平の立場を完全には理解していない。