中華民国(台湾)衛生福利部疾病管制署(台湾CDC)によると、中国では5つの病原体が流行している。今回の流行の波に世界保健機関(WHO)は警戒している。
疾病管制署は、台湾海峡の両岸の人々は頻繁に往来しているため、中国での感染拡大に際して、近い将来中国に渡航する人は、現地での手洗い、マスクの着用、個人の衛生に注意を払うように呼びかけている。
台湾疾病管制署は25日に、最近、中国における呼吸器疾患の発生率が上昇していると紹介した。流行している病原体にはインフルエンザ、マイコプラズマ、RSウイルス、アデノウイルスと新型コロナウイルスなどが含まれ、主な罹患者は小児だ。さらに、北京市や遼寧省など一部の地域の病院では「患者が大量に増加している」などの状況を報告した。
台湾疾病管制署は、WHOも中国での集団発生に注目していると指摘した。これまでに収集された情報に基づいて、WHOは既知の病原体が地域社会で著しく流行していると述べた。
肺炎マイコプラズマは他の年齢層よりも小児で肺炎を引き起こす可能性が高く、WHOは地域発生を継続的に監視・観察することを推奨している。過去3年間の同時期と比較して、インフルエンザの流行も高まっており、現在の主要例はインフルエンザH3N2亜種およびビクトリア系統のB型インフルエンザ。
疾病管制署の発表では、中国共産党(中共)の公式公開情報によると、北部における感染症は5週連続で急上昇しており、救急外来受診の割合は6.2%に達し、過去3年間の同時期の2.5倍だとされている。
中国がWHOに提供した情報によれば、呼吸器疾患の急増は複数の病原体が原因だ。台湾疾病管制署は、状況を引き続き注視し、中国への旅行を計画している人々に対して、新型コロナXBB対応ワクチンとインフルエンザワクチンの接種を早めに受けるように勧告している。
台湾疾管署は、空港と港湾の検疫所での警戒を強化し、中国、香港、マカオからの入国者に対して、症状がある場合は医師の診察を受け、旅行歴を報告するように電子掲示板などで注意を喚起している。また、これらの地域からの入国者に対して、発熱やインフルエンザのような症状がある場合、航空会社の従業員や検疫所の職員に報告し、検疫所および発熱スクリーニングで診断を受けるよう呼びかけている。
台湾疾管署は、両岸の人々は頻繁に往来しているため、中国における感染拡大に鑑み、近いうちに中国渡航を予定している人は、現地での手洗い、マスクの着用、個人の衛生に注意を払うように呼びかけている。帰国後、発熱や急性呼吸器疾患の症状がある場合、渡航者はマスクを着用し、速やかに医療機関で受診した上、自身の旅行歴、職業、摂食歴、クラスターなどの情報を提供するよう要求されている。医師が早速確認・診断し、適切な医療ケアを提供する。
病院内は「窒息しそうなほど」の凄惨な光景 すでに医療崩壊状態か=中国
現在、中国では全国範囲で疫病の感染が爆発している。
各地の病院、とくに小児科病院は、あふれる患者でごった返しており、もはや崩壊寸前の段階を超えて、実質的に「医療崩壊が起きている」といっても過言ではない状況だ。
病院内には、今にも窒息しそうになるほどの「凄惨な光景」が広がっている。そこでは、無数の子供たちの命が、まさしく風前の灯なのだ。
「我が子の前には、まだ300人も順番待ち患者がいる」。その母親は、40度の高熱を出した娘を抱いて病院へ連れてきたが、2日経った今も、まだ診察を受けられない。
高熱と呼吸困難で苦しむ娘を胸に抱いたまま、せわしく呼び出しパネルを見つめる母親。彼女自身も、もはや倒れそうなほど疲れ切っている。
なかには、救急外来のホールで「1週間」も寝泊まりして、子供の入院の順番待ちをする父親の姿もある。1歳2か月の娘は、10日前から40度の高熱が続き「マイコプラズマ肺炎」と診断された。父親である陳さんは、娘がすでに「白肺」という重篤な状態になったにもかかわらず、入院させることができないという。
病院からは「あなたの娘より、もっと重症の子でも(入院の)順番待ちをしている」と告げられた。この若い父親は、娘の入院の順番を待つために、病院のホールに1週間も泊まりこんでいるのだ。
11月25日の深夜12時、中国南部のある病院に、生後4か月の赤ちゃんが救急車で運ばれてきた。小さな乳児を抱いた老人は、疲労で倒れた両親に代わって、重症の孫を連れてきた祖父であろうか。
おじいさんは、泣きそうな顔で「どうか、この子を先に診てもらえませんか」と看護師に懇願した。しかし「あなたの前に、もう9時間近く順番待ちしている患者がいる。その中には、40度の高熱を出している人もいる」と言われ、断られてしまった。
時刻は、すでに真夜中である。おじいさんと生後4か月の孫は、二人とも額に「熱さましの冷却シート」を貼って、じっと診察の順番を待つしかなかった。その番号は、すでに700番を超えていた。
各地の病院は昼夜を問わず大混雑している。院内はいたるところで、診察や入院の順番待ちをする患者やその家族が「ごろごろと転がっている」状態だ。
このまま、ここで患者の命が尽きていたとしても、すぐには気づかれない。この状況から推察して、救命の蘇生措置も行われないだろう。
戦争中の野戦病院よりも凄惨な光景が、今の中国の病院には、極めて普遍的に存在している。