パルデンの会

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中国政府は侵略が失敗することを認識しているため、台湾に対して攻撃的な認知戦争の戦術を採用していると付け加えた。 

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)7月5日(水曜日)弐
      通巻第7819号  
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「中国軍は台湾を侵略する陣容を整えたとは言えない」
 玉沢徳一郎(元防衛庁長官)が台湾で講演
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 2023年7月3日、前原誠司議員が野党議員団十名を率いて台湾を訪問し、蔡英文総統と面会した。
 その前日、玉沢徳一郎防衛庁長官防衛大臣)は台湾「日台交流協会」(事実上の日本大使館)で講演し「中国軍は台湾を侵略できない。理由は戦力不足である」として、次のよう述べた。

「中国が台湾に侵攻するには少なくとも130万人から160万人の兵力が必要、その兵員を輸送する能力がない(強襲艦は8隻)」
また中国は「食糧安全保障の問題」に直面しており、台湾侵攻には総合的な兵站を含む能力を欠いている。

玉沢氏は続けてこう述べた。
「中国は以前、輸入穀物の多くをロシアとウクライナから得ていた。こうした食料輸入もロシアのウクライナ侵攻によって脅かされた。中国の人口の60%が豚肉を食べているが、豚肉1kgの生産には30kgの穀物が必要である。戦争のイロハとして、豊富な食糧が必要である。もし中国が戦争を始めれば、直ちに食糧不足に直面するだろう。『腹が減っては戦はできぬ』」

 中国政府は侵略が失敗することを認識しているため、台湾に対して攻撃的な認知戦争の戦術を採用していると付け加えた。 
 ちなみに玉沢氏は早稲田大学雄弁会出身で、海部、森、小渕ら歴代首相と親しかった。大学院時代の論文は「中ソ対立」で、当時、一枚岩と考えられていたソ連と中国が抜き差しならない対立にあることを玉沢氏は早くから掌握していた。
中国人の癖は演出、芝居好き、嘘つきである。異常なほど声高に何かを吠えるときは、舞台裏では異なった行動をとっていることが多い。
たしかに玉沢氏の指摘するように、戦争は勝利だけを目的とはせず、戦闘準備で国内を統一する統治の効果的方法でもある。侵略直前に異変が起きて、戦争どころではなくなる例も世界史には多い。

 いや、日本とて聖徳太子は300隻の船団と2・7万の兵士を用意していたが。出陣直前に指揮官の弟君が急逝して中止に追い込まれたし、藤原仲麻呂新羅攻撃のため、400隻3万を出航直前に疫病が蔓延し沙汰止みとなった。
政治は、一寸先は闇である。


 ▼「グローバリズムは死んだ」

 7月5日、日本の議員団や大臣経験者とは対比的に米国議員団の発言はエスカレートした。米下院議員のケビン・ハーン(共和党オクラホマ共和党研究委員会委員長)が台湾を訪問し総統府で蔡英文総統と面談、そのときは「何時の日か台湾が独立することを希望する」と述べた。7月4日は米国の建国記念日だった。

 共和党研究委員会の台湾訪問団はハーン委員長以下、バージェス・オーウェンズ、マイク・フラッド、マイク・コリンズ、ラッセル・フライ、ケイス・セルフら六名の下院議員。この共和党研究委員会は1973年設立で。現下院に175議席を擁し、共和党にとって下院で二番目に重要な議員団体である。

 同日、TSMC創設者の張忠謀(モリスチ・ャンン、94歳)が台湾工商会で講演し、「グローバリズムは死んだ」と発言していることは注目に値する。

「嘗てグローバリゼーションは数十億人を貧困から救い出し、多くの国で生活水準を向上させたが、他方で富の不均衡な分配を悪化させるなどのマイナスの影響もあった。しかし近年、グローバリゼーションによって雇用が失われ、多くの国の中産階級が弱体化した。米国の鉄鋼、自動車、衣料品メーカーは製造施設を海外に移転し、メリットを共有できなくなった。これは『トゥキディデスの罠』、つまり新興国が地域または国際的な覇権者として既存の大国に取って代わる脅威を感じたとき、戦争への流れを形成する。まさに中国と米国である。米国は軍事的
、経済的リーダーシップを確保するために中国に対して貿易制限を導入しライバル国の競争力を弱めようとしている」
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