ドイツ内務相 5G からファーウェイを排除
中国通信機器大手ファーウェイ(華為)製の設備がスパイ活動に関与する懸念が広がっている。ドイツ内務・国家相は、安全上の理由から、何としてもドイツの5G通信網からファーウェイを外すべきだと表明した。
ドイツのファーウェイに対する調査をまだ完了していないにもかかわらず、内務大臣のナンシー・フェーザー氏は、ドイツが米国や日本などの国々に追随して、ファーウェイの設備を排除するべきだと考えている。
同氏は、特定の通信部品の使用が深刻な安全リスクをもたらす可能性がある場合、その使用を禁止すべきだと述べている。また、ネットワーク事業者が行動を起こし、安全リスクを根絶すべきだと主張した。
18日、フェーザー大臣は独紙「ハンデルスブラット」に、ファーウェイやZTE(中興通訊)が製造する設備が高いリスクをもたらす可能性があるなら、通信網にすでに組み込まれた機器を取り外して交換するしか選択肢がないと話した。
フェーザー氏はその結果生じる高額なコストを理由に、リスクのある設備を使用し続けるのは言い訳に過ぎないとし、「コストに惑わされることはない」と述べた。
また、フェーザー大臣は安全問題は遊びではないし、ドイツの移動通信事業者は、新しい要件に適応するための十分な時間を与えたと指摘している。
「長い間、安全保障部門は一方的な依存に対して何度も警告を発してきた。私は、運営者が対応するための十分な時間があったと考えている」と同大臣は述べた。
実際、米国は2012年に同盟国に対して警告を発し、ファーウェイとZTEが「国家の安全」を脅かす可能性があると指摘した。
2018年、豪州は国家安全保障上の考慮で、5G通信網について、ファーウェイとZTEの参加を拒否した。その後、ニュージーランド、日本、英国、スウェーデン、カナダなども同様な動きを見せた。
ドイツは2019年からファーウェイへの調査を行っているが、まだ進行中である。 メルケル政権は常にファーウェイに対する強硬路線を避け、代わりに厳格な審査プロセスを強調し、技術的側面だけでなく、政治的側面からも利益とリスクを考慮している。
今年3月、ドイツ政府は大きな一歩を踏み出した。ファーウェイやZTEが製造した中国製機器を5Gネットワークの構築に使用することを禁止し、すでに設置されている機器を外し、他のメーカーの機器と交換しなければならないと発表した。